弁当マンガの感想・レビュー26件弁当で垣間見える温かい人間関係至極のお弁当 佐々木善章starstarstarstarstar_border六文銭主人公が勤める会社の先輩・佐野は、仕事ができるが弁当にも人一倍こだわりがある曲者。 「弁当の質は、仕事の質」 という格言まで飛びだすほど、弁当にこだわりまくる。 たかが弁当、されど弁当という感じで、弁当1つでめちゃくちゃ話が広がるのがすごい 大きなくくりではグルメマンガなのだろうけど、弁当のおかずに対するうんちくやその調理法だけでなく、作り手やどういう思いで食べているかにもフォーカスしてて、何ともいい話が多い。 佐野も変わりものだが、弁当の存在価値に共感する人への愛情の深さがすごい。 特に定年退職する人の話に、全部もってかれました。 弁当を見る目が少し変わる・・・かもしれない作品です。素朴なのにつややかで美味しそうなお弁当のオンパレードつまみぐい弁当 イシヤマアズサstarstarstarstarstar_borderゆゆゆお弁当の話ですが、パソコンを置いている机やテーブル、キッチンなど、何気ないシーンから溢れ出る生活感や日常がたまりません。 絵になるにあたって、第一に削られそうなものが描かれています。 机の上にある新潟県の元祖柿の種、テーブルの下にあるボックスティッシュ、お玉などのキッチン用品と並んだ自家栽培豆苗。 細々描かれているけど話を邪魔するほどはごちゃごちゃしておらず、でも生活がにじみ出ています。すごく良いです。 お宅にお邪魔して、お弁当づくり風景を覗いている感じがとても好きです。 中学生のころ、母が作ってくれたお弁当を開けるときは宝箱を開ける瞬間のように楽しみだったことを思い出しました。番外編!ヤクザのおべんとう~ときどきヤンキーを添えて~ 山本カエル名無し※ネタバレを含むクチコミです。ロケ弁って憧れるロケ弁の女王【タテヨミ】 のやまあきstarstarstarstarstar_border野愛ロケ弁って魅力的ですよね。一般人なのでロケをすることはないからこそ美味しそうに見えるのかもしれません。 主人公はドラマの制作進行・米子。 ミスは多いし要領悪いし、お世辞でも仕事ができるとは言えないドタバタな女の子です。 でも飯のことは誰よりも真剣に考えているのです。飯のことしか考えてないなコイツ……と思わなくもないですが、米子が手配したロケ弁は毎回美味しそう! ここでもうっかり好みに合わないものを用意したり、突然やってきた大物スタッフに弁当を取られそうになったりトラブルは起きますが、全力でぶつかり解決する姿勢に元気をもらえます。 ロケ弁の用意なんてちょい多めに頼んでおけばいいもんじゃないの?と思ってたけど、どんなことでも真剣に考えて働いてる人がいるんだよなあとしみじみ感心しました。 オーベルジーヌ美味しそうだなあ…。 先が読めるようで読めないヤクザのおべんとう~ときどきヤンキーを添えて~ 山本カエル名無しテンポがいいしキャラがいい。 先も読めそうで読めない漫画、久々に面白い少女漫画を見つけて嬉しい〜最初から完璧じゃなくていいさんしょく弁当 兎月あいstarstarstarstarstar_border野愛料理上手な独身サラリーマン・鳴海が母を亡くした従姉妹ふたりと暮らす物語。 しっかり者だけど料理はまだまだ苦手な姉・えりかと、寂しさや悲しさから鳴海を拒絶する幼い妹・小梅と、食事を通して心を通わせる様子に心あたたまります。 料理が美味しいからいきなり心を開くということはなく、似ているけど母とは違う味に傷ついたり、思い出が消費されるようでさみしくなったり一筋縄ではいきません。 でも、家族の形に決まりはないし、はじめから完璧じゃなくてもいい。そういう優しいメッセージが伝わってきます。 ぶつかって傷ついて、それでも美味しいご飯の記憶を分かち合って家族になっていく3人が愛おしくなる作品です。面白い!!!