完結したマンガの感想・レビュー16053件<<485486487488489>>my name is JA. Jiro Asuka.秘密探偵JA 望月三起也さいろく望月三起也先生の代表作の1つであり「ワイルド7」の前にあたる作品。 秘密探偵を囲う組織「J」のエースだからJAなんだとか。飛鳥次郎だからだと思ってた(たぶん合わせたんだと思うけどどっちが元なのかわからない) スパイ物として世界を股にかける少年次郎が望月作品らしく活躍するんだけど、当時は007がブームだった頃だそうで影響が強いらしい。 少年なのだが飛葉ちゃん顔負けの危ない目に遭いまくる次郎ちゃんが主人公補正でゴリ押しで解決していく(望月作品らしくモブは死にまくる)のはワイルド7同様に圧巻。丁寧に描かれた関係性に浸れる漫画花と頬 イトイ圭starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)柴田ヨクサル先生が帯に書いた「切れば血の出る漫画。」の通り、全編通して丁寧な人物描写で、読後はぼんやりと彼らがこの世界に存在しているような気がしてくるくらいキャラに血が通った漫画。 知っている人は知っているくらいのミュージシャン「花と頬」を父親にもつ父子家庭の女子高生が学校で父の仕事のことを知る同級生の男子と知り合い、仲を深めていく夏。 他クラスだが同じ図書委員で私語禁止の図書室で密かにノートで会話を進めていく様子がとてもいい。 多くを語らない登場人物が多いのに、息遣いや体温まで伝わってきそうなくらい親しみを持ててしまう彼らのいる世界に読後はしばらく浸っていたい。 良質の邦画を見たときと似たような読後感なのは、場にある空気や時間の流れ、会話の運びのテンポの良さをうまくコマ運びで表現できているからなのかも。 登場人物たちのなにげない日常がなにげなく過ぎ、彼らの中で決定的に何かが変わったかといえばそうでもないし、でも確実に何かは変わっている。それでも彼らの日常は続くし心持ち前向きにハッピーな感じ。 そんな爽やかさと、少し時の流れの残酷さと、人の温かみと鼻がツンとするような切なさもちょっぴりある、ガールミーツボーイなひと夏の出来事。 読んでいて気持ちが良いのは、キャラクターが説明的すぎないところだ。 ハッキリ明言されてはないけどこれってそういうことか、という場面がいくつかある。 そういった、みなまで言わずに言外で想像させる程度の物言いがとても現実的でよく馴染む。 主人公が等身大の女子高生らしくとてもナイーブで不安定で、自分の立ち位置を見失いがちなところもとてもいいし、父親がそっけないようで優しいのが感じ良い。 不穏なことが過去にあったような雰囲気を匂わせつつしっかりとは登場させない。登場人物に刻まれている表情で何かあったことを語りだす。 全体的に本当にいい雰囲気だった。 分かりやすい売るための要素(大仰な喜怒哀楽や、波のある起承転結など)がないから載せられない、といくつかの出版社で言われてしまったようだけど、こういう作品を出してくれる会社が世の中にあるのは救いだ。 届きました。ありがとうございます。かわいそうなのに笑ってしまう隠慎一郎の電気的青春 ツナミノユウnyae主人公の隠くんは子供のときに不幸な事故により緊張したり気持ちが高ぶると放電してしまう体質になる。放電体質がバレるたびに転校を繰り返す人生だったが、今度こそは普通の高校生活を送るためになんとかして体質がばれないように振る舞うも、何もかもが裏目に出て誰よりも目立ってしまうのだった。という話です。思いっきりコメディです。 度を超えた挙動不審のため教師に問題児認定されたり、放電体質を利用しようとする環境保護団体?に追い回されたりと普通の高校生活からどんどん遠ざかってしまって本当にかわいそうなんだけど、申し訳ないくらい笑ってしまいました。電車の中では危険です。 あと登場人物紹介をかなり丁寧にしてくれているのが好感持てます。メモ的にモンキーピーク 志名坂高次 粂田晃宏名無し※ネタバレを含むクチコミです。 よみがえった昭和の仮面ライダー仮面ライダーSPIRITS 石ノ森章太郎 村枝賢一マウナケア子供のころに見た正義のヒーローって、やっぱり頭の中で美化されているものなんですね。