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院長が亡くなり後継者がいないために休業中の、浅草にある三星医院に勤めることになった獅子雄三。彼は優秀な外科医というだけでなく、悪を成敗することにも長けていた…。そんな漫画やドラマには良くありがちな設定なのですが、ちょっとおちゃらけたところがあったり、別れた彼女を一途に想い続けていたり、情にもろいところがあったり、というキャラクターで、読み進めていくうちにどんどん獅子先生の魅力にはまっていき、あっという間に全巻読み終わってしまいました。さまざまな残虐な事件に巻き込まれつつも、持ち前の正義感と冷静さで、見事に問題を解決する獅子先生の姿は本当にカッコよくて、痛快です。残酷なシーンもしばしば登場しますが、獅子先生と三星医院の院長夫人、一人娘で看護師の知子とのコミカルな掛け合いも手伝い、残酷なシーンや数々の事件の暗くて重い印象を引きずることなく次のストーリーに読み進んでいくことができるのは、作者の漫画家としての手腕の為せる技でしょう。少し胸がキュンとしてしまう、最後のシーンもお見事でした。