マンガの金字塔の感想・レビュー221件<<45678>>美味しさと健康にまっすぐな作品口福のひと 寺島優 あおきてつお 日出山みなみ名無し主人公の愛さんが、美食家なだけでなく、食べ物と健康についてしっかりした考え方をもっている女性なのが好印象。「口福は幸福の素」っていう、美味しく健康的に食べることが幸せにつながるという信念にも共感できます。愛さんは農水省のエリートで旦那も有名人なのに、気取らなくてまっすぐなのも、読んでて明るい気持ちになれるし、周りの人のキャラクターも良い。 「美味しんぼ」のような、人間同士の確執とかの要素がなくても、食べ物のことだけでちゃんと読み応えのあるドラマになってるところが好きです。獅子先生がとにかくカッコいい‼︎処刑地帯 西塔紅一 ほんまりう名無し院長が亡くなり後継者がいないために休業中の、浅草にある三星医院に勤めることになった獅子雄三。彼は優秀な外科医というだけでなく、悪を成敗することにも長けていた…。そんな漫画やドラマには良くありがちな設定なのですが、ちょっとおちゃらけたところがあったり、別れた彼女を一途に想い続けていたり、情にもろいところがあったり、というキャラクターで、読み進めていくうちにどんどん獅子先生の魅力にはまっていき、あっという間に全巻読み終わってしまいました。さまざまな残虐な事件に巻き込まれつつも、持ち前の正義感と冷静さで、見事に問題を解決する獅子先生の姿は本当にカッコよくて、痛快です。残酷なシーンもしばしば登場しますが、獅子先生と三星医院の院長夫人、一人娘で看護師の知子とのコミカルな掛け合いも手伝い、残酷なシーンや数々の事件の暗くて重い印象を引きずることなく次のストーリーに読み進んでいくことができるのは、作者の漫画家としての手腕の為せる技でしょう。少し胸がキュンとしてしまう、最後のシーンもお見事でした。たくましく育てぼくんちはBar 千葉きよかず名無し1970年代、アメリカ軍基地がある田舎のバーの話。マー坊はそのバーでホステスや米兵さんたちに囲まれ暮らしてくる。教育的観点からすると好ましい環境と言えないかもしれない。だが、子どもってのはどんな場所に居ても、誰かしら愛してくれる人さえいればすくすくたくましく育つのかもしれない。そんな風に思わせてくれる作品だ。米兵さんやホステスの姉さま方の人情に溢れる話もほろりと泣ける。「真空飛び膝蹴り」が懐かしいキックの鬼 梶原一騎 中城けんたろう名無しあの圧倒的な強さを誇った、キックボクシング創成期の立役者「キックの鬼」こと沢村忠を主人公にした梶原一騎原作の漫画です。漫画の中で沢村が放つ「真空飛び膝蹴り」を見たくて、TVのキックボクシング中継に毎週チャンネルを合わせたのですが、滞空時間が長いその必殺技を見る事なくブームが去ってしまったのが残念な思い出でとなりました。しかし、沢村のキックに対する情熱がヒシヒシと伝わってくる作品でした。実力を伴ったスーパーヒーロー沢村忠が躍動するこの作品が大好きです。 希少な囲碁マンガ日々碁席 笠太郎くまぞう事実、将棋マンガに比べて囲碁マンガは本当に少ないんですよねえ。 このマンガは「ヒカルの碁」の様に棋士の戦いを描いたものではなく、 碁会所に集まる囲碁好きたちのハートウォーミングな話が中心です。 さくらのお祖父さん曰く、 囲碁とは「相手の言葉を聞き取とり自分の言葉を放つ 心が行き交うゲームじゃ」というセリフが印象的でした。 「幸福なら…売れるだろうな…」青春裁判 永島慎二名無しどの話も切なく、懐かしいに気持ちにさせられるストーリーでした。読み終わった後には不思議な余韻があり、少し前向きになれた気がします。青春期の苦悩の中に、ドキッとさせられるフレーズがいくつも出てきます。君の巨人くんはどんな話だった!?リトル巨人くん 内山まもる名無し『リトル巨人くん』はアラフィフ世代にはコロコロコミックの三大看板として記憶に残している方も多いでしょう。(ドラえもん、ウルトラマン、巨人くん) 但し前者2タイトルや小学館に連載されていたアニメやコミカライズ作品とともに多くのバリエーションが存在しています。 このため少年時代に読んだ物語とは微妙に違うストーリーになっているものもあり、注意が必要です。 第一期は長嶋監督のもとジャイアンツからは王、堀内、新浦、小林繁、阪神は田淵、掛布、ラインバック、ブリーデン、大洋のシピンなど各チーム当時の人気選手が登場、懐かしさだけで読んでしまう人も多いでしょう。 