青年マンガの感想・レビュー15399件<<421422423424425>>あり得そうでコワイ。ヒル 今井大輔名無し誰かが家の鍵を使い、住人が不在の間に上がり込み、居室で勝手に過ごしている。現実にもあり得そうな設定で、しょっぱなから怖い。 住人の留守中を過ごす家無しの女の子の、無人のはずの居室での出会い。過去も垣間見えて、女の子のこれまでの境遇とか、出てきた元同級生との関係が気になる展開です。劇画のドンが秘めていた危険な裏話が、出て来るのかと期待させる漫画男の星座 梶原一騎 原田久仁信名無し今は亡き梶原一騎氏の自伝であり、これまで書けなかった事を暴露的に発表するとの触れ込みで連載が開始された本作品ですが、氏の急逝で残念ながら未完大作となりました。力道山vs木村政彦の世紀の決戦から始まる物語は、梶原氏の独壇場である格闘技界を中心に進んで行くので、安心・安定感があります。未完ですから物足りないと思った方も多いでしょう。そんな人は、小説「梶原一騎伝/斎藤貴男」を読み、漫画らしい部分の修正や補完をすれば尚良いと思います。サッカー界の闇を暴く代理人マンガ #1巻応援フットボールアルケミスト 12Log 木崎伸也ANAGUMAスター選手がクラブを渡り歩くたびに巨額の資金が動くプロサッカー界。そのカネの流れを操るのが「代理人」です。 実際に2019年の夏の欧州市場では1シーズンで7000億円近い金額の取引があったそう。 参考:https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=63688 クラブからクラブへ選手を移籍させて金を生む…代理人はまさしく「錬金術師」といえます。 一方でファンからすれば代理人は選手の未来を導く天使にも、あるいはどん底に突き落とす悪魔にも見える存在です。 本作の主役の一人、先崎も凄腕の代理人ではあるものの「金の亡者」なんてあだ名を付けられています。代表監督への口利き、クラブオーナーへの圧力など、選手の価値を釣り上げるためなら手段を選ばないダーティな側面はなかなか衝撃的。 一方で純粋に選手を想っての行動やサッカーに対する真摯な姿勢も共存していて、代理人という謎に満ちた仕事を紹介するのにふさわしい魅力を持ったキャラクターです。 主人公リサの兄をめぐる陰謀じみたドラマも読み応えがあり、「フットボールとカネ」という刺激的なテーマに踏み込む気迫を感じました。 サッカー界の闇のドラマをどう描いてくれるのか楽しみな連載です!とても読みやすいうつ病エッセイ漫画うつ病九段 河井克夫 先崎学沼袋明確な原因はわからないけれど、うつというものは気づかないうちにじわじわと近づいてくるものなんだなと、やはり他人事ではないんだなというのを改めて実感した1冊でした。 本書は、将棋界へ復帰できるかどうかというところで、精神科医であるお兄さんに闘病について文章にしてみるよう薦められて終わりますが、ウィキペディアによるとその後にしっかり復帰されたようでホッとしました。 うつと向き合う中で、少しずつ回復傾向であると思っても、その日のうちで調子の良し悪しに波があったり(夜は元気でも朝起きると悪くなっているとか)、文字が読めなかったり、将棋の初歩の初歩すら分からなくなっていたりと今まで当たり前にできていたことが出来なくなるというのはどれだけ辛いことだろうと、読んでいて心配になるんですが、自暴自棄にならず医者からのアドバイスも素直に聞き入れ、将棋への意欲が再び芽生えたことに喜びを感じられたからこそ復帰までたどり着けたんだろうと思います。 やはり受診する病院や医師によって良くも悪くも左右される病気だと聞くので、身内に優秀な精神科医がいたことが幸運だったと思います。しかし兄は精神科医、弟はプロ棋士となんと優秀な家庭だろうと、うつと関係ないところでもなかなか興味深い部分がありました。 最後の方に羽生善治棋士と少し会話するシーンが有るのですが、なんとなくクスッと笑ってしまう微笑ましさがありました。 すごいよこれナイショの戸黒さん 詩原ヒロさいろく※ネタバレを含むクチコミです。他のゾンビ漫画とはひと味違うパニック漫画感染者 OBU名無し町中がゾンビだらけになってしまったら人間たちはどう行動するのか。パニック漫画ですが、人間の本質を問われる作品だと思います。主人公にまだこどもの兄弟2人をもってきたのも斬新だと思います。途中で出会うチュッパチャップスを舐めてる兄ちゃんの行動力には感動します。