幼なじみの津山と志田は、高校時代甲子園に出場したものの津山のエラーで初戦敗退。しかし卒業してからも草野球チームで一緒に野球をしている。実は津山は志田のことを想っているのだが、告白することなど考えられない。そんな時、対戦相手の泉が志田に強引にアプローチをしてきた!?
蒸発したオーナーに代わって10代で店を継いだ涼鹿は、ゴミ捨て場に捨てられていた少尉を拾い育て始める。それから8年――高校生になった少尉が27歳の涼鹿を、恋するまなざしで見つめていて……。漫画デビュー作「HEARTOFCHEWING」などバラエティあふれる6作品を収録した初期作品集。
マドンナの片想い
安芸は乗馬クラブで会う野中のことが気になり友達になろうとするが、野中は全く相手にしてくれない。それでも話しかける安芸と、野中も一緒にいることが多くなるが…!?
なつこいしっぽ
犬上さん家の家族構成は、高校生の驚太郎と学者の父と、小学生の弟。そして、ふわふわでもこもこな妖狐の居候!?妖狐の末裔・こがねは、一族の復讐を遂げるべく因縁の犬上家に襲来!!――したものの、どろんこ姿を驚太郎に叱られて、あざやかな手さばきで耳も尻尾もさら&ふわにされたが最後、そのまま居ついてしまう。以来、仇敵であるはずの驚太郎にどきどきしたり、ずきずきしたり、楽しくて忙しくて……?
ほとりのとばり
ひそかに想い続けてきた幼なじみ・睦月が、ぽろぽろ涙をこぼしている。そんな夢を内田が見た翌日、睦月の初恋のひとが見つかった。「睦月のよさをわかっているのはこの世界に自分ひとりだけで、もしかすると睦月は一生、俺の隣にいるかもしれない」胸に確かにあった期待を砕かれた内田は、突然のなりゆきを呪わしく思うが――。そこは夢。けれど幻や物語なんかじゃなく、現実の延長線上、はしっこのはしっこで確かに繋がっているところ。夢の中ひとり佇む「彼」と出会った悩み多き青少年は……? 三崎汐が夢とうつつのあわいに紡ぐ連作集、描き下ろしも収録。
しがない探偵の白鳥睦巳は、事務所が入っているビルの大家・三原親夜のことが好きで、家賃取りたてのために訪れる親夜をソファに押し倒しては逃げられる毎日。ある日、財閥・伊集院家の御曹司・双樹が執事の堂本とともに訪れる。父の死をきっかけに、自分に26歳になる異母兄がいると知った双樹は、その兄を探してほしいと依頼に来たのだ。報酬につられて調査に乗り出す睦巳だが、親夜との仲もなんだか微妙に変化して……!?
きみの奏でる光
高校入学以来、自分にしか見えない「音楽室のユーレイ」清二に恋している悠希。音楽室の取り壊しと卒業式を間近に控えたある日、清二が生前に作った曲を譜面におこす作業を請け負うことに。二人で時間を過ごすうち、清二がこの学校の誰かに片思いをしていたことを知るのだが――?切なくピュアな恋心を綴る表題作のほか、ポップでキュートなシリーズ連作、描き下ろしなどを収録。フレッシュデビューコミック!!
涼氏と灯世は高校のときに出会って以来の付き合いだ。当世きっての髪結い師となった涼氏のもとにはさまざまな客がやってくる。寓話をモチーフに語られるそれぞれのストーリーは……。涼氏&灯世の読みきり連作「鏡のリーズン」シリーズ。
てのひら怪談
川で溺れて以来、ゆうれい見るようになった日下。日ごと現れる白い手だけのゆうれいのことをとてもよく知っている感じがするのに、それが何故なのかはわからない。やがて、その手に導かれるようにして、思い至る。この学校には「ひどく乱暴な先生」と「そばかすの生物委員の男の子」、自分と「親友のスウ」しか存在しない、ということに―――。人なつこくて、やさしくて、この世ならざるものにまで心寄せてしまう日下と、そんなふうに危うい彼が心配で怒ってばかりの片平。親友とそれ以上のあわいに揺れるふたりが出会う不思議な出来事は……?
まばゆい光
友人から恋人になった朝日と未来。穏やかに、幸せに暮らしていた二人だったが、ある日「待ってくれ」との言葉を最後に朝日からの連絡が途絶えてしまう。その頃、地球には謎の侵略者による攻撃が始まっていた。命の危機に瀕した未来は、ようやく朝日と再会するが、朝日には誰にも言えない大きな秘密があるようで……!?