ヤクザのおべんとう~ときどきヤンキーを添えて~ 山本カエルstarstarstarstarstarこめつぶりくくん推しです!! 物語もテンポよく進んでいくし、飽きずに読み進められました。 ヤクザもかっこいいけどヤンキー君のまっすぐ来てくれる男っぽさがツボだな〜 ありきたりな展開にはならないので、先が読めないので楽しみながら 読めました~~ 黄理ちゃんのように生きたい日日(にちにち)べんとう 佐野未央子野愛読めば読むほど黄理ちゃんが可愛くかっこよく魅力的に見えてきます。 達観してるようで案外めんどくさいところもあって、好きになれない主人公かも…と思っていたのに不思議です。 ハッキリものを言うし怒るときは怒る、泣くときは泣くけれど、自分のご機嫌の取り方を知っている素敵な女性。 でも恋愛になると急に不器用で臆病になるところが可愛いです。 なんとか乗り越えて幸せになってほしいなと思ったところで、ハードすぎる悲劇が起こったり。 黄理ちゃんが許したとしても私は谷原紅子を許さん!と本気で怒ってしまいましたね…。 後半のイチャイチャパートに入ってからは本当に幸せです。黄理ちゃんが幸せであればそれでいいのです。 人を許し、執着せず、自分に必要なものだけを見極めて日日を生きていきたいものです。お弁当を通じた食と青春の物語 #1巻応援今日のアシュラ飯 ナカノ 西沢5ミリ 八木羊 あさぎ屋ぺそ表紙が爽やかで可愛らしいなぁと思って買って見たのですが、予想外に素敵な物語で読んでよかった〜と幸せな気持ちになりました! 一言で言うと「お料理大好きヤンキー×食べるの大好き女子」なのですが、2人はただ美味しくご飯を食べるだけではなく、世間からレッテルを貼られたり、体型のことで悪質ないじめを受けたり残酷な現実とも戦っているのが物語として読み応えがあり面白です。 脇役の先生は実は病気で胃を切除していて、そして主人公への酷いいじめを主導するいじめっ子にも過去にもある意味で食が関わっていそうな過去がある。 徹底して「食」がテーマに置かれているのが印象的でした。 お料理知識豊富なアシュラくんと美味しそうに食べるシズカちゃんの2人が可愛くて可愛くて……! 2人とも一見わかりやすいキャラ付けがされているように見えて、テンプレートから外れた個性が光っているのが素敵です。 この漫画がもうノーベル賞ものだなぁと思います。続きが本当に楽しみ!至極のお弁当の感想 #推しを3行で推す至極のお弁当 佐々木善章starstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 楽しみに待っていたかいがあったと思うくらいよかった。弁当についての小ネタもいいが定期的にある会社や人間関係である良い話回もいい ・特に好きなところは? 弁当の質などの話しかしていないのに仕事がうまく行くところ ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! スイーツ本部長 一ノ瀬櫂が好きな方におすすめです!! 新装版は買わないほうがいい...のんちゃんのり弁 入江喜和starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男このバージョンと違い新装版は3巻までの内容しか入っていない。 おそらく3巻の最後で弟の修一郎の職場の人たちが弁当代を払ってくれたことで小巻が弁当屋を始める宣言をしたところまでしか収録されていなかったので4巻だけ電子書籍で購入した。 多分俺が高校生くらいの時モーニングで連載していていまいちその頃は理解できていなかったが今だからこそ分かる面白さがあった。 昔は主人公の永井小巻がすごい年上に思ったけど、今じゃかなり年下ってのが一番の衝撃だった... 面白いのに未完なのがもったいないのんちゃんのり弁 入江喜和かしこ31歳の主人公・小巻はろくに働かない夫に愛想を尽かして娘・のんちゃんを連れて実家に戻ります。