ナースの主人公に笑ってしまうおたんこナース 佐々木倫子 小林光恵名無しクスっと笑えるナース漫画です。読んでいると気持ちがリラックスしてきました。主人公と患者さんたちとのやりとりがとても楽しいんですよね。今まで読んだことのあるナース漫画は真剣な内容が多かったのですが、この漫画はギャグっぽくて肩の力を抜いて楽しめます。 完璧な読切がここにありました。姪っ子の歌 ますだ悠兎来栄寿現在、マンガワンで『暑がりヒナタさんと寒がりヨザキくん』を連載中のますだ悠さんによる読切です。こちらの作品で「第1回YGマンガ大賞]入選&審査員特別賞」を獲ったそうですが、さもありなん。あまりにも完璧な読切で身震いしました。もう大好きです。 “今思うとずっと姪のことを憐れんでいたと思う” という手書きのモノローグから始まるこの物語は、物書きになりたいという夢を果たせずOLとして無感情に働くさゆりと、彼女の姪であり夢を追いギターの弾き語りをするゆづはの二人に焦点が当てられ進行していきます。 さゆりが如何にして夢を抱き、それを叶える為に周囲の反対も跳ね除けて努力し続けて、そして結果的に挫折するに至ったか。それは悲しい物語ですが、夢を持ちながら叶えられなかった多くの人が共感する在り方でしょう。 姪には自分と同じような想いを味わって欲しくないと思いながらも、渦中のゆづはは目を輝かせながら夢を叶える為に邁進していく。その時の複雑な胸中が見て取れます。それはやがて今の自分のようになってしまう可能性が高いという単純な心配や憐憫だけではなく、もしかしたら嫉妬のような感情も入り混じるものだったかもしれません。 最後まで連綿と続く手書きのモノローグと、「姪っ子の歌」というタイトルが重なった時、破れた夢の果てに生まれた物を目の当たりにした時、最大の感動が押し寄せました。かつて自分から生じた情熱が今は冷めてしまっていても、往時には新たな土で萌芽を誘っており、そこで咲いた小さな花が再び冷めた自分にも熱を灯す。そんな在り方に尊さを覚えました。 二人の絆に胸が暖かく、熱くなる素晴らしい物語でした。会社が違うので難しいかもしれませんが、『暑がりヒナタさんと寒がりヨザキくん』が単行本化される際などに収録して欲しいなぁと思います。話題にならずに埋もれてしまうにはあまりにも惜しい作品です。王様ゲームの原点にあたる話王様ゲーム 起源 金沢伸明 山田J太名無し『王様ゲーム』シリーズの起源となった話のコミック版です。『王様ゲーム』本編よりも数十年前、1977年を舞台に、『臨場』の本多奈津子の父親・本田一成が主人公です。 とてもきれいな絵柄なので、ホラーでも読んでいてつらくなく、シリーズ一気読みしてしまいました。サスペンスやミステリーが好きな方にもお勧めしたいです。食の世界の三沢光晴これ喰ってシメ! 久住昌之 武田すん名無し自分は食事も酒も好きだが、シメがどうこうには あまり拘りはない。 酒を飲んだ後にビールとギョーザを食べたいとか あまり思わない。 鍋料理の最期を雑炊にするかウドンにするか 悩んだこともない。 デザートとかついていなくてもかまわない。 そういうことにこだわらないほうが気楽でいいじゃん、 くらいの感覚というか。 しかし「これ喰ってシメ!」をよんで 主人公・神保マチ子のシメへのこだわりを見て、 こういう食べ方を出来る人は凄いな、と思った。 のんべんだらりと酒を飲み、気がついたら寝オチしていました、 なんていう自分とは違う。 酒のあとのシメだけでなく、仕事や私生活でも、 色々な状況の要所要所でしっかりと区切りをつけてシメる。 ダラダラしない、それまでを総括し、次へ進む。 大人だな、カッコイイな、と思った。 しかも臨機応変にシメる。 様々な状況でそのときの気分にあわせて様々なシメをする。 けして飲んだら最期はやっぱりラーメン、というような ワンパターンな「これしかない」シメではない。 昼の蕎麦屋で、空腹で飲んだ後、 仕事が終わったら終電がなくなっていたとき、 後輩が奢ってくれたとき、 それぞれにあったシメかたを選択し実行する。 さらに、こういうときはこれだけ、と 頑なに自分流に徹するわけでもない。 後輩・ひじきと飲みにいくと、結構ひじきに つきあうというか、つきあわされるんですよね。 あまりいかない回転寿司に連れて行かれたり、 小料理屋なのに焼肉屋かよ、という料理を つつくことになったり。 それでもしっかり味わって受け入れる。 プロレスで言えばスタン・ハンセンではない、 三沢光晴だ。 ハンセンのように、とにかく最期はラリアット。 