『仮面ライダー』も懐かし物のテレビ番組で見ると、あれっこんなだったかな?、と正直がっかりすることも。自分が冷めた大人になってしまったせいでもあるかもしれません。しかしこの作品を初めて読んだとき、子供のころのあの熱さが戻ってくる感覚を覚えました。正義という言葉に照れを感じさせない胸を熱くさせるヒーローが、頭の中で美化された状態でここに存在しているのですから。アメコミのハリウッド化と同様、ヒーローの本質はまったく変化させずに現代風の活劇にリメイク。かつテレビシリーズの続編の体裁をとっており、世界各地で起きる怪事件を歴代ライダーが解決していくさまは、「あぁヒーローが戻ってきた」という気持ちでいっぱいになります。この復活編の後はZX編になり、少し世代はずれますが、正義に目覚める過程で歴代ライダーと絡みも多く、1号~ストロンガー世代でもすんなり受け入れられるはず。その世代にも読んだ感想を聞きたいですね。ギャグの密度が濃いねえTHE MOMOTAROH にわのまことマウナケアこの作品を読むと、ひと昔前の少年漫画って本当にギャグの密度が濃いなあと思ってしまいますね。本作はおとぎ話をモチーフにしたキャラが闘うプロレス漫画なのですが、ギャグ作品なため登場レスラーはシャレの効いたキャラ揃い。モモタロウ永遠のライバル・キンタロウはイケメンなのに髪切りマッチで敗れて河童状態だし、あんまりなモジリの牛バカ丸や、酒呑童子ならぬシュテンドルフと、そのキャラの立ちっぷりやネーミングは抜群。そして彼らとモモタロウ対決の中で繰り広げられるギャグの応酬。これがまた半端じゃない。それこそひとコマごとに小ネタが入り、その合間に試合をしているようなもの。このネタ、ちゃんと押さえていくと普段の3倍くらい読むのに時間がかかるw。で、さんざん笑わせてかっこよくキメる、というのが小気味良い。気を楽にして読むことをおすすめします。また、オールド・プロレスファン向けのネタもあるのでそこも楽しんでもらえたら。ブラック・モモタロウの正体である影幻春架の元ネタとか、わかるかな?高校デビュー失敗組は必読水曜日 冬川智子starstarstarstarstarnyae読んでいて、ちびまる子ちゃんが今女子高生だったらこんな感じかもなと思った。 どうせあたしなんか…と自分を卑下しながらも、心のどこかでは自分のポテンシャルを信じたい。いつか自分もあちら側に…という期待を捨てることができない女子高生の自意識がパンパンに詰まった、笑える青春?マンガです。 中学までの地味だった自分を捨て、高校デビューを目論むも根っからのオシャレ人間たちとの圧倒的な差を見せつけられ、絶望する主人公の鳩。かといって地味女子グループに入ることはプライドが許さない。 比較的自分とレベルが近いと思っていた友達も、オシャレになって恋をして彼氏ができる。比べて自分は“男子に話しかけられるか”を日々の目標にする始末。 流行りのおくれ毛を作っていったらボサボサだし疲れてる?と言われてしまうくだりは涙なしでは読めません(笑い涙です)。 鳩はそんなオシャレグループにかすりもしない自分に対して思い悩みながらも、全体的にノリが軽いのが読んでいて楽です。 鳩に自分を重ねて、自分の高校生活を振り返って、しょうもなかったけどそんな自分も今思えば未熟で愛おしいな、と思えるかもしれません。 上手いし可愛いしわくわくする漫画よふかしのうた コトヤマmampuku拙者、深夜徘徊大好き侍。義によって助太刀いたす。 心躍るテーマに魅力的なヒロイン、卓越した画作りに台詞回し。さすがコトヤマ先生。 メジャー誌の人気作家でありながら、マニア心をくすぐる小ネタのさり気なさが素晴らしい。こういうの大好き魔法自家発電 谷和野さいろくマンバ通信読んで買ってみた。とても良かった。良かった… https://magazine.manba.co.jp/2019/10/29/tomiyama-mahoujikahatsuden/音楽漫画のパイオニア的存在TO-Y 上條淳士マウナケア漫画を読むのに耳は使いませんよね。だから音楽を題材に漫画を描くのは難しいことだと思います。