その他の感想・レビュー3417件<<7677787980>>老年下っ端ヤクザの生活ジジゴク 沖田次雄hysyskありそうでない(自分が知らないだけかも)年を取ったヤクザの日常を描いた作品。無年金だからシノギが必要なのだが、それらが絶妙にありそうな内容でギャグながらちょっと怖い。経理もしないといけないよね。。単にニッチを狙ってるのではなく、描きたいものがあるゆえの細かさな気がするし、他の作品も読みたい。ドラマ化とかされても良さそうな面白さ。 絵は独特で好きな感じだけど、キャラと背景がもっとはっきり分かれてると読みやすいのと、手描き文字がしっかり目に入ってくるともっとカタルシスがあったように思う。知られざる傭兵の日常日本人傭兵の危険でおかしい戦場暮らし にしかわたく 高部正樹名無しマンガや映画のなかではかっこよく描かれている傭兵たちの実態がコミカルかつリアルに語られているエッセイ。過酷な環境の中で彼らが何を糧に生きて、戦っているのか、格好つけず誇張もしない等身大の姿で描かれるのが読みやすくて興味をそそられます。 意外だったのが日本人の傭兵が結構居るんだっていうこと。高部さんの所属部隊にも日本人の同僚が何人か出てきます。みな個性的な人物で読んでいるとくすっと笑えるのですが、もちろん戦場で命を落としている方のエピソードもあるわけで…。 高部さんが引退を決意した理由が「体がついてこなくなったから」っていうアスリートの言葉みたいなのも衝撃でしたが、その判断が出来るか出来ないかが生死を分けるんだろうなとという説得力がすごかったです。 縁遠いと思っていた世界が少し身近に感じられる一方で、自分の生活のすぐ隣で命のやり取りを行っているひとたちが居ることの重みを考えさせられました。いい大学、いい人生とは…ペナルティスクール 山崎京 美愛hysysk箸の持ち方でペナルティを受けていたのが懐かしくなるくらいの超展開。ここでやっていければそもそもの目的である難関大学に行かずとも人生上手く渡り歩けそう。登場人物の知能が高くなければ成立しない設定の作品を描くには、それ以上の知能(もしくは狂気)が必要なのだということを身を持って教えてくれる。樋口一葉の心の内を描いた傑作短編闇の瞬き~樋口一葉、奇跡の14か月間~ 杉本亜未starstarstarstarstarひさぴよ2014年のモーニング9号に掲載された樋口一葉の短編読み切り。「奇跡の14ヶ月」と言われた、最も華々しかった時期を描いた作品で、年に1回は読み返しているほど好きな読切です。 教科書的な一葉像ではなく、一葉自身が抱える心の葛藤を全面に表現していて、静かで暗い雰囲気ながらとても気迫の込もった作品です。この物語に描かれている一葉こそが、本当の人物像だったのかもしれない、とまで思えてしまうのです。 電子書籍ストアでは165円、杉本亜未先生のnote上では100円で購入できます。 https://note.com/amiscake/n/ne10eb9400342 美しい花で差別の醜さを描く #完結応援ひらりふたり、花の国 うたたね游天沢聖司※ネタバレを含むクチコミです。内容と後書きにみる福満しげゆきの本領福満しげゆき初期作品集 娘味 福満しげゆきにわか初期作品なだけあって、さすがの濃度。なんか拗らせ感がすごくて、いい。様々な作品の原型となっているのがよくわかる作品集なのもポイント。なにより2ページにギッシリつまった後書きの陰鬱とした語り口は必見。福満しげゆきが癖になりかけてる人はぜひ荒唐無稽な美術マンガだけど数パーセントの真実がある蒼き炎 石川サブロウhysysk※ネタバレを含むクチコミです。 100年先も愛を誓おう困ったじいさん【同人版】 大江慎一郎 大江しんいちろう野愛新しい年をむかえたのでときめきたくなりました。じれったくなる学園ドラマや恋愛ドラマよりももっとインスタントにポップにときめきを摂取したかったので、じいさんにお願いしました。 Twitterで流れてくるたびに感じていたときめきを大量摂取できて幸せです。