第2期は藤田監督・王助監督のもと基本的には話がスタートしますが、現実で1980年代巨人人気が下降したことでストーリーがテコ入れされており、複数の展開が見られるため注意が必要です。 奥さんなんでいなくなっちゃったの~父子コロッケ 藤みき生 大沼朔名無し作る、そして食べる。この当たり前が人間の生活においていかに大事か。ある日突然、奥さんに出ていかれたタベさんですが、さまざまな食を通して、奥さんが出て行った理由を模索する。なぜ奥さんが離婚届を置いて出ていったのか…最終的にその理由に辿り着くようだが…主婦の方は奥さんの気持ち、けっこう共感できるのでは。それにしても太陽くん、賢く優しい少年だな。タベさんが料理コンテストで優勝できなかったときの太陽くんのフォローは素敵すぎて泣ける。心が癒された。ハードボイルドな武田信玄公ならこの作品!甲斐の虎 武田信玄 小池一夫 小島剛夕名無し戦国屈指の人気武将である“武田信玄公”をタイトル通りに主役に置いての伝記、軍記ものです。 ストーリーは躑躅ヶ崎館、そして父親武田信虎との不和、追放劇からスタートしており、信玄ものとしてはデフォルトです。 信玄公の物語は実質三巻ほどで幕を閉じ、四巻は武田家凋落、他作品でいう“武田勝頼”の物語になっています。 このため巻のサブタイトル通りにほぼ史実の内容が描かれますが、やや駆け足気味な印象を受ける方も多いでしょう。 ハードボイルドな小池スタイルの信玄公は他作品と差別化しているゆえ、信玄公の生涯頁数にして1200頁ほどで描きあげたを作品です。戦闘機ものの雄『0戦はやと』 0戦はやと 辻なおき名無し「紫電改のタカ」をはじめ少年誌の創世記には太平洋戦争のいわゆる“撃墜王”ものが人気であり、本作『0戦はやと』もそのブームを築いた作品です。 嫌味で無能な上官、ニヒルな同基地のライバル、死神的存在の米軍エースパイロット(事情あり)このあたりはテンプレ、終盤は特攻も考慮に入れなければならないなど現実の日本軍同様に追い込まれていきます。 ライバル“一色”、米軍エース“キングサタン”の退場と終盤の物語の結末はかなり駆け足でまとめられています。 これは他の空戦ものと同様で世論の反戦の波に飲み込まれた形と言っていいでしょう。 主人公の死をもって物語は結末を迎えないため、まだ救いのある作品に感じることができるはずです。 仮面ライダーに影響を与えた柔道一直線柔道一直線 梶原一騎 永島慎二 斉藤ゆずる名無し今は亡き五大週刊少年誌の一角「週刊少年キング」の看板タイトルだったのが『柔道一直線』。 この時期のスポ根ものとしては破格の人気を誇っており、実写ドラマも人気がありました。 佐々木剛氏が仮面ライダー2号一文字隼人に抜擢されたのはもとよりスタッフの多くがそのまま移行したことは有名な話です。 また本作の人気の凄さを現すものの1つとして漫画に登場した技が使われることもありました。 1974年の「仮面ライダーX」では柔道一直線の劇中で主人公“一条直也”が必殺技として用いている“地獄車”をライダーキックの代わりの新必殺技として使用しています。 原作・梶原先生の作品らしく絆、情についての熱い描写は必見。 60年後半~70年代の日本らしい熱量を作品から醸し出す作品なのは間違いありません。ちょっぴりエッチなラブコメ作家といえば雛子バリエーション! 矢野健太郎名無し矢野健太郎先生って現代で言う矢吹健太朗ポジションなのかなぁと思う時がある。 奇しくもこの二人、描いているジャンルも名前も似ている部分が多いし‥。 そう考えると新旧のレジェンド作家にお世話になり続けているなぁと。 で、このマンガはそんな良作を連発する矢野健太郎先生のポテンヒッツ的作品です。 現在もアップデートされた絵柄で活動中!1950年代の王道、少年、探偵、SFを盛り込んだスパークダン!電光少年スパーク・ダン 桑田二郎名無しアラフィフ以上の方にはお馴染みウルトラシリーズのコミカライズ、そして8マンで一世風靡した桑田次郎氏の初期作品がスパークダン。 この1950年代のSF作品ではありがちな設定の少年と探偵がベースになっているが、物語の描写の組み立て、近未来の科学を想像したイマジネーションに加え、それを表現した圧倒的な画力は素晴らしいと言っていいでしょう。 今だからこそ絵は古く、言葉の言い回しも丁寧すぎると感じてしまうが、それもまた魅力だと言っていいはずです。 