しかし、そんな漫画として取り扱うのに不利な分野にも関わらず、いまや音楽漫画はひとつのジャンルとして確立してしまっている。日本の漫画って本当に凄い。で、そのパイオニア的存在がこの作品だと私は思っています。劇中では歌詞の類は文字としていっさい出てきません。歌っている時の表情や動きで音楽性を表現しているのです。これが主人公・藤井冬威のロックな設定に見事にハマる。また、描かれた時代も良かった。当時はアイドル歌手にアーティストの要素が求められてきた時代で、読者もこのスタイリッシュな表現を受け入れやすかったのではないでしょうか。昨今、音の出る漫画なんてありますが、仮にこの作品に音をつけるとしてもこのカッコよさは出せないし、誰に歌わせてもこの作品にはそぐわないでしょう。漫画の音楽は読者の想像力の中にのみ存在する。いまやメジャーになったこの手法、よくぞ形にしてくれたものです。 ゆるゆるで最高!ちょっと不思議な小宇宙 小田扉猫あるく団地ともおの小田扉先生の短編集です。ちょっと不思議でヘンテコな世界を1冊でお腹いっぱい楽しませてもらえました。何がいいのかってやっぱり適当でシュールであったかくてちょっとだけ不思議っていうところがいいんです! 週間ビックコミックスピリッツで新連載の犬漫画「横須賀こずえ」も注目だ! 嫌われても、泣いても、私は勝つ。Wizard’s Soul 秋★枝あうしぃ@カワイイマンガ父の借金返済の為、世界的カードゲームの大会に出る一ノ瀬まなか。母譲りの「不快な」戦い方で、恋も友情も捨てる覚悟で戦いに臨む、まだ中学生のまなかは、戦いの果てに何を見出すのか……。 母の命を繋ぐ為に必死でゲームに強くなった幼少期、そして今は家族を守る為……。中学生のまなかが背負う荷物は、重すぎる。 それに耐えるように、試合中のまなかはいつでも無表情。それが彼女の試合の、異様な緊張感の演出になっていて、息苦しい。 まなかの戦術は「パーミッション」と呼ばれる、相手の行動を阻害するもの。それだけでもいやらしいのに、彼女はプレイに神経戦を持ち込み、相手を陥れる。これがハマる瞬間の、相手が「何も出来ずに呆然と見送る」絶望感が気持ち良い。 楽しくプレイするプレイヤーには嫌われる覚悟のまなかだったが、意外とプレイヤー達は、猛者であればあるほど、まなかを放ってはおかない。そして戦いの合間に、思いがけず人に好かれ、ガードが緩み感涙するまなかに、こちらも涙を誘われる。 このゲーム自体が嫌いだ、と思っているまなかは、次々と出会う猛者達の、様々な「好き」の形を見ることで、抑圧していた自分の心と少しずつ向かい合う。 この作品、例えば何らかの競技者で「自分は才能はあるが、競技への愛情が不足している」と悩んでいる人に届いて欲しい。まなかの心の確かめ方から、新たな気付きを得られるかもしれない。思春期だった頃の私に読ませてあげたいクーの世界 小田ひで次無用ノスケ子私が中学生だった頃「ソフィーの世界」という、哲学を題材にした本が流行ってましたが、あの本が読みこなせなかったんですよね…。この漫画もタイトルや世界観に近いものを感じました。 「クーの世界」も、現実世界の死や、心のありかたに関する悩みが中心にあります。ソフィーのように難解で哲学的な言い回しはなく、説教くさいところもないので読みやすいです。純粋に作品世界に浸りながら、主人公と一緒になってあれこれと悩んだり、心について考えながら楽しめました。 ちなみにこの本は講談社版と秋田書店版がありまして、秋田版には描き下ろしページとあとがきが加筆されています。 https://www.akitashoten.co.jp/comics/4253104711 作者の小田ひで次先生によると、親戚の姪っ子さん達に楽しんでもらうようにと描かれたそうです。まるで「不思議の国のアリス」を生み出したルイス・キャロルのようなエピソード!なんて思いましたが、ちょっと言い過ぎでしょうか。大人でも充分楽しめる作品ですが、できれば自分も思春期の頃にこの作品に出会いたかったなあと思うばかりです。 やっぱり大好き。楽しい生活 加納あずま名無し昔から加納あずまさんの作品が大好きで、何度も何度も読み返していました。 