結婚してからは職歴がないながらも自立しようと不動産屋の事務やスナックで働き始めますが上手くいきません。しかし小料理屋の大将が作ったさば味噌の味に惚れ込んで料理を仕事にしたいと考え始めてからは、どうにか弁当屋を開こうと奮起します。 3歳下の旦那は離婚が成立したのに小巻の為に店舗を借りて借金を作ったり、そんな支離滅裂な行動ばかりする旦那に対して小巻も体当たりで応戦していくんですが、なかなか血の気が多いです。彼ら以外にもちょっとどうなの…と思うような人がたくさん出てきますが、小料理屋の大将はとても人間が出来ていてこの漫画の良心だと思いました。でも現実の人間関係ってこれくらい密でややこしいですよね。しかも主人公31歳ってまだまだ若いし、血の気も多くなるのはしょうがないか…。 まだまだこれから!ってところで完結するのが実にもったいない。たけおクンとの恋愛の今後も気になるところでした。いよいよ^^ヤクザのおべんとう~ときどきヤンキーを添えて~ 山本カエル名無し今月キターーーーーーー!! 早く読みたい(≧▽≦) 最高ヤクザのおべんとう~ときどきヤンキーを添えて~ 山本カエル名無し私はリクくん推しです😘 一途なヤンチャDKかわいい✨いよいよ^^ヤクザのおべんとう~ときどきヤンキーを添えて~ 山本カエル名無しやっとだ!やっと読める!!早く26日になれ☺️1話が一番面白かった「デコ弁」漫画ニコべん! 角光名無し料理漫画、しかも男の子がデコ弁を作る話って面白そうと思って全巻買って読んだけど1話が一番面白かった。タコさんウインナーを醤油差しにするアイデアすごい!作中に登場した弁当の完成写真が巻末についてるところも良い! ただ学園ラブコメのノリが臭くて寒くて自分には合わなかった。 時々起こる試練みたいなのもあんまり説得力がないというか…リアリティレベルが無茶苦茶というか…別の意味で面白かった。 一眼レフぶっ壊すとか、家族経営の弁当屋が主人公が考えた細かい作業を要するデコ弁を大喜びするとか。 一番謎だったのがヤンキーのやつ。 ヤンキーがパシリの母親に1週間弁当作らせる←? 作ってる主人公はデコ弁じゃない「普通の弁当」を作るのが辛い←おもしろい ヤンキーが好きな犬をデコ弁で作ってヤンキーが主人公を認めて会心←??? 弁当の調理パートはすごく描写が細かくて読み応えがあったし、出来上がったお弁当もすごく美味しそうなだけに、もしお弁当作りに真剣にフォーカスした漫画だったらもっと面白くなってウケたんじゃないかなと思う。 (まあチャンピオンで連載してたっぽいので、ラブコメは無理やりにでも入れなきゃだめだったんだろうな…) 後半全然弁当作らないまま父親とも和解せずに終わってしまい本当に残念。 いずれ鳥田が弁当の写真撮る予定だったのかなとか想像してしまう。 あとがきによると作者がラブコメ描けて満足そうなんで良かったのかな。 肉食女子、みたいな描き方じゃないのがいい弁当やばいよ 水無瀬さん だーく野愛隣の席のかわいい女の子の弁当がでかい。弁当がでかいぶんだけかわいさも幸せも増すから不思議です。 水無瀬さんのお弁当はおせちみたいな3段のお重で、中身は肉と米だけです。 食欲の暴力みたいなお弁当を水無瀬さんがかわいらしく幸せそうに食べるので、加藤くんじゃなくても友達になりたくなること間違いないです。 デザート食べる?とコロッケを差し出されたらお腹いっぱいでも食べてしまうはずです。 かわいい女の子が食べてるからかわいいんだろ、と一瞬思ったけど 無邪気に美味しそうに綺麗にごはんを食べる姿は老若男女問わずかわいいし愛しいですよね。 蘊蓄とかエロ要素が多くなるとかわいい要素は減りますが、この漫画はただただ幸せに食べる水無瀬さんがかわいいので最高です。ノスタルジックなお弁当特撰思い出食堂 お弁当 松本タカ 魚乃目三太 岩村俊哉 たかなししずえ 井上眞改 治島カロ 特撰思い出食堂編集部 斉藤ふみ しゅりんぷ小林 なかむらみつのり 赤嶺シーサー 栗山裕史 たけうちつむぐ 望月みつる野愛実家に帰れない年末年始を過ごしているせいで、こういうノスタルジックな漫画を読みたくなる今日この頃。 