動物や自然の緻密な描写が美しい漫画ニッポン動物記 本庄敬名無し自然の中で暮らす動物、人間に飼われている動物、人間と争う動物、さまざまな動物の姿が描かれています。人間の視点から描かれる話には、自分と動物との関係を考えさせられました。動物の視点から描かれる話では、動物たちの暮らしを体験することができました。山や森などの自然の風景や、動物たちの毛並みなど、細かなところまで描かれており、何度もくり返し楽しむことができると思います。日常を離れて自然の中で深呼吸をするような、爽やかな読後感の作品でした。軍記物の巨匠の描いた"桜花"特攻3万メートル 梶原一騎 横山まさみち名無し歴史、軍記ジャンルを得意にした昭和の巨匠横山まさみち先生の描いた軍記ものです。 毎年夏に刊行される太平洋戦争を舞台にした短編集としてよく配信されており、そこで目を通したことのある方も多いのではないでしょうか? 特攻ジャンルの作品のデフォルトともいえる若者の飛行機乗りの葛藤、そして若者を死地に送り出さなければならない上官及び父親の苦悩、描写が丁寧に描かれています。 また特攻兵器としては“桜花”のパイロットに焦点をあてた珍しい作品です。 零戦や紫電改など登場人物の技量を描ける“見映えのする戦闘機”での特攻は古くからありました。 しかし母機に繋がれたまま何もできず、切り離されても目標に向かって突撃するしかない桜花のパイロットの苦悩は従来の特攻物とは違った刹那を読み手に与えてくれるはずです。名作はいつ読んでもよいですねいとしのエリー 高見まこ名無しぐうたらな高校生の晋平が、密かに憧れていた女教師絵理子と結ばれるまでの、手が届きそうでなかなか届かない恋愛ドラマ。教師と生徒のいわゆる禁断の恋ですが、それほど過激な性描写はなく、思春期に入った中学生や高校生くらいが読んでもよい内容です。 セックスピンチヒッター新やる気まんまん 横山まさみち 牛次郎名無しセックスピンチヒッターという発想はすごく面白いと思った。セックスに自信がない男のために、その代わりを果たすという仕事。確かにこういうのって実社会でも需要はありそうですね。男性にとってセックスのテクニックはなによりも自尊心につながるからそれだけ重要なものなんですね。犬になったけど君に恋してる犬になったけど君に恋してる 河村万理名無し目が覚めると、自分が犬になっていることに気づいた男子。美少女の家にペットとして迎えられたけれど、その美少女はなんと男子が人間だったころに繋がりがあった、というよくある転生コミックです。読んでいて、一抹の寂しさもあって笑いだけではない複雑な内容でした。当時の学生が皆憧れたムラマサ高校生無頼控 小池一夫 芳谷圭児名無し剣の達人である高校生・通称村正を主人公にした、かなり性的にキワドイ漫画で、40年以上前の発表当時は大きな話題となった作品です。小池一夫氏原作のこの作品ですが、俺の空/宮本ひろ志と通じる部分があり、村正が全国行脚しながら、出会う魅力的な女性との精神、肉体的な交わりを通し物語が展開します。さすが小池原作だけあって、荒唐無稽な設定でありながら写実的な内容で楽しめます。 架空の球団の話だけどなんか見たことあるような気がする野望球団 牛次郎 影丸譲也starstarstarstar_borderstar_borderマンガトリツカレ男1980年代の野球界がベースになっていると思われる劇画でスポーツ記者を中心に話が進んでいく。 身売りに出された球団を鉄道事業を行なっている会社が買収し球団経営に乗り出したり、新聞事業を行なっている会社がオーナーの「球界の盟主」と言われている球団があったりと、なんとなくわかりやすい内容になっている。球団のオーナー同士に確執や、ドラフトで色々あり米国への野球留学をしたピッチャーの存在などもありすごい楽しめた。 俺の好きな牛次郎/影丸譲也なので安心感はあったし、あらすじに書いている通りのプロ野球を「球団経営」という視点から描いた異色作だと思う。 ただ急な終わり方をしているのが残念だったまずはやってみて、それから考えるインドへ馬鹿がやって来た 山松ゆうきちhysysk「インドになさそうなものを売ればお金持ちになれる」これは日本のベンチャー企業がアメリカの流行を日本に持ち込む「タイムマシン経営」と原理的には同じだし、ビジネスや経済の基本と言ってもいい。 違うのは計画がないこと。言葉も喋れないし、伝手もない。 我々はしばしば色々と計画を立てるが、結局やらずに終わることが多い。