じいさんに困らされたいし、じいさんに困らされてるばあさんがかわいいし、こんな夫婦になりたい。 蛤食べて海老食べて夫婦円満と長生きを願うのもいいですが、困ったじいさんに困らされるのも同じ効果が得られる気がします。田中角栄物語だった柳都物語 倉科遼 和気一作名無し女帝シリーズが好きなので読んでみました。戦後の新潟で苦労しながら料亭の女将になった女性が主人公なのですが、彼女が田中角栄をモデルにした人物の愛人になる話がメインで、むしろ最終的には田中角栄物語になっていました。主人公の存在はフィクションなので、田中角栄の話が中心になっていくと存在感が薄くなってしまうのが残念でした。そのあたりの歴史に詳しい人が読むと印象が変わるかもしれません。今まで読んだ漫画の中で一番ヤバイ極悪美女軍団 卍 滝沢解 川崎三枝子名無し※ネタバレを含むクチコミです。 山と友情と愛情が複雑に絡み合うイカロスの山 塀内夏子hysysk誰もが人生のどこかで、諦めたり、自然に遠ざかってしまった夢や恋心というのはあると思う。すっかり忘れてしまっていたり、心の奥底に引っかかってはいるけども日々を過ごすのに精一杯だったり、ある程度現状に満足していたりするかも知れない。 そこにどうしようとなく惹かれるチャンスが巡ってきたらどうするだろうか?主人公の三上は医者として働き、好きだった女性と結婚して子供も産まれ、何不自由なく生きているように見える。しかし三上のかつての夢、クライマーにとってはその世間一般での幸せこそが、ある意味では不自由なしがらみとなってしまう。 物語はヒマラヤに未踏峰の山が見つかり、学生時代のパートナーであり、全てを山にささげた平岡と再会するところから動き出す。山に惹かれること、平岡との絆、そして妻の真の思い…。これらが8000m級の厳しい登山に挑戦する中で明らかになっていく。 自身もワンダーフォーゲル部出身で、スポーツマンガの名手と呼ばれ取材力にも定評がある作者ならではの迫力と細かな描写が素晴らしい。山で人が亡くなった場合の手続きなど、登山シーン以外でもこの世界の大変さが語られる。 マンガに影響されて登山に憧れるのはやばそうな気がするし、何故みんながここまで山に惹かれるのか分からないほどに厳しさが描かれているのだが、仄かにこういった極限状態に置かれてみたいような気持ちになるのは確か。サバイブする少女たちの物語ワスレナグサ ~ミズキとけいこの物語~ 園山千尋野愛こんなに痛くてヒリヒリする思春期を過ごした記憶はないけれど、多かれ少なかれ全ての少年少女たちが世界をサバイブしているんだと思う。痛みを忘れてしまったわたしもあなたも、痛くて仕方ない日々を過ごしてきたんだと思う。 なんてわかったことを言えるレベルではないくらい、ミズキとけいこがおくる日常はあまりにも過酷だ。 家庭にも学校にも居場所がない、心休まる瞬間なんてない、そんな日常。 自分を傷つけたり、よくない方向へ走り出したり。危なっかしいけれど必死で闘う彼女たちの辿り着く果てに救いがあることを願う。 家庭とか学校なんて社会のすべてじゃないよって心から思うけれど、それに気づくためには逃げ出す方法や闘う方法にきちんと辿り着かないといけないんだよなあ、とやるせなくなります。 どうか、すべての闘うひとたちが幸せに辿り着きますように。お洒落すぎる初恋とその終焉宗太郎くん るびー天沢聖司※ネタバレを含むクチコミです。 プロレスファンはいつだって信じているプロレス鬼 コンタロウ野愛これほどまでにプロレスを確かに描いた漫画は他にない。プロレスファンがどういう視点でプロレスを見てプロレスを信じているか、ここに描かれていることが正解で真実だと思う。 予定調和の小競り合い的なものをプロレスと呼ぶ風潮。プロレスの試合をまともに見たことがない人が言う「プロレスはショー」「プロレスは八百長」という決めつけ。 そんなことはどうでもいい。プロレスを見続けるものにとって、そんな揶揄はどうでもいいのだ。 