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アスミカケル

格闘も良いけど、家族愛も良い

アスミカケル 川田
六文銭
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格闘マンガは正直あんまりな自分でしたが、本作は格闘シーンだけでなく主人公の家族愛が良くて、一気に読んでしまいました。 というのも、父親は事故で他界。 子供5人を母親が女手1つで育てる。 祖父は認知症。 そんな環境でも、主人公はそこその生活を維持するため学校でも家でも何かと穏便にすますよう、色々と耐えている状況。 認知症の祖父の介護を率先してみたり、学校でいじめられていても笑ってすます。 主人公の不憫さと家族思いの姿にグッときます。 ところがどっこい、実は、認知症の祖父はかつて「明日見流総合武術」をうみだした最強の格闘家だったようで、そんな祖父に密かに毎日稽古をつけられていた主人公。 最初はクラストメイトに誘われ見学しただけだった「MMA」のジムで火がつき、格闘家としてのセンスを開化していくという流れ。 そこから、同じく祖父に格闘技を教わるも、より強さに取り憑かれ家を出ていった兄と再会し、兄弟対決が行われる。 兄はプロの格闘家。しかもトッププロ。 2人の熾烈なバトルが描かれる、一方でそれは子供がやる兄弟喧嘩のようにもみえ、根底には兄、そして家族への思いがビンビン伝わってきて泣けます。(画像参照) 認知症の祖父を見限って、家を出たと思っている主人公。 兄は兄で、少しずつ壊れていく祖父に耐えられなかった様子は圧巻でした。 ただの格闘技マンガにはない兄弟愛・家族愛があって、そこがすごく魅力的な作品でした。 兄も主人公のことを思っている様子が随所にあって、悪いやつなんて1人もいなっかたんです。

アスミカケルお気に入り度
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キルアオ

『黒子のバスケ』著者の新作

キルアオ 藤巻忠俊
六文銭
六文銭

伝説の殺し屋の主人公が中学生になってしまい、その原因となった薬の製薬会社のお嬢様・蜜岡ノレン(同級生)から情報を聞き出そうとするも、彼女は大の男嫌い。 しかし、その製薬会社の社長(つまりノレンの父親)がノレンの婚約者に会社を譲ると発表したので学園内の男子から言い寄られる毎日。 それにゲンナリしたノレンが、中学生になる前は既婚だったこともあって、主人公に異性を感じないことから嘘のカレシになることをお願いし承諾。 結果、学園のあらゆる男子から狙われるという展開。 しかも、この学園には「ユニコーン」と呼ばれる勉強・運動・容姿、全てにおいてハイスペックな男子集団がいるらしく、彼らにも当然狙われる。 まとめると、学園バトルラブコメ的な話。 と、まぁ、ここまで書いて思ったが、まだ3巻なのに、なんとも全マシみたいな設定および展開にビビる。 『黒子のバスケ』単行本の著者コメントで「後悔ないように、最初に全部やりきってやる」みたいなこと書いていたような気がしたけど、本作もホントそれに近い。 何より、色々あるけど、ごちゃごちゃしてないのがすごい。 (文章にするとごちゃつくのに) そして、色々あるから、とにかく展開が早くて飽きない。 ショート動画に慣れて瞬間的に面白くないと判断されれば見向きもされない、この時代にあわせているのかな。 『黒子のバスケ』同様キャラづけは相変わらず秀逸で(家庭科部の部長とか)、ここも本作の魅力です。

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天体戦士サンレッド 完全版

サンレッドよりもヴァンプ将軍が主役っぽい

天体戦士サンレッド 完全版 くぼたまこと
六文銭
六文銭

アニメ化もされた本作。 タイトルが天体戦士サンレッドとあり、戦隊ものっぽくみえるが全然違います。 どちらかというと、サンレッドの敵であるヴァンプ将軍率いる「フロシャイム」の怪人がメインな作品。 というのも、サンレッドはただヒモであり、彼女からお小遣いをもらってはパチ屋で溶かし、怪人が現れれば理不尽にボコすようなチンピラみたいな存在。 一方で、「フロシャイム」は世界征服を望んでいるわりには、ヴァンプ将軍筆頭に常識人ばかり。 手紙を送って決闘申し込んだり、子供を人質にとったはいいが、夜に塾があるとわかれば親御さんに電話して送る始末。 怪人も、バイトだってする。(どうやって面接通過したのか…) 常識人というよりは、一般庶民っぽい。 ここが面白い。 怪人なのに、隣の住人の騒音に悩まされたり、悩みがほんと小市民っぽくて笑える。 一人暮らし(えてして貧乏っぽい)あるあるも多い。 だから怪人側のほうが親しみやすくて妙に憎めない。 戦隊バトルものを期待していたら残念だが、ギャグ漫画として楽しめる1冊です。 また、気に入った方は、同著者の『GOGO!ぷりん帝国』も、似たようなテイストなのでこちらもおすすめです。

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