ほのぼのしていて読んでいて心地よく、程よく笑いもあり、疲れたり落ち込んだりしたときに読むととても心が癒されます。 ギャグ漫画ではないので「ゲラゲラ」と言う感じではないけど、さりげなく散りばめられている「プッ」と吹き出させる笑いのセンスが絶妙です。 今回の『楽しい生活』も素晴らしい!! ごく自然に共感できる現実的な部分がありつつも、やっぱりどこかファンタジーと言うかメルヘンな雰囲気で、小さい子に読み聞かせても問題ないくらい、ほんわかとした絵本のようなストーリー。 一話完結タイプなのも読みやすく、一日の終わりに一話ずつ大事に読みました。 本当は一気に読みたかったけど、勿体なくて。。笑 お話とお話の間にある、お料理メモや旅行メモなども非常に勉強になるし興味深かったです! 何時であろうと、読むといつも凄く料理がしたくなります。 加納さんがイラスト入りのお料理本などを出してくれたら良いのにと、いつも思っています。 『毎日がピクニック』などのように、こちらの作品も電子書籍だけではなく書籍化してくれないかな。。 電子書籍は場所もとらずいつでもどこでも読めて便利ですが、古い考え方の自分としてはやはりお気に入りの作品は特に、手に持ってページをめくり読みたいなと思ってしまいます。 毒のない、とてもとても優しい作品です。 老若男女問わずオススメします。月刊誌へ移籍した第7部ジョジョの奇妙な冒険 第7部 モノクロ版 荒木飛呂彦マウナケアこの作品がスタートしたとき真剣に”あっ、こんなにうれしいことだったんだ”と思いました。当時はずいぶんやきもきしたことをおぼえています。この前のシリーズである『ストーンオーシャン』が連載誌での立ち位置を微妙にしたまま、これまでのシリーズの流れをぶっ壊した形で終了し、新章スタートまでずいぶん間が空いたんですね。次はジョジョじゃないかも?なんて噂もあったり、また連載が再開してもしばらくは正式に第7部とは謳ってくれず、実質7部のようなものというアナウンスがあり、落ち着いたかなと思ったら掲載誌移籍。いや打ち切りのピンチか?とドキドキものでした。ただこの月刊ペースへの移行が結果的に良かった。いいタイミングだったなと思います。アメリカ大陸横断レースがメインで、舞台も砂漠に草原、山、海、都市と次々変わり、スタンド以外に回転という概念も導入。バディものであり師弟ものでもあり、そして宗教的な謎が絡むといった壮大かつ挑戦的な内容。月刊誌のボリュームが見事にハマった。個人的に一番好きなシリーズです。デコボコ親子が刑事としてコンビを組むおやこ刑事 林律雄 大島やすいちマウナケアしょっちゅう意見は対立するものの、互いを認め合っている父・勘太郎と息子の文吾。そして個性豊かな下ノ町警察署の面々。そこには泣ける人情話もありクスリと笑える楽屋落ちもある。一話完結で読みやすく、恋も友情も出会いも別れもあって、どんな年代でも楽しめるはず。現存するカラーページをすべて復刻版したもので、またそのカラー原稿の美しいこと。こんなもん見せられたらやっぱり復活させてくれた人々に感謝ですよねえ。 清野とおるは我が人生まあどうせいつか死ぬし ~清野とおる不条理ギャグ短編集~ 清野とおる名無し今作にも再録されている「不快な読み物」の一部「街」を読んで鮮烈な衝撃を受けたまま10年近く、そこから派生して多くのかけがえない出会いを経て 清野さん、あなたがいなければ私はどれだけつまらない人生を送っていただろう?と本気で思って生きています。 世間的には清野とおるはエッセイ漫画家としての認知が高いと思われますが、私の中では不条理創作漫画の人なので 令和の時代に氏の短編集を新刊で読める日が来るなんて感無量です。私がまあどうせいつか死んだらコミックスを棺に入れてほしいので、どうぞよろしくお願いいたします。 騙されたと思って読んでみてください。 100人読んだら99人が騙されたと、「これの何に心を動かされたの!?」ときっと思うことでしょう。そうではないひとりに、あなたがなるんですよ。そう、私のようにね いずれにしても唯一無二の感情をお約束します。 おすすめです。