愛する人との別れ―指の間からサラサラと何かがこぼれ落ちていく―悲しくて怖いから心を硬くして何も感じないようにしてしまう…。久しぶりに会った中学時代の友人・菊池は2年前に妻を病気で亡くしていたが、今でも指輪を外すことができないでいた。菊池は病床の妻を看取るまでの自分の混沌とした気持ちの中で最後に残った想いについて話してくれた。そして樹に優しく助言する。「過去とか経験とか期待とか一切を捨てたところに本物のいっちゃんがいるんだと思う」樹は自分が真に望むものがなんなのかを自問する。そして意を決し佐藤のところへ向かう……。女性たちの心に寄り添う今村リリィのエモーショナルラブストーリー【合冊版】9巻。【※単話配信「愛してるって、言いたい」41~45話収録】
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帰宅中、自宅近くで不審者に襲われてしまった雫を救ったのは香坂だった。今まで誰にも言えなかった言葉を口にする雫。「助けて」、その一言を。自宅が特定される危険性から帰宅も出来ず、頼る人もいない雫に香坂は自分のマンションに来るように言う。二人の自宅は目と鼻の先同士だったのだ。不審者に追われる恐怖から一転、香坂の優しい一面に安堵を覚える雫。もう大丈夫、とこわばった笑顔で言う雫に香坂は、これから毎日仕事が終わったら自分に電話するように、と言い出す。そして、二人は駅で待ち合わせ、一緒に電車に乗る――多くは語らない香坂の優しさに触れ、雫の心は次第にほぐれていくが・・・。 ※分冊版13~16巻収録