名無し
1年以上前
個人的な考えだけど、ジャンプ+で本作を読んだうえで単行本を買った人のうち、結構な割合は「作者のあとがき」を目当てに買ったのではないかと思っている。 理由はわざわざ書かなくてもなんとなく伝わる気がするが、「タツキ先生はどう思っていたんだろう」というのを知りたかったのは多分自分だけではないはず。 結論から言うとこの単行本にはあとがきは載っていなかった。 カバーの折返しに付いてくるコメントとかもなし。 なので、なんとなく「各々が感じたものを大事にしてください」みたいなことなのかなぁ…とちょっと煮え切らないながらもまぁ納得していた(そもそも作者が自分の作品にあとがきを載せる義務はない)。 …のだが、このあと刊行された『藤本タツキ短編集』の最終ページにはあとがきが載っている。それもなんと『ルックバック』についての話が。 引っ張っておいてなんだけど、何が書いてあるかはここでは書かない。作者のそのままのことばで読んでほしいし、そうすべき内容だと思うから。 でも『ルックバック』がタツキ先生にとってどういうものだったのかが真摯に書いてある…と自分は感じた。掴みどころがない普段のコメントとかツイートの印象もあって、殊更そう感じたのかもしれないけど。 内容にほんの少しだけ触れると、『ルックバック』の単行本にあとがきがなかったというか、載らなかった理由もきちんと書いてある。 自分はこの理由がすごく好きだった。 そんなわけで、まだ短編集を読んでない方はぜひ手に取ってみてほしい、という話を『ルックバック』のクチコミとして投稿した次第でした。
野愛
野愛
1年以上前
若くてかっこよくて飲食店のオーナーをしている恋人と結婚するので仕事辞めます!幸せになります! と寿退社かました途端、恋人に逃げられすべてを失った女性が再び立ち上がるお話…だけど主人公のあすみにあまり同情できないのがこの作品の面白いところです。 ・結婚したら僕が全部養ってあげるからね、あとで何百万入れとくからね! という恋人の言葉を疑わず、全部自分のカードで支払い ・ほんとに大丈夫なの?1年は付き合って見極めたら?という冷静な家族の言葉を無視 ・生活費がなくなったので親友に金を貸してと泣きつく ・食費すら切り詰めなきゃいけないのにデパコスのマスカラ、高級万年筆、お洒落カフェのスコーンなどを買う うーん。やっぱり同情できないんだなあ…。 とは言え、いきなり生活水準を下げるのはとても難しいことですよね。 しかも、約束されていた幸せが全部なくなってしまったなら尚更。 まだ28歳ならすぐバイトすりゃいいじゃん、頭下げて実家帰ればいいじゃんと思うのですが、悔しさ寂しさ恥ずかしさ…いろいろな思いがあることでしょう。 読んでいて8割方イライラモヤモヤさせられるあすみですが、なんだかんだ立ち上がって強く生きようとしています。 ちょっとだけ同情して、ちょっとだけ馬鹿にして、たっぷり反面教師にしながらしっかり見守っていきたいと思います。