数年前に亡くなった曽祖父が残した、ひ孫・隼人宛の日記。そこには自らが兵士として過ごした戦争時の様子が綴られていた。それを読んだ隼人は、テレビの特集番組等では決して語られない事実を目の当たりにする。 この読み切りひとつで戦争のすべてがわかることは無いけど、国のために戦った戦士たちを無条件に讃えることの罪深さというものは(そういうメッセージ性があるのであれば)よく表現されていると思う。ウッとなる描写もあるけど最後まで読ませる力がありました。あの終わり方のように、「これを読んで君はどう思う?」と問いかけられているような気持ちになりました。
面白かった。中華屋を営みながら女手一つで苦労して育ててくれた母親を失くしたばかりの青年・浩嘉の前に、怪しい爺さんが現れる。母を訪ねてきたらしいその爺さんの謎の香炉で、浩嘉は過去の幻を見ることに……。 結局爺さんとその力はなんなんだというのは残るんだけど、その不思議は不思議のままでいいかと思わせてくれる読切。中華街だしね。そういうこともあるでしょう。
戦闘シーンいいね!これからの活躍に期待。
※ネタバレを含むクチコミです。
漫画家マンガというジャンルが広く描かれて久しいのですが、その描き方は十人十色であり、人柄やクリエイティブというものが色濃く反映されているところに、ファンは強く惹かれると思います。 湘南爆走族で鮮烈な連載デビューを飾った𠮷田聡先生が描いた本作では、まだ何者でもない青年のもがき苦しむ様がリアルに描かれています。 デビュー作が大ヒットし、様々な漫画家さんに影響を与え、映像化までしたという事実でもって、読者は順風満帆な漫画家生活なのだろうと思い込んでしまいがちなのですが、この作品で描かれているのは、明日の自分への不安を抱え、必死に「ヘッショナル」を目指す等身大の物語でした。 主人公の時田青年が𠮷田先生をどれだけ投影しているのかは、読者には正直分かりません。ただ、そこには「真実」というものもあるのだろうなと、中年の読者は過ぎ去った青春というものに思いを馳せます。 𠮷田先生のファンを公言している藤田和日郎先生が、本作を読んで涙を流したというツイートを以前みかけ、さにあらん、という感想を抱きました。夏の終わりに、過ぎ行く季節を感じる作品なのではないかなあと思います。
作者の秀良子先生の半自伝的な物語である表題作を中心とした短編集。おそらく自分と同世代であろう少女の日々は、その時代の懐かしさとともに、柔らかに少女の魂を描き、中年となった自分は郷愁を憶えます。 短編集として収録作品に幅もあり、作者の巧さ、インテリジェンスも感じさせる、素晴らしい1冊でした。また、みえちゃんの日々を覗いてみたい。続刊が出ることを、気長に待っています。
長尾謙一郎の新連載。面白い!!!! 物語の初っ端から水産高校のヤンキーにボコボコにされる主人公は、めちゃめちゃ優しいおばあちゃんと2人暮らしの恵まれない身の上らしい。傷だらけの顔面で店長にイビられながらコンビニでバイトをしてると強盗に襲われる。逃げる店長。たじろぐ主人公。そこに酔っ払いのオヤジがあずきバーを買いにやって来た…!ここでギャグを挟むのかと思ったら、オヤジがあっさりコンビニ強盗を撃退した。どうやら空手の使い手らしい。 二人が師弟関係になるのかな?次号は必見。
クールなスパイ物。お国のために潔く死ぬことを良しとする戦時下の陸軍の中で異質な存在のD機関。彼らを率いる伝説のスパイ結城の教えは「死ぬな、殺すな」。暗躍するスパイにとって、人の注目を集める死は最悪の選択である、と。だからこそ静かに自分の役目をこなす彼らにシビレるのだ。
数年前に亡くなった曽祖父が残した、ひ孫・隼人宛の日記。そこには自らが兵士として過ごした戦争時の様子が綴られていた。それを読んだ隼人は、テレビの特集番組等では決して語られない事実を目の当たりにする。 この読み切りひとつで戦争のすべてがわかることは無いけど、国のために戦った戦士たちを無条件に讃えることの罪深さというものは(そういうメッセージ性があるのであれば)よく表現されていると思う。ウッとなる描写もあるけど最後まで読ませる力がありました。あの終わり方のように、「これを読んで君はどう思う?」と問いかけられているような気持ちになりました。