これで豪快にシメれば誰も文句はない、 というスタイルではない。(それはそれで凄いけれど) どんな相手とどんな試合展開になって、 どんな技を受けても綺麗に受身をとって試合を進め、 最期は多様なフィニッシュホールドのなかから これでどうだ、という技を選択して終わる。 なんという懐の深さと実力とセンス。 もっと神保マチ子の試合(シメ)を見てみたいと思った。 のり子、ガンバレ青いころ あおきPom のり子が純粋無垢で真っ直ぐで、人をすぐ好きになっちゃうところも可愛い。 (自分のファンの聖(あきら)くんを好きになっちゃうところとか単純明快。) 夢を追っかけられる若い時を生きるのり子達が、キラキラしてて眩しくうつる。笑ってても泣いてても悩んでても何してても楽しそうで、ほっこりした気持ちになりました。 夢を追うだけじゃなく、恋も順調に進みそう?!なので、のり子の夢も恋も叶うといいなあ。と応援したくなる物語。 裏表のある天才子役のサクセスストーリーこのゆびとまれ 大澄剛名無し天才子役ともてはやされる恵那と、裏表のある彼女をサポートするヘタレマレージャーの田代のやりとりが楽しい。楽屋ではわがまま放題に田代をいびり倒すが、女優としてのプライドは人一倍で、受けた仕事は絶対にやりぬく恵那のガッツがカッコイイ。魑魅魍魎が跋扈する芸能界をタフに生き抜く姿を応援したくなる。やっぱり熱い!ミナミの帝王 天王寺大 郷力也名無し最近のは読んでいますが、実は1巻を読んだことありませんでした。 絵がいかにも昭和の熱い時代を表現していると思います。 現実にはこんなに人情味のある金貸しはいないのかもしれませんが、いて欲しいなと思います。 完全に大人向けの漫画なので、中年位の方で読んだことない人にはお勧めしたいです。 キャラ描写がしっかりできている地獄変 日野日出志名無しぱっと見ではB級ホラーものっぽい感じですが、よくよく読んでみると、結構しっかりできています。特にキャラ設定の部分。主人公の生い立ちみたいな部分が、割と深く掘り下げられていて、妙に心を揺さぶられたりします。個人的には絵がもう少し生々しい(グロイ)感じだったら、よかったのになあ、なんて思うも、とても楽しめる作品です。鬼かわいい!!体育館の裏の裏 加藤文孝名無し告白シチュエーションでど定番の「体育館の裏」に、更に「裏」があったという展開なんですが、その「裏」の世界観に度肝抜かれました。 日常に唐突に現れるファンタジー感、例えるなら「千と千尋の神隠し」的な、怖いけどワクワクするあの感覚に近い気がします。 だけどオチはくすっと笑えて、タイトルの通り鬼かわいい。お父さんに会った時の話も読みたいです。笑この漫画が連載されていた週刊プレイボーイの発売が愉しみでしたワニ分署 篠原とおる名無し82分署と書いてワニ分署の火野三夏とリンのコンビが巨悪に立ち向かう、篠原とおる原作のアクション・バイオレンス漫画に位置付けられる作品です。映画化もされましたが、そちらは興行成績優先のお色気先行が目立ち面白さに欠けました。漫画の方は、もちろん色気も無くてはならない要素ですけど、ストーリーがそこそこしっかりしていて読める漫画です。余談ですが、歌手「日野美歌」の唄がヒットした際に、この漫画の主人公「火野三夏」を連想したのは私だけではなかった筈です。 下宿屋さんで繰り広げられるファンタジーストーリーマンションズ&ドラゴンズ 【新装版】 藤浪智之 佐々木亮名無しゲームが好きで1990年代テイストの絵も好きだったので読み始めました。 眼鏡っ子の女の子が、下宿屋の勇者屋を探してある国にやってくるところから始まります。 絵のタッチが可愛らしく、獣人や死霊使いなどもコミカルかつファンタジーな感じで描かれていて見ているだけでも楽しいです。 そして、冒険は下宿の管理人さんから出されて、成功したら下宿代がタダになるという軽いノリで始まります。 しかし、簡単だと思われた依頼は途中で様変わりして神官志望の受験生の少年の回復魔法も尽きてしまい、もうだめかと思いましたが、そこで眼鏡っ子の女の子の正体が明かされて、ますます冒険が楽しみになっていきました。 パーティも和気あいあいとしていてファンタジーな感じもしっかりと楽しめるのでゲーム好きな方にお勧めです。麻薬取締官と犯人のW視点が面白いマトリズム 鈴木マサカズ名無し有名な映画のタイトルに語感が似ていることと、オカルトっぽい絵柄に興味を持ち読み始めました。 しかし、実際に読み始めると、SFもオカルトもなく、逆にリアルな漫画でした。 