幼なじみに「告白してフラれる夢」から始まる百合ラブコメ #1巻応援
親友だと思っていた幼なじみ相手に、夢の中でなぜか「告白してフラれる」場面から始まる物語。 もしかしたらその幼なじみのことを潜在意識で恋愛対象として見ていたのでは?と、その夢を見てから妙に意識し始めてしまう主人公がどんどん空回りしていくのが楽しいのですが、 当の幼なじみのほうはむしろ主人公のほうに気があるような雰囲気があります。 きっかけはちょっと変わったものでしたが、実は「両片想い」だということが読者にだけわかるという、明るく楽しい百合ラブコメです。 1巻まで読了
夢って本当にいい加減というか、思ってもみない事を言ったりやったり、そのくせ妙にリアルで、心にけっこうダメージがある割にはすぐに忘れてしまう。
『夢でフラれてはじまる百合』は、そんな「夢」が一人の女子の「恋」を生み出してしまう同性愛物語です。
幼馴染の親友に、何故か告白して、何故か振られる……そんな夢は、今まで感じたことのなかった親友への恋心を気付かせてしまう。
それ以来親友を恋愛的・性的惹かれの状態で見てしまう主人公。友情と恋の葛藤。「フラれる=関係が終わる」切実さは、私にかつての恋(異性愛ですが)を思い出させます。
夢に翻弄される主人公の一方で、幼馴染はどう見ても主人公に惚れている(それを見守る友人cpの尊さよ……)あとは悪夢の呪縛を振り切って、告白するだけ!……がなかなか遠いラブストーリー。
思ってもみなかった悪夢も、それを何度も反芻してしまえば、まるで現実のような重さを持つ妄念として心にこびりつく。どうか目の前の幼馴染とちゃんと心を交わして、告白を乗り越えて悪夢を「恋のきっかけ」へと変容させられますように、と願いながら最後まで追いたいと思います。
(初夢に悪い夢を見てしまった人へ。2023年1月2日記す)