罪を背負った臆病者エイス Aiming for the ace 伊図透ナベテツ年をとり、世間の垢にまみれ、世の中の汚さとか醜さを知ってしまった中年がいる。ただ、そんな男には、汚すことの出来ない、聖域とも言える無垢なる心の領域が、ある。 作者の伊図透さんが一貫して描くのは、そんな言葉にすることが難しい、魂の領域の話です。 薄汚れた中年であると自覚している自分はこの作品を読み返す度に、ああ、というため息が漏れます。 万人に受け入れられるような、間口の広い作品ではありません。作者にとっても、決して幸福な終わり方をした作品ではなかったのだろうな、とも感じられます。 それでもこの作品が持つ、暴力を孕んだ残酷な美しさは、読み手の心に深い点を穿ちます。川辺で語られた少年の日の言葉だけでも、広く読まれて欲しい。主人公のように皮肉な笑みを張り付けている中年は、いつか迷子の少年にそんな言葉をかけられるようになりたいと思ったりもします、ナベテツ1年以上前安堂維子里「特蝶」来月末に1巻が出ますが、バタフライ・ストレージの続編です(時代としては16年前) ちなみにバタフライ~にはこんなPVもあります https://m.youtube.com/watch?v=56sViWpcXxU自由広場【募集】まだ単行本が出てないおすすめマンガは?21わかるまだ年若いあなたにこそ読んで欲しい。神戸在住 木村紺ナベテツ天才・木村紺の処女作であり代表作。大学入学と同時に家族で神戸に引っ越した東京出身の一人の女子大生の物語。 淡々とした筆致で描かかれる日常風景は文豪が紡ぐ上質なエッセイのようであり、それだけでも一級の作品として評価されるものですが、この作品にはそれだけには止まらない、魂を震わす素晴らしさがあります。 まだ震災の痕跡が残る神戸の街と人々。少女は様々な出会いと、そして悲しい別れを経験します。作中の時期の、未だ復興を完全になし得ていない神戸という街の時代の空気感と、繊細な少女の成長という、この作品でしか描き得なかったフレーバー。彼女の受けた傷と、そこから立ち直る場面は、月並みかもしれませんが、明日を生きる勇気を与えてくれます。まだ年若く、何かを喪うことを恐れているあなたにこそ、読んで欲しい、そんな名作です。古い友。スローニン 𠮷田聡ナベテツコッセツとラッキューを古い友人だと解説で書いていたのは内藤泰弘先生(大都社版スローニン)ですが、多分ほとんどの読者は彼らを友と感じるだろうし、そんな出会いを持つことが出来たのは人生において幸運なことだと思っています。 少年の読者が全てを理解するには、少しビターな感情もありました。それでも二人の汗と泥にまみれた何でも屋としての日々はずっと輝いていますし、彼らを友として思い出せるのは、どんな財宝よりも大事な宝物だと思います。奇跡を信じた大人達The Mark of Watzel 武富智ナベテツ奇跡は起こる。言葉にすると陳腐に響くかもしれないけれど、その言葉に説得力を持たせる筆致の作者はどれだけいるだろう。たまたま手にして出会ったことの幸運に感謝する作品であり、人生を豊かにしてくれる作品だと思います。大人が楽しむことの出来るおとぎ話。ナベテツ1年以上前※ネタバレを含むコメントです。自由広場鬱・トラウマになった漫画は?【閲覧注意】2わかるナベテツ1年以上前結構前の作品ですけど星里もちる「本気のしるし」は逃避行かなあ。自由広場逃避行する漫画を探しています5わかるナベテツ1年以上前麻生みこと先生の「路地恋花」は1話完結の職人さんの仕事と恋の物語ですけどお奨めです。続編の小路花唄も良いです。自由広場仕事を題材にしたマンガ3わかるナベテツ1年以上前初めてカーリング知ったのは「ちょっとヨロシク!」だったなあ。あの作品はゲートボールとか重量挙げもやってたけど、サンデーで連載してたのはすごいと思う。自由広場マイナースポーツ漫画をあげろ5わかる « First ‹ Prev … 45 46 47 48 49 もっとみる
罪を背負った臆病者エイス Aiming for the ace 伊図透ナベテツ年をとり、世間の垢にまみれ、世の中の汚さとか醜さを知ってしまった中年がいる。ただ、そんな男には、汚すことの出来ない、聖域とも言える無垢なる心の領域が、ある。 作者の伊図透さんが一貫して描くのは、そんな言葉にすることが難しい、魂の領域の話です。 薄汚れた中年であると自覚している自分はこの作品を読み返す度に、ああ、というため息が漏れます。 万人に受け入れられるような、間口の広い作品ではありません。作者にとっても、決して幸福な終わり方をした作品ではなかったのだろうな、とも感じられます。 