気迫がなければ八百長ですら勝てない、そんな世界をプロレスファンは信じている。 力が強ければ、技が決まれば、強いプロレスラーになれるわけではない。 ペドロがスカルマンになれたのは同じ技ができたからではい。ファンの声に、世間の目に、時代の流れに、自分自身に向き合ったからである。 家族揃ってお茶の間でプロレスを見る時代が終わり、数えきれないほどのインディー団体が生まれ、海外からやってくる謎のマスクマンの映像も簡単に手に入るようになった現代。 時代は変わってもプロレスファンがプロレスに対して求めるもの、信じるものは変わらない。 プロレスを信じるものに読んでほしい漫画です。 二重人格の殺人鬼13号の復讐劇!!!!隣人13号 井上三太名無し2巻の終わりに「こんなところでやめられるかぁぁぁ」「絶対に続けるんだぁぁぁ」というセリフがありましたが、これは連載していた雑誌がここで休刊になってしまったので編集部に向けて叫んだそうです(笑)。この漫画自体もヤバい隣人に遭遇してしまった経験を元に描かれたらしく、警察官の「日本人が1000人いれば1人は〇〇〇〇が混じっているんですよ」というセリフは実際に言われたものだそうです…。文庫化記念の描き下ろし表紙カバーが上手すぎて中身とのギャップがすごかったですが、画力ってこんなに向上するんだなと思いました。今の絵柄で本人にリメイクしてほしい。因習から少女を救うため2人で逃げる殺し屋の話雨太 正木秀尚名無し※ネタバレを含むクチコミです。 同人版の方が好きサラリーマンが異世界に行ったら四天王になった話【同人版】 ベニガシラ名無し※ネタバレを含むクチコミです。ホストクラブ(猫)が爆誕ネコホスト 卯月よう名無しwebアクションの連載ページより先に手の込んだホストクラブ風の特設サイトの方を開いてしまってたまげました。メチャクチャ力入ってるな〜! https://www.futabasha.co.jp/introduction/2018/nekohost/index.html https://comic-action.com/episode/13933686331772647244 石油ストーブにこたつとみかん、そして大量のネコちゃん・・・ !クリスマスのVIPルーム最高すぎますね・・・!一生ここにいたい。記憶と違った...猛き龍星 原哲夫starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男久しぶりに読んだけど平成初期の「男一匹ガキ大将」をやるとこんな感じになるのかなとか思ってしまった。番長マンガと思ってたらちょっと「花の慶次」を感じさせる描写があったり"華僑"ではなく"和僑"という概念が出たりと色々楽しめた。記憶だと主人公は海外に行ったシーンで終わっていたんだけど、それから色々あったのをしったよ。なんか変な終わり方だなと思ったら3巻の単行本のコメントが全てを物語ってた... 高校の思い出はジャンク味やねん #1巻応援たべざかりの山本さん! 青春とジャンクフード 森つぶみあうしぃ@カワイイマンガまあ私の高校時代も、よくもあんなに食べたなぁと思う位、暇を見ては学食・購買・コンビニ・ファーストフードを渡り歩いていた事を、この作品を読んで思い出しました。 あの時食べていた、安くて体に悪いけど、旨い物。その思い出は、季節や一緒にいた人、テストの結果、部活の練習後のお喋りなんかとセットになっている。 時々よく分からないお店に入ってみる高揚感や、群れから離れる秘密の時間と強く結びつく味覚。そんな感覚が、一冊にぎゅっと込められていて、たくさん笑ったり頷いたりしました。 食べる時の気持ちによって味覚も変わってくる、という感覚も何度も描かれていて、首肯してしまう。やっぱりご飯はエピソード込みだよね! 主人公の食に拘る女子・山本さんと、友達の読書女子・八木ちゃんの、同じノリではないけど共にいて心地良さそうな関係が良い。一緒に食の冒険をするけれど、その関係に拘泥していない感じが明るくて楽しい。 