ちっちゃいことは気にしないかむろば村へ いがらしみきおstarstarstarstarstarひさぴよ東北のとある秘密の隠された村に、都会育ちの主人公が移住してみた〜というノリのお話です。主人公をはじめ、とにかく癖の強い人ばかり出てくるので、読み進める内に登場人物たちの人となりや過去の出来事が気になり、いつの間にか作品世界に引き込まれていきます。一人ひとりに過去があり、それぞれが悩みを抱えながら生きているんだな〜という、非常にありきたりな感想になってしまいますが、これだけの人間模様を正面から描き切ったいがらしみきお先生に脱帽です。読み終えると、小さな悩みがまとめてどこかに行ってしまったような、少し心が広くなったような気持ちになれました。漫画に登場する”神様”の意味とかも、あまり深く考察せずに読むことをおすすめします。超クオリティのコミカライズ空の青さを知る人よ 蜷川ヤエコ 超平和バスターズANAGUMA映画見て刺さりまくったのでマンガにも手を出させていただきました。これは…すごいコミカライズなのでは…? 田中将賀さんのキャラクターデザインで自分が一番好きなのは影の処理です。 陰影を大胆に捨象しズドンと斜めに切り落とすかのようなシャープな影指定。このコントラストの効いた表現は氏の代名詞と言っても過言ないように思います。 本作は驚くべきことにその影すらも省略されています。 にも関わらず圧倒的に田中デザインを再現して見せている。それがすごい…。 マンガでは「色」が使えないので、明暗と色彩の二軸の強弱を白と黒の一軸のグラデーション内で表現しなければいけません。 アニメーションの色彩と陰影は、本作では「白」の明るさと繊細なトーンコントロールに置き換えられています。 色がない世界で色の明るさと鮮やかさを表現するのに、影を取り払いながらも元のデザインの魅力を活かし切る…誠に恐れ入りました。マンガの絵はつくづく情報量の操作なのだなと…。 「空の青さ」が本作においても爽やかに披露されるのを楽しみに2巻を待ちたいです。 オトナの秘密基地、煩悩寺。煩悩寺 秋★枝あうしぃ@カワイイマンガ小山田君の部屋は、ヘンテコグッズでいっぱい!恋に仕事に疲れた小沢さんは、今日も彼の部屋でダンボール箱を開ける。中身に驚き、笑って飲んで元気になれるこの部屋、通称「煩悩寺」で、今日は何して遊ぼうか? 小山田、小沢と小山田の友人・島本の3人は、部屋にあるグッズで遊んだり、それをネタに笑い転げたりと、あまり社会人っぽくない遊びに興じる(酒は飲む)。その日の遊びは、開封する段ボール箱任せ!という博打感を楽しむ、彼らの力の抜け具合がいい。 煩悩寺にあるグッズはとにかく悪趣味、煩悩丸出しで、くだらないものが多い。しかしそれらは裏を返せば、欲望に忠実で、隠し事がないということ。小山田の基本ウェルカムな性格もあって、小沢にとって煩悩寺は、素の自分のままでいられる、寛げる場所のようだ。こんな秘密基地、私も欲しい。 失恋の痛手や仕事のストレスを癒してくれる煩悩寺は、小沢にとって、次第に大切な存在になってゆく。そしてそんな場を創り出す「変人な善人」小山田との関係も……。 煩悩寺のグッズ達をゲラゲラ笑いながら遊び、受け入れる小沢は、島本に言わせれば「素質あり」。部屋の主との相性はいいんじゃないの?ということで、いつも楽しそうな息のあった二人の関係を、島本と一緒にいじりながら眺めていたい、そんなお話。「敬語」を巡る甘酸っぱい攻防戦!年下の先輩ちゃんには負けたくない なめたけあうしぃ@カワイイマンガ先輩には敬語を使いたい大学生・坂上良太郎に、「年下なのでタメ口で」と迫る高校生の先輩・山下かをり。バイト先での「敬語」を巡る攻防が、今日も静かに繰り広げられる……。 先輩であるかをりは、高校生なのにやたらと仕事のできる、頼りになる存在。助けられてばかりの坂上は、気後れしてつい、色々遠慮してしまう。一方かをりは、そんな彼をからかうように、「敬語禁止!」などと言っては坂上に、打ち解けることを要求する。 クールに坂上を手玉に取るかをりと、年下の彼女にどうしても敵わない坂上。この構図、ちょっと『からかい上手の高木さん』っぽいと思いません? さらに二人と共に仕事をしつつ、二人の仲を(主に坂上の方を)いじってくる、女子高生の若菜と真中のおかげで、二人の仲がじわじわ進展していく……ようでいかない感じが、もどかしくも楽しい。 