あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前
夢って本当にいい加減というか、思ってもみない事を言ったりやったり、そのくせ妙にリアルで、心にけっこうダメージがある割にはすぐに忘れてしまう。 『夢でフラれてはじまる百合』は、そんな「夢」が一人の女子の「恋」を生み出してしまう同性愛物語です。 幼馴染の親友に、何故か告白して、何故か振られる……そんな夢は、今まで感じたことのなかった親友への恋心を気付かせてしまう。 それ以来親友を恋愛的・性的惹かれの状態で見てしまう主人公。友情と恋の葛藤。「フラれる=関係が終わる」切実さは、私にかつての恋(異性愛ですが)を思い出させます。 夢に翻弄される主人公の一方で、幼馴染はどう見ても主人公に惚れている(それを見守る友人cpの尊さよ……)あとは悪夢の呪縛を振り切って、告白するだけ!……がなかなか遠いラブストーリー。 思ってもみなかった悪夢も、それを何度も反芻してしまえば、まるで現実のような重さを持つ妄念として心にこびりつく。どうか目の前の幼馴染とちゃんと心を交わして、告白を乗り越えて悪夢を「恋のきっかけ」へと変容させられますように、と願いながら最後まで追いたいと思います。 (初夢に悪い夢を見てしまった人へ。2023年1月2日記す)
ナベテツ
ナベテツ
1年以上前
以前に赤木雅子さんと相沢冬樹さんのノンフィクションを読んでおり、連載が始まったと知った時、単行本を楽しみにしていました(確か6月くらいに発売予定が出たので、伸びたのにやきもきしていました) 流石に森友事件を知らない人はいないと思いますが、幸福な夫婦を襲った不幸な事件であることは、論を俟たないところです。 赤木さんという人は、官僚として誠実に職務を果たそうとした人でした。本来の官僚というのは全体への奉仕者であり、特定の人間への利益を優先させるようなことを許容することは自己の存在を否定する事になります。己の職務が犯罪へと繋がるとなれば、官僚でなくとも耐え難いことでしょう。まして、仕事にプライドを持つ人であれば、その苦痛からの解放のために「最後の手段」を用いてしまったことへ何か言うことは出来ないと想像します。 ただ、遺された家族は違います。誠実に生きた人生に何が起きたのか、その事を知り、故人の名誉や尊厳を取り返す権利があります。たとえそれが権力者にとって不都合な出来事であったとしても。 この物語は、遺された妻の戦いの物語です。これからどれほど険しい旅路が待つのか、読者はただ見守るとしかできません。でもささやかながら、マサコちゃんへエールを送れればと思います。