それでもこの作品が持つ、暴力を孕んだ残酷な美しさは、読み手の心に深い点を穿ちます。川辺で語られた少年の日の言葉だけでも、広く読まれて欲しい。主人公のように皮肉な笑みを張り付けている中年は、いつか迷子の少年にそんな言葉をかけられるようになりたいと思ったりもします、ナベテツ1年以上前安堂維子里「特蝶」来月末に1巻が出ますが、バタフライ・ストレージの続編です(時代としては16年前) ちなみにバタフライ~にはこんなPVもあります https://m.youtube.com/watch?v=56sViWpcXxU自由広場【募集】まだ単行本が出てないおすすめマンガは?21わかるまだ年若いあなたにこそ読んで欲しい。神戸在住 木村紺ナベテツ天才・木村紺の処女作であり代表作。大学入学と同時に家族で神戸に引っ越した東京出身の一人の女子大生の物語。 淡々とした筆致で描かかれる日常風景は文豪が紡ぐ上質なエッセイのようであり、それだけでも一級の作品として評価されるものですが、この作品にはそれだけには止まらない、魂を震わす素晴らしさがあります。 まだ震災の痕跡が残る神戸の街と人々。少女は様々な出会いと、そして悲しい別れを経験します。作中の時期の、未だ復興を完全になし得ていない神戸という街の時代の空気感と、繊細な少女の成長という、この作品でしか描き得なかったフレーバー。彼女の受けた傷と、そこから立ち直る場面は、月並みかもしれませんが、明日を生きる勇気を与えてくれます。まだ年若く、何かを喪うことを恐れているあなたにこそ、読んで欲しい、そんな名作です。古い友。スローニン 𠮷田聡ナベテツコッセツとラッキューを古い友人だと解説で書いていたのは内藤泰弘先生(大都社版スローニン)ですが、多分ほとんどの読者は彼らを友と感じるだろうし、そんな出会いを持つことが出来たのは人生において幸運なことだと思っています。 少年の読者が全てを理解するには、少しビターな感情もありました。それでも二人の汗と泥にまみれた何でも屋としての日々はずっと輝いていますし、彼らを友として思い出せるのは、どんな財宝よりも大事な宝物だと思います。奇跡を信じた大人達The Mark of Watzel 武富智ナベテツ奇跡は起こる。言葉にすると陳腐に響くかもしれないけれど、その言葉に説得力を持たせる筆致の作者はどれだけいるだろう。たまたま手にして出会ったことの幸運に感謝する作品であり、人生を豊かにしてくれる作品だと思います。大人が楽しむことの出来るおとぎ話。ナベテツ1年以上前※ネタバレを含むコメントです。自由広場鬱・トラウマになった漫画は?【閲覧注意】2わかるナベテツ1年以上前結構前の作品ですけど星里もちる「本気のしるし」は逃避行かなあ。自由広場逃避行する漫画を探しています5わかるナベテツ1年以上前麻生みこと先生の「路地恋花」は1話完結の職人さんの仕事と恋の物語ですけどお奨めです。続編の小路花唄も良いです。自由広場仕事を題材にしたマンガ3わかるナベテツ1年以上前初めてカーリング知ったのは「ちょっとヨロシク!」だったなあ。あの作品はゲートボールとか重量挙げもやってたけど、サンデーで連載してたのはすごいと思う。自由広場マイナースポーツ漫画をあげろ5わかる
ナベテツ1年以上前安堂維子里「特蝶」来月末に1巻が出ますが、バタフライ・ストレージの続編です(時代としては16年前) ちなみにバタフライ~にはこんなPVもあります https://m.youtube.com/watch?v=56sViWpcXxU自由広場【募集】まだ単行本が出てないおすすめマンガは?21わかる
ナベテツ1年以上前初めてカーリング知ったのは「ちょっとヨロシク!」だったなあ。あの作品はゲートボールとか重量挙げもやってたけど、サンデーで連載してたのはすごいと思う。自由広場マイナースポーツ漫画をあげろ5わかる
年をとり、世間の垢にまみれ、世の中の汚さとか醜さを知ってしまった中年がいる。ただ、そんな男には、汚すことの出来ない、聖域とも言える無垢なる心の領域が、ある。 作者の伊図透さんが一貫して描くのは、そんな言葉にすることが難しい、魂の領域の話です。 薄汚れた中年であると自覚している自分はこの作品を読み返す度に、ああ、というため息が漏れます。 万人に受け入れられるような、間口の広い作品ではありません。作者にとっても、決して幸福な終わり方をした作品ではなかったのだろうな、とも感じられます。 それでもこの作品が持つ、暴力を孕んだ残酷な美しさは、読み手の心に深い点を穿ちます。川辺で語られた少年の日の言葉だけでも、広く読まれて欲しい。主人公のように皮肉な笑みを張り付けている中年は、いつか迷子の少年にそんな言葉をかけられるようになりたいと思ったりもします、