麻薬取締官たちが麻薬の売人などを逮捕する物語で、荒っぽいマトリとクールなマトリのコンビの掛け合いが面白かったです。 犯人ごとにエピソード分けされていて、犯人視点からの考えや生活が垣間見れる展開も面白く興味深かったです。「先斗町」→読めますか?先斗町舞妓夢小路 雪宮ありさ兎来栄寿京都五花街の一つである先斗町。難読地名として有名ですが、「ぽんとちょう」と読みます。京都五花街にはそれぞれの紋章があるのですが、先斗町の紋である千鳥は群を抜いてかわいいので機会があったら見てみて下さい。 そんなかわいい千鳥があしらわれた提灯もしっかり描かれている、先斗町を舞台にした痴情と友情の話がこちらです。 まんがタイムきらら系列というと美少女同士のゆるい日常系作品を想像する方も多いかもしれませんが、本作ではヒロインと教師の不倫も描かれており、ほろ苦さもある物語となっています。 一番の見どころは幼稚園の頃から親友だった彩と花の互いに互いを想い合い解り合う友情の尊さ。一時的に疎遠になってしまったこととその理由も描かれるのですが、そこにも大きな共感が生まれました。 辛い夜を乗り越え、互いに鼓舞して前を向いていける関係性の何と素晴らしいことか。舞妓さんという若干の非日常性を感じさせてくれる存在がしっかりと現実の中で描かれていたのも良かったです。 雪宮ありささんの今後の作品も楽しみです。 王道のヤンキーバトル漫画VF-アウトサイダーヒストリー- 林崎文博名無し一時のヤングアニマルの看板作品だった、ヤンキーバトル漫画です。 内容はこのご時世ですから、真面目な人や、女性などが読むにはあまり薦められないかもしれませんが、しかしそれも序盤だけ、中盤から後半にかけては王道のヤンキーバトル漫画路線を行っています。40年越しに果たされる、亡くなった親友との約束私と猫と二十歳の君と あさひよひ名無し読んでいてなんとなく「もしや…?」と思って調べたらやはりBLも描かれている作家さんでした。この設定でBL描いたらめちゃくちゃ良さそうだなと思いながら読みました。堅物とネアカの組み合わせ好きなので…今まで描かれた作品も読んでみたいですね。 40年に一度しか咲かない花、ニューサイランのことか、それをモデルにしているようです。その花が咲くかどうかの勝負をしていた矢先に亡くなってしまった親友が、その勝負の決着をつけるために亡くなった当時の20歳の姿で主人公の元へ戻ってくるのですが、戻ってきたのは勝負のためだけじゃないということが最後にわかります。行き違い空回る恋のパラドックスうそつきパラドクス きづきあきら サトウナンキ名無し遠距離恋愛中の彼氏持ちの同僚を好きになった男と、その好意に気付きながら煮え切らない女の、恋になりそうでもう一歩の所でならないすれ違いにドキドキします。一線をこえるかこえないか、きわどい駆け引きに伴う背徳感がたまりません。女の子のボディがむちむち肉感的なのもセクシーです。 女性向けの絵柄をしていますがお色気シーンも多く、内容はわりと男性向けです。ドロドロしてる面もありますが面白いです。ある意味で主人公がぶれてないのでそこまで嫌な感じがしないのも良いです。。キャラクター達の名前が面白い。 少し古めの漫画ですが、アプリ等で全話公開していたのでそれで読んだ人も多のではないでしょうか。 なんと現在は続編が連載中です。 夫婦愛と親子愛に涙する感動の一冊セブンティウイザン タイム涼介まや70歳で初妊娠、そのまま出産した老夫婦のお話。 突拍子ない話に思えるが、実際は夫婦愛と親子愛、周囲の人々との関係性を丁寧に描いたヒューマンドラマの趣で好感がもてる。 晩年になってからの初めての妊娠に驚き戸惑い、それでも出産と育児に臨むおばあちゃんと、彼女を懸命に支える夫の姿は、互いへの誠実な愛情にあふれている。家族を作るのに大事なのは年齢よりも覚悟の有無だ、と痛感させられる。 おそらく作者は妊娠出産経験者(orその夫)であり、両親学校の話や妊娠して電車が怖くなるなどは私も経験があり納得がいった。好奇心で読み始めたけど普通に感動できる良漫画です。全員ゴルゴに見える日本極道史~昭和編 村上和彦名無し特に第1巻はキャラかぶりが激しい<<421422423424425>>
誰かが家の鍵を使い、住人が不在の間に上がり込み、居室で勝手に過ごしている。現実にもあり得そうな設定で、しょっぱなから怖い。 住人の留守中を過ごす家無しの女の子の、無人のはずの居室での出会い。過去も垣間見えて、女の子のこれまでの境遇とか、出てきた元同級生との関係が気になる展開です。