ほとんどの人がそうかも知れない。リスクが大きいとか、今じゃないとか、もうちょっと準備してからとか。 そういった発想をぶち壊して、とにかく何かを始めてみること、失敗にいちいちへこたれないことの大切さが描かれている。ポジティブ思考とも違う、生き物として強さ、しぶとさ。それを発揮せずに一生を終えるつもりか?と突きつけられるものがある。 漫画家だから漫画を売るのは分かるが、「次はうどんと漫才だ!」となるのもすご過ぎる。すごいんだけど、ある意味で「これでいいんだ」とも思えるので、閉塞感を打破したい人、勢いをつけたい人におすすめしたい(とはいえ若干のクズ耐性がないと読むのはきついかも)。昭和40年代前半ならではオリジナルコミカライズ!!ウルトラセブン 円谷プロダクション 桑田次郎名無しウルトラセブンの実放送期間である1967年にコミカライズされた作品は一峰大二氏と桑田二郎氏の兄弟弟子によるものがそれぞれ刊行されています。 しかしテレビ放送の各話のタイトルは同一ながらも内容はかなりオリジナルなのがこの時期“ぼくら”等に連載されていたウルトラシリーズの特徴です。 この桑田次郎氏版も登場する宇宙人も劇中に忠実なものがあれば、完全オリジナルなものもあるので、最初から念頭に置いておかないと違和感を感じます。 実際に少年時代に読んだ時でも独特の絵のタッチとキャラクターデザインの違いに違和感を覚えたものですが、これはこれでありと割りきって読むのがベストでしょう。 最終回も「K団地の怪」で完全オリジナル作品でパンドンはでてきません。(特撮版のウルトラセブン最終回タイトルは史上最大の作戦・前後編) 物語は第3巻の13話まで残る3話は読み切り回が収録されています。 読み切りにアイアンロックス(戦艦モチーフ)の怪獣が起用されたのも1960年代ならでは。 近未来と1960年代の世相が混在しており、文化社会背景的観点でも楽しめる作品です。 ザ・ウルトラマンの系譜!!ウルトラ兄弟物語 円谷プロダクション かたおか徹治名無しウルトラシリーズの傑作漫画といえば、内山まもる先生の「ザ・ウルトラマン」をあげる人が大多数でしょうが、その世界観を引き継いでいるのがこの『ウルトラ兄弟物語』です。 昨今では新マン(帰ってきたウルトラマンことウルトラマンジャック)が酔っぱらって悪態をついていることで知名度があがってしまった作品でもあります。 内山先生の世界観を引き継ぎ、当時の小学館の学年誌のウルトラ兄弟の裏設定を踏まえ、オリジナルキャラクターが大多数登場し、読みごたえのある仕上がりになっているのは誰もが思うところでしょう。 コロコロコミックで第3次ウルトラブームを巻き起こした作品としてファンなら必見です。 またブームに乗って作成されながら不完全燃焼で終わったウルトラマン80連載版やテレビ化できなかったアンドロメロス、マルスの単話も収録されているのは嬉しいところです。 ただし1巻の表紙のウルトラマンレオ、アストラのレオ兄弟、話の間の挿し絵に使われる80が1巻に未登場なのがファンには少し不満かもしれません。ゴルフの強さと人格の出来具合は比例するのか?雲の行方 坂田信弘 政岡としやstarstarstarstar_borderstar_borderマンガトリツカレ男あらすじの通り、三流のプロが田舎のゴルフコースでのゴルフをきっかけに立ち直りチャンピオンに輝くまでが描いてある。 2回目のトーナメントは調子良かったが怪我を試合を断念したあとからの修行と最後のトーナメントが本編が坂田信弘原作っぽくっていい。 山奥で歩き回るトレーニングを知り合った猟師に学んだりとゴルフの練習はほとんどせずにいたが、山から降りたら覚醒しゴルフも強くなるは人格までも変わってた。 おなじコンビの一番弟子に比べてちゃんと完結しているので良かった<<45678>>
主人公の愛さんが、美食家なだけでなく、食べ物と健康についてしっかりした考え方をもっている女性なのが好印象。「口福は幸福の素」っていう、美味しく健康的に食べることが幸せにつながるという信念にも共感できます。愛さんは農水省のエリートで旦那も有名人なのに、気取らなくてまっすぐなのも、読んでて明るい気持ちになれるし、周りの人のキャラクターも良い。 「美味しんぼ」のような、人間同士の確執とかの要素がなくても、食べ物のことだけでちゃんと読み応えのあるドラマになってるところが好きです。