遠くなった高校時代を、ジャンクフードと共に肯定的に懐かしむ作品だと思いました。こだわるヤツらはかっこいい新装版 かっこいいスキヤキ 泉昌之nyae「夜行」すごいいいな…こんなに良いとは思わなかったです。細けぇ〜!といいながら笑い泣きしました。かっこいいスキヤキは新装版が出て初めて読んだので、すべて初見でしたが「夜行」の良さが読み終わるまでずっと脳裏に張り付いてました。「花粉」も好きですね。鼻炎持ちあるある。 ベストを尽くそうとすればするほどに何故かかっこ悪くなっちゃう面白さ、そういうのが好きな人にピッタリの漫画です。あのトレンチコートの男は一体何の仕事をしてるんだろうな…江戸の終わりに起こった戦争の話合葬 杉浦日向子名無し江戸時代の終わりに旧幕府軍と明治政府軍が戦った上野戦争というのがあったんです。ここで犠牲になった青年達の物語になります。彼らは徳川慶喜の警護の為に結成された彰義隊と呼ばれる部隊で、時代が変わっても徳川家に忠義を尽くそうとして戦争を起こしますが、結果は明治政府軍の圧勝でした。 上野戦争はたった6時間の戦いだそうで、あまりにもあっけなく彰義隊が倒れていくのが読んでいて心が痛かったです。瀕死の仲間の介錯をして首だけでも持って逃げようとするけど、重いから髷を二人で分けて運んでる様子が特に印象的でした。これでタイトルが「合葬」だもんな…と心がズーンとなりましたが、救いのあるラストかつ「かくて 江戸は過ぎ 遠のいていく」というオチが粋だなぁと思いました。 ファッツに人間味がありすぎでいいCYBERブルー ゼノンコミックDX版 原哲夫マンガトリツカレ男今読むと色々気になる点が多いけど連載当時はすごい好きだった。今思うとトータル・リコールとかがはやっていた時代だったのでこういうマンガがあったんだと思う。あらすじに非業の死を遂げた少年がロボットと融合して地球征服を企む組織と戦う。最初の方がは一応サイバーな感じで銃などを駆使して進んでいくが途中から北斗の拳ばりに殴り合いで勝負がつく。地味にサイバーなギャグも好きだった「人に言えない」生々しい百合 #1巻応援猫とシュガーポット 雪子あうしぃ@カワイイマンガ『ふたりべや』雪子先生の短編集は、kadokawa、双葉社のアンソロジー掲載作品、同人作品に加え、書き下ろし。アンソロジー読者には既読の作品もあるのだが、一冊に纏まると共通点が見えてくるのが、面白いところ。 全体を貫いているのは「人に言えない」事。 人に言うのが憚られるような、変わった嗜好や感覚の生々しさ。性癖的にも精神的にも、遂に受け入れられる時の無常の喜び。秘密の関係に、密かに浸る背徳感……細やかで軽いタッチに中和されつつ、濃厚な感覚がクセになる。 ●『猫に離人』『猫と囀り』『猫に電話』…人が野菜にしか見えないキャバ嬢は、人の姿に見えた女性と付き合い始める。 ●『シュガーポットは壊れない』…かなり変わったM癖を持つ女性は、友人に連れられたSMイベントで意外な人と会う。 ●『つるつる』…恋人の毛を抜きたい子。 ●『私の幼なじみは…。』…幼馴染と離れたいギャルは、清楚系幼馴染に「アブノーマルに」ガンガン迫られる。 ●『午前1時のコインランドリー』…上京したてのOLは、コインランドリーで知り合った美人に部屋に誘われる。 ●『蝶々の暇つぶし』…やる気のないメイドがお嬢様に取り立てられて……? ●『鬼と山神』…人の世を追われた鬼の姫は、山の神に触れられる。<<7677787980>>
ありそうでない(自分が知らないだけかも)年を取ったヤクザの日常を描いた作品。無年金だからシノギが必要なのだが、それらが絶妙にありそうな内容でギャグながらちょっと怖い。経理もしないといけないよね。。単にニッチを狙ってるのではなく、描きたいものがあるゆえの細かさな気がするし、他の作品も読みたい。ドラマ化とかされても良さそうな面白さ。 絵は独特で好きな感じだけど、キャラと背景がもっとはっきり分かれてると読みやすいのと、手描き文字がしっかり目に入ってくるともっとカタルシスがあったように思う。