ホームセンターが舞台なので、コンビニやスーパーではなかなかお目にかかれない商品と、それにまつわる顧客対応の模様なども目新しい。結構特殊な商品知識が問われる場所なんですね……。 遅々として進まない二人の先を見たいと願うよりは、いつまでも二人でああでもない、こうでもないと駆け引きして、拗らせる様子を眺めていたい。その先に少しでも進展があるといいな……という感じで楽しみたい漫画。 クールなかをりの静かな笑顔、マジ天使!シュールすぎやしないかアダチケイジ大全集 The DRIFTERS アダチケイジ名無し「グラゼニ」のアダチケイジ、デビュー作とのことで、興味があって読んでみたところ、想像以上にシュールな世界観のギャグ漫画だった…。主人公は見てのとおり小林よしのり作品の影響を明らかに受けている。東大一直線ほどのキレはさすがにない。が、語彙の数はすさまじく、意味のわからないワードをぽんぽん出しながら勢いで突っ切ってしまう。これが新人時代の勢いというものか…。などと思いながらよく見ると、グラゼニでたまに見せるギャグっぽい動きを色んな箇所で見ることができた。ともだち○こ、を使ってボーイズラブをイジる、という今の時代から見るとちょっと微妙じゃないか?という描写も入ってるが、昔のギャグ漫画だから仕方ないところもある。 衝撃的授業を叩き込め!ハンマーセッション! 棚橋なもしろ 八津弘幸 小金丸大和マウナケア表紙とタイトルだけではいまいひとつ内容がわからず、ドラマ化されてから読み始めて好感をもった作品です。ハンマーセッションとはメキシコ系ギャングの俗語で、新入りがきた時、しきたりや掟を脳天に叩き込む、という意味だそう。ですが、この作品では「衝撃的授業」という言葉が当てられています。つまりは教育モノ。型破り教師が生徒を更生させていくという定番の設定ながら、その教師が脱走した詐欺師というところに新味があるわけです。この教師、問題のある生徒に接する時は、詐欺のテクニックを使う。それは人心掌握術だったり、調査の上でのハッタリだったり。ほか法律も知っているし、簡単な心理トリックも仕掛けられる。これらプロの技がビシッと決まるのがいいんですよね。で、この辺の能力って、現実の生活や仕事上でも重要なことなのでは、て思ったりしてしまうのです。知識を蓄えたり、頭を使って行動して人の心をつかんでいるわけしょ? ビジネスマンでもナルホドと思うことだらけですよ。少年向けと侮ることなかれ。めちゃくちゃ熱くなれる漫画バチバチ 佐藤タカヒロマウナケア初めて読んだときは、興奮して寝付けなったくらいです。主人公・鯉太郎は大相撲巡業のイベントで力士をふっ飛ばし、それがきっかけで空流部屋入り。実直ながら激情家の鯉太郎は兄弟子たちに反発するも、やがてうちとけて新弟子検査へ。そこであるエリート力士との間に因縁が生まれ、それを引きずって初土俵である夏場所の前相撲を迎える、と序盤の流れはこんな感じ。それと並行して鯉太郎の父で、角界を追われた大関・火竜の悲劇が語られています。この親子関係の描き方がていねいで、導線としても非常に効いているのですね。鯉太郎の性格や生い立ち、そして目指すところまでがこの描写を通してストレートに伝わり、一気に感情移入できてしまう。また悪役もとことん悪党ぽく描かれていて心底イヤな奴と思わせてくれる。鯉太郎の私生活の余計な描写も省いてまさに電車道の一直線ストーリー。ひねりはあってもすかしはなし。掛け値なしに燃えます!<<485486487488489>>
望月三起也先生の代表作の1つであり「ワイルド7」の前にあたる作品。 秘密探偵を囲う組織「J」のエースだからJAなんだとか。飛鳥次郎だからだと思ってた(たぶん合わせたんだと思うけどどっちが元なのかわからない) スパイ物として世界を股にかける少年次郎が望月作品らしく活躍するんだけど、当時は007がブームだった頃だそうで影響が強いらしい。 少年なのだが飛葉ちゃん顔負けの危ない目に遭いまくる次郎ちゃんが主人公補正でゴリ押しで解決していく(望月作品らしくモブは死にまくる)のはワイルド7同様に圧巻。