青年マンガの感想・レビュー15397件<<375376377378379>>凡人漫画家の葛藤古ぼけたアパートのひと 久宿純名無し天才のアイディアを盗作して売れっ子漫画家になってしまった男の話。天才への憧れと自分の才能の無さの葛藤が伝わってくるいい作品だった。構成も上手い。しかし絵のつたなさと「古ぼけたアパートのひと」というタイトルが普通すぎて読み飛ばしてしまう人も多いのではないかと心配になった。じっくり読むとオチにも納得する。読後感もいい。だからこそ勿体ないと思う部分がたくさんあった。月刊!スピリッツに掲載された…レディコミ?!鬼女たちのティータイム たかばやし澪名無し子主人公は元オタサーの姫。同じサークルに入っていた夫と結婚してからはオタ活をセーブしていたが、同人活動を続けている夫からは「コミケに向けて集中したいから」とセックスを拒まれる日々を送っていた…。どうにか夫の気を引こうとしてコミケ当日に夫の好きなキャラクターのコスプレをして会いに行くと「俺の美沙ぽんが汚れるだろーが!!」とブチ切れられてしまう。落ち込んでいた主人公に優しく声をかけてくれたナオ君と親しくなり、そのうちナオ君から不倫相手を紹介してもらうようになる…が、実は夫とナオ君は長年付き合っている恋人同士で、すべては主人公に離婚させる為の二人の策略だった。しかし最後は主人公が実体験を元にしてBL漫画新人賞を受賞する逆転オチでした。 月刊!スピリッツを読んでたらレディコミが現れた?!と驚いた作品。普段は別名義でめちゃコミに「制裁病棟」という作品を連載されているようですね。絵やストーリーに荒さはありますが読みづらさはないです。逆にそれが面白さになっているし、ふとした言葉のチョイスや見せ場の作り方はすごくセンスがあると思います。また月!スピで作品を読みたいです。ドラマ化と知って読み始めたらこれは面白い!重版出来! 松田奈緒子xiaome> 「マンガ」は、漫画家だけのものじゃない。編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、取次、書店員…。数えきれないマンガの裏方たちのリレーで、読者の手に届くもの。そう、裏方の熱き想いがあるからこそ「マンガは売れる」んです!マンガに関わる一人ひとりの人間ドラマをぐいっと描く本作、全ての仕事人へのエール漫画です!!! 全然きいたことなかったけど、こういうストーリー割りと好きだ。早速読んでみてる。おすすめの短編集 #お買い得本夏の十字架 ウチヤマユージstarstarstarstarstarひさぴよウチヤマユージ先生の短編集。2007〜2011年にかけてコミティアで発表された初期の5作品が収録されています。 「受賞歴なし、雑誌掲載経験なしのまま初単行本化」という売り文句が書いてありますが、同人誌でのみ発表されていた作品だけで、単行本を出すという事実が、この短編集の良さを証明しているようです。 表題作「夏の十字架」が全部で130ページあり、本の約半分を占めていて、短編としては少し長めですが、ストーリー構成が素晴らしく、あっという間に物語に引き込まれる面白さです。鬱々とした部分もありますが、読み終えたあとは何かモヤが晴れたような気分になる短編です。 他の4編も珠玉の作品ばかりで、時期によって作風・絵柄のバラつき等はありますが、単行本化にあたり加筆修正を結構されたそうで、全体を通して読みやすくなっています。 ちなみに本の価格ですが、紙の本より電子書籍(550円)で買うほうが大分安いのでお買い得です。 あま〜〜〜〜い!スイーツ本部長 一ノ瀬櫂 佐々木善章名無し社内でも仕事が出来る男として有名な一ノ瀬本部長には誰にも知られていないもう一つの顔があった…それはスイーツ大好きな超甘党だということ!しかも自分で作ります!パティシェとしての腕も一流です!ちょっと甘いもの食べ過ぎなんじゃないか…マジで尿から糖でる5秒前だぞ…と思いつつも、あまりにも美味しそうに食べるので読んでると甘いもの食べたくなってきます。一ノ瀬本部長がスイーツ好きなおかげで殺人事件や強盗事件が未遂で終わるけど、一ノ瀬本部長には人助けした自覚がなく「早く家に帰ってスイーツ作りたい…」と思ってるところが面白いです。自分好みなギャグ漫画でした。この世は地獄地獄を見た男 蛭子能収hysysk名作の呼び声が高い『地獄のサラリーマン』がやはり面白い。徹底して不条理ながら変なリアリティがあって怖くなる。 子供がエレベーターで不意に押した地獄行きのボタンで地獄に行ってしまう最後。何故そこに地獄行きのボタンがあるのかも、何故主人公が地獄に行かねばならなかったのかも説明されない。そこに深い意味はなく、「ただそういうもの」であり、現実世界も同じことなのだろう。 こんな漫画を描いてる人がテレビでは親しまれてるというのが良い。寛容さなのかキャラで許されてるのか単に知られてないだけなのか。。少年が手にした「強さ」EVIL HEART 武富智ナベテツ表紙の絵とタイトルの禍々しさのギャップに最初は違和感を感じたりもしましたが、最後まで読み終えて、良い作品だなあとしみじみ思いました。 主人公の少年・梅は「力」を欲します。誰にも負けない、大切な人を守る力を。 物語の中で幾つもの困難と向き合い、その度に暗黒面に落ちることなく、最後に少年は望むものを手にします。 「強さ」について考えさせられる作品としてヴィンランド・サガを連想したりもしますが、こちