兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前
『魔獣密猟取締官になったんだけど、保護した魔獣に喰われそうです。』のけんいちさん太郎さんが描く、オリジナルファンタジーです。 大地が裂けて数百年が経ち、裂けた陸を渡るために空路のみが発達した世界。ただ、地名的には日本のものが登場し、主に元日本だった場所が舞台になっているようです。世界がどのようになってしまっているのかの情報は小出しにされていくので、先を読みたくなるポイントのひとつとなっています。 この作品の最大の特色は、そうした部分も含めた大量に存在する独自設定です。 「虹色雲海(イリスウェル)」という輝く雲の発生しているところでは、時空間の歪曲が起こって一歩歩いただけでも数キロメートル進んでしまったり、空想の生物である竜や鬼や天使などが出現したりする。 更に、この世界には「現実性」という概念が存在し、虹色雲海の中などで現実性が低下すると「考えたことが現実となる」。ナイフを見て目に刺さることを想像してしまったら一瞬で失明するような世界で、訓練していなければ非常に危険。 しかし、それを逆手に取って人類が武器として行使するのが「思考投影(ファンタズマゴリア)」。意識的に想像を現実に投影して、それぞれ固有の能力として発動させることでさまざまな脅威に対処しています。念能力バトルのような趣もあり、思考投影によるバトルアクションがときに見開きも使いながら派手に描かれるところや、どんな能力が登場するのかは本作の見所のひとつとなっています。 また、人類を敵視する謎に包まれた「上位存在」という大敵が存在しています。開始数ページでその脅威の具合は伝わるのでぜひ試し読みしてみてください。そのデザインの良さや恐ろしさも物語を盛り上げます。 世界における実力者たちとの邂逅や、謎めいた危険な存在などワクワクする要素が満載。こうした世界観がお好きな方にはお薦めです。
たか
たか
1年以上前
1話読んで「いやおんもしろ!!えー!?ヤバくない?こんなマイナースポーツ作品の1話がこんなに面白いとかアガるんですけど〜」という感想。競技始まってなくてこれなら試合とか始まったらどうなっちゃうの〜!? 同じ日に転校してきたやつが大阪出身・191cm・関西弁・絵が上手いとかいうバグった設定のせいで注目をすべて奪われ、転校初日からボッチで飯を食う羽目になりかけた主人公の信濃(長野出身・185cm・信州弁)と、そんなスター性しかない転校生のくせに実はスキップも出来ない運動神経ゼロ人間・山城が水球をやる話。 偶然だと思いますが、マンバの書影も信濃が写ってなくてこれすら面白い。 信濃が「(運動神経)中の上」って言ったのに対し、山城が「すごい自信やな」と言ったのが理解できなかったのですが、スキップを見たら「あぁ!(完全理解)」となりました。このレベルからみたら中の上はすごい自信に分類されるわ…。 小気味よく繰り出される長野ネタ・ボケ・ツッコミが最高でした!! ごめん信濃…。北岳(日本2位の標高)は知ってるけど奥穂高(3位)は知らなかった。 サンデーに載っているという事実を噛みしめると、「W転校生」という設定の味わいがいっそう増してグッときます。面白い〜!!