誰かに作ってもらったお弁当はあたたかく、ひとりで食べるお弁当はちょっとさみしく、なんでか知らないけどいろいろな思いを馳せて食べるのがお弁当なんだよなあ。 この手の短篇集は魚乃目三太先生作品がだいたい入ってるので間違いなくノスタルジーに浸れるんですよね。その土地の歴史と文化が詰め込まれている駅弁ひとり旅 はやせ淳 櫻井寛hysysk鉄道による日本一周で、各地域の駅弁を食べて弁当作りに活かすという、壮大なのか矮小なのか分からない理由で旅をする。そしてひとり旅と言いつつ何故か行く先々で同行者が出現して、だいたい2人旅になっている(弁当の種類を多く紹介できるからだろうが)。でもこういう突っ込みがいのある作品はいい作品が多い。溢れ出る熱量が天然の面白みを生む。 電車にも弁当にもその土地の歴史や文化が反映されていて勉強になるし、地元民は少し誇らしい気持ちにもなると思う。廃線になってしまったり、終売してしまった弁当もあるが、こういう形で記録に残るのは非常に素晴らしいことではないだろうか。 自分の地元の駅弁も出てくるが、住んでいた頃はそれほど電車に乗らなかったし、最寄りでもなくわざわざ行くところでもなかったので、全く知らなかった。次に帰省する時は寄ってみたい。 憧れのお弁当生活つまみぐい弁当 イシヤマアズサ野愛イシヤマアズサ先生の絵はほかほかしていて美味しそうですよね。 お弁当を作ろうと思うことはあれど、朝はギリギリまで寝ていたい人間なのでどうしてもできない。1日2日ならできてもそれ以上続いた試しがない。 スープだけとか前の日の残りを詰めるだけとかなら…って思うのにできないんだからもうしょうがない。 でも、イシヤマ先生のほかほかの絵を見ちゃうとお弁当いいな〜って思います。 前の日の夜から明日はこれ持っていこうって決めると朝起きるのが楽しくなりそうです。 でも寝ていたいから漫画を読んでお弁当気分だけ味わいます。というかイシヤマ先生のお弁当が食べたいです。 不思議なタイトルぼっちJKはお弁当を作ることにした。 柚井ふうこ名無し普通に過ごしているつもりなのに、勘違いされることってありますね。見た目と雰囲気って大切だと想います。転校したばかりで、ヤンキールックで近寄りがたい感じだと、余計に溶け込み難い。なのに見た目は変えずに、お弁当を作って仲間に混ぜて貰おうっていう発想が何だか可愛い。料理の腕は確かで読んでいて美味しそうでした。おべんとうと家族のできたことやできること高杉さん家(ち)のおべんとう 柳原望名無しかなり特殊な境遇の年の差の男女が 主にお弁当を通じて互いの気持ちを確認し成長し、 家族が出来ていく物語。 高杉温巳・31歳。地理学の研究者で独身。 突然の叔母の死で、姪っ子の保護者になり共同生活をする事に。 それまで存在すらはっきり知らなかった姪っ子、 高杉久留里・12歳。中学生の美少女。 学者バカ気味な温巳と、 無口で趣味が食品スーパーの特売品ゲット、の久留里。 どちらもややコミュ症気味。 「家族なんて無理かも」と思い悩む温巳に、 久留里が初めて作って持たせてくれた弁当は・・ この漫画の面白い点の一つに、 温巳のいかにも研究者なキャラがある。 お弁当漫画だが、料理研究者ではない。 地理学の研究者。 なので久留里の気持ちに配慮しようとしたり、 お弁当のレシピを考えたりする、 その思考方法がいかにも研究者的。 だが料理ではなく地理学の研究者なので、 さらに女心にはそうとうに鈍感なので、 なんだか分析や結論が正しいような間違っているような(笑)。 ときに論理的過ぎて感情が欠けていると感じそうなその思考が、 実は純粋な家族愛から生まれているのも、なんとも独特。 そしてその家族愛もお弁当作りの日々を経て、 少しづつだが色々な成長や変化が生じてくる。 久留里は久留里で、セールとか特売とかへの執着心は ケチといわざるをえないレベルではある。 