イベリスの花嫁

ポリアモリーと嫉妬 #1巻応援

イベリスの花嫁 秋山はる
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

本作の重要ポイントとして「ポリアモリー」がある事は、明言しておきたい。何故なら、まだあまり知られていないこの恋愛の形について、きちんと知られて欲しいから。 ポリアモリーとは「複数人数の間で結ばれる恋愛関係」の事だが、二股・不倫と違うのは、全ての関与者に関係をオープンにして、全員の合意を得る事を重視する点。 本作はウェディングプランナーの女性が、式場見学に来た新婦と恋に落ちる物語。この新婦が、実はポリアモリー的恋愛指向の持ち主。 既に夫を含めたポリアモリー関係を築いている新婦。彼女は「嫉妬」という感情を知らない。彼女と繋がる人達も、関係には同意しているが、内心はそれぞれのようだ。そして主人公は、彼女に恋する事で、嫉妬心も抱く。 1巻を読み終えて、全身がこわばっている事に気付く。否応無く落ちる恋、複雑な嫉妬心、職業倫理の間で揺れる主人公に、平穏が訪れる感じがしない。その先にあるのは、破壊か創造か……とにかく私の感情などどうでもいいので、続きが、結末が気になる。 ポリアモリーの実践者にとって「嫉妬」のコントロールは重要らしい。既に嫉妬している主人公は、それと折り合いをつけてこの関係に入っていくのか、それとも……いや、これはとても予測がつかない。

ケンガイ

ちょっと変わった不思議な魅力の恋愛マンガ

ケンガイ 大瑛ユキオ
六文銭
六文銭

ケンガイというタイトルはヒロインが「女性として射程圏外」というところからきている本作。 大分失礼な話だが、リア充や陽キャの人が女性の容姿をみて判断するアレだと思ってもらえると想像しやすいと思う。 ヒロインはそうした圏外のレッテルを貼られた女性で、 映画をみること以外はすべて放棄(それこそ食事さえも)していて、なかなか気合が入った感じなのですが、主人公はそんな彼女に惚れてしまう。 ただ、上記のとおり映画をみること以外は興味ないので、当然恋愛にも興味がなく、人間関係もまともに構築してこなかったから、主人公の告白にも無下にことわる。 というか、「罰ゲーム」か何か悪意があるのではないか?と邪推したりする。 それでも主人公は諦めずに、必死に彼女との関係を深めていく・・・という流れ。 こじらせた女性と普通の男性の恋愛で、特に男性の片思いを描いた作品なのですが、多分に自分の体験(主人公の男性が友人にそっくり)に近いのでスルッと共感できました。 人によっては見過ごしてしまうような魅力も、当人にとってはやたらと心に響くことってありますよね。 恋は盲目というのが、ピッタリだと思います。 主人公にとってそれが、ヒロインの映画をアツク語る姿であり、普段の無愛想で冷静な姿とのギャップだったわけです。 当て馬がでてきたり、奪ったり奪われたり、ドキドキしたりされたり・・・そんなことが起きる正統派な恋愛マンガで は な い! のですが、不思議と二人の関係がどう決着つくのか最後まで気になり楽しめた作品です。 一風変わった恋愛マンガをお探しの方はぜひおすすめします。 余談ですが、本作の魅力のもう1つに映画の情報が沢山でてくるので、自然に観たくなります。 特に冒頭にある、ヒロインが感動して 「あのシーンで感動しない人 信用しない!」 とまで言い切った作品はみてみたいなと思いました。 (3巻にその作品が出てきます。好きになった背景も。)