警察学校で学ぶ巡警試補生ソジュンのルームメイトとなったのは、曰く付きのマフィアの御曹司ユーリであった。蠱惑的な彼の存在感に、ソジュンは気圧されそうになる。けれど凄惨な過去を捨て巡警試補生として新たな人生を歩もうとするソジュンは、それに屈するわけにはいかなかった。たとえ、サディストな本性をあらわにしたユーリに犯され、屈辱の中で被虐の性を暴かれても──!
料理に携わる仕事がしたいと、上京した上野雅紀。しかし、理想とは違い、仕事は居酒屋の厨房でアルバイトで、その日暮らしをしていた。そんな中、母が倒れ、なんとか金銭面だけでも助けたくなった雅紀は、人の紹介で身体を売る決心をする。客と間違えた男に暴力を受けた雅紀は、待ち合わせのホテルから追い出されそうになるが、身なりのいい紳士に助けられる。その男、藤崎玲央もまた客ではなかったが、一週間で雅紀を買おうと言いだし──。
トップモデルのアオハルは極上のオメガだ。自分の美貌、そして身体を使って己の価値を高め生きてきた。だが人気デザイナーでアルファの深澤と出会い、今まで感じたことのない衝動を感じる。潤む瞳に熱く疼き始めた体──深澤は平然としつつも、逃れられないほど強いまなざしで見つめてくる。手を握られただけでこみ上げる快感に煽られ、アオハルは初めてヒートが怖いと思った……。
妻が殺され、息子の光希を心の支えにする雅人。けれどやがて、拘束され嬲られて達する忌まわしくも淫らな夢を見るようになる。目覚めると生々しい名残があり、それが現実だと思い知らされた。監視されているのか、見計らったように電話が鳴り屈辱的な指示を与えられる。光希を人質にとられたに等しい雅人は、拒めない。追い詰められ、ずっと傍にいてくれる友人の貴之に縋るが──。
チャラいカフェ店員の青空に反感を抱いていた国上。でも、見かける度に彼は笑顔で人助けをしている。ニコニコあっけらかんと「無職で穀潰しだから」と口にする青空に、心配になった国上はついつい説教してしまう。それからすっかり懐かれて話をすれば、外見とは裏腹に純粋で不器用、まるで迷子の子供のようだった。人のことばかり優先して、自分に自信がない彼を放っておけず…。
白金の髪を持つ茶問屋の跡継ぎ・冬伍は、友人の会社の従業員である千春に心惹かれた。だが彼はバイオノイドで、前任者が行方不明になったため自分は“二人目の僕”だと言う。人との差異を受け入れ、哀しいまでに人に尽くそうとする千春。冬伍はそんな彼に共感と、いっそうの愛しさを覚える。けれど前任者の行方を追ううち、危機が迫り──「お願い。僕が壊れても泣かないで」
「ある男の人生を狂わせろ。そして、私と共犯になれ」主上の命に従い近待である「紫の剣」の隊長・美舟が籠絡した男は、主上の実弟・嵯峨野宮だった。国の頂点に君臨する主上は、それ故に政敵が多く、肉親すら信用しない冷徹な人物。だが、美舟が嵯峨野宮に抱かれる時にだけ熱をみせるのだ。兄に体を弄ばれながら、弟の心を翻弄する――尊い兄弟の間で揺れ動く美舟だったが……。
ちょっとした人間不信で、すっかりオナニストになっていた天羽。仕事で訪れた小料理店の味に魅せられ、通い詰める内に店主の作元が気になり始める。タチだったはずなのに、作元の逞しい腕を思ってシテしまい!?
合作コロッケパンが名物のベーカリーと精肉店、それぞれの店の看板息子・麦と陽介は幼馴染みだ。父が急逝した陽介はホストをして稼ぎ店を再開させたが、麦は、弟のように思う彼がなんだか知らない男になったようで、少し複雑な気持ちだった。それでも、子供の頃と変わらぬ距離で陽介が傍にいて嬉しい。スキンシップと甘い台詞には、麦も「さすが元ホスト」と笑っていたけれど!?
犯した罪を悔い、聖職者としての道を捨てた澄哉は、街を彷徨い不思議な喫茶店に辿り着く。そこで悪魔を自称する店主・吾聞に気に入られ、彼を満足させる“契約”で住み込み店員となった。悲壮な覚悟で犯した罪を告白しても、吾聞は不遜な態度で澄哉を受け止めてくれた。居場所をもらったようで嬉しい澄哉だったが、「いい拾いものをした」とご満悦な吾聞にキスされて……!?
サウスボーン伯ウィリアムは、資産家の佐貫から相続税肩代わりの申し出を受ける。だがその代価は、「おっぱいミルク」だった。実はウィリアムの乳首は、絶頂と同時に白い液体を滲ませるのだ。佐貫は、至福の味であるそれを追い求めてきたという。搾乳機で執拗に乳首を刺激され、彼の目前で射精してしまったウィリアム。屈辱のあまり佐貫を追い返したものの、支払いの目処は付かず…。
塾の事務員である南雲は、鬼軍曹と渾名される数学講師の本郷が苦手だ。本郷は授業中以外は優しいのだが、南雲にだけはいつもあたりが強いのだ。けれど男に殴られていた本郷を助けたところ、彼に自分はゲイで南雲のことが好きだと、驚くべき告白をされた。おまけにMでつれなくされるのが嬉しかったらしい。てっきりドSだと思っていた彼に「しつけてください」と言われても……!?