だが、それは自分への厳しさであり、それが 自分を抑える性格にならざるを得ない育ちに由来することが 徐々にわかってくる。 そして二人は少しづつ互いを理解し、家族になっていく。 家族が出来たからお弁当を作ったような、 お弁当を作ったから家族が出来たような、 ハートフルなお弁当漫画。 少女と博士の食卓風土記高杉さん家(ち)のおべんとう 柳原望あうしぃ@カワイイマンガ母・美哉を亡くした久留里と、彼女を預かる美哉の甥・温巳。彼はかつて美哉に「捨てられた」過去があった……美哉の共通の思い出を「食」に見出しながら、毎日の弁当と食卓を積み重ねて家族になろうとする、二人の日々の営みの物語。 ----- 研究者として職を探す高杉温巳。彼の専攻は「地理学」である。 近代地理学の祖・フンボルトを引き合いに出しつつ温巳は、久留里と美哉を「全部見る」事で、二人ときちんと向き合おうとする。 それはかつて、家族として家事をしてくれていた美哉に甘え、酷い態度を取ってしまった後悔からだった。温巳の頑張りは空回りするが、久留里は彼を信頼し、二人は少しずつ、家族になっていく。 そんな日々を描く本作は、登場人物の姿勢を超えて、作品そのものが、フンボルト的「全部見る」方法論で描かれている。 この作品では ●久留里と美哉と温巳の家族物語 ●久留里の学校、友人、恋愛事情 ●温巳の属するアカデミズム界隈 ●中部地方の地理学的案内 ●高杉家の食卓→弁当のレシピ と、盛り沢山の内容を、有機的に関連させつつ纏めており、一話の内容はかなり濃い。 ほんの六年間でも、毎日の事象を結び付けつつ積み上げる事で、温巳と久留里の絆は、次第に確かなものとして描き出され、読む側は思い入れを増してゆく。 (美少女とひとつ屋根の下的な)ファンタジーなあらすじからは想像のつかない、細やかさと温もりのある「記述」の積み重ねに、強くこころを動かされる、そんな作品。 地理好き、中部地方好き、昆虫食好き、弁当や日常の食卓にアイデアが欲しい等、様々な興味からこの作品に触れて欲しい。食文化のありがたさを身をもって教えてくれる玄米せんせいの弁当箱 魚戸おさむ 北原雅紀マウナケアこのタイトルにこの表紙だと、弁当を扱う食マンガと思われがち。確かに食マンガであり弁当ネタも多く出てはきます。ただ、私はむしろ教育的な部分が大きい作品だと思うんです。主役は國木田大学農学部のちょっとかわった講師・結城玄米。この人、授業にぬか床を持ちこむは、大学に勝手に畑は作るは、やることなすことマイペース。ですがその正体は食文化史のエキスパート。「食べることは生きること」という信念に基づいて、一家で囲む食卓の大切さや、食べ物に対する感謝の気持ち、食文化のありがたさを身をもって教えてくれる、言動一致の人。そして彼の想いは関わる人たちにしっかりと受け継がれていきます。それは母親への気持ちの変化であったり、郷土料理の本質を深く知ることであったり。それを通して教え子たちが成長していく過程が感動的で、うらやましくもあります。押しつけがましくないのに、すっと人の心の中に入ってくる玄米先生の授業だったら、何度でも受けてみたいですね。私も農学部出身なので、もしこんな先生がいたら今ここでこの原稿を書いてはいなかったかも。<<12>>
主人公が勤める会社の先輩・佐野は、仕事ができるが弁当にも人一倍こだわりがある曲者。 「弁当の質は、仕事の質」 という格言まで飛びだすほど、弁当にこだわりまくる。 たかが弁当、されど弁当という感じで、弁当1つでめちゃくちゃ話が広がるのがすごい 大きなくくりではグルメマンガなのだろうけど、弁当のおかずに対するうんちくやその調理法だけでなく、作り手やどういう思いで食べているかにもフォーカスしてて、何ともいい話が多い。 佐野も変わりものだが、弁当の存在価値に共感する人への愛情の深さがすごい。 特に定年退職する人の話に、全部もってかれました。 弁当を見る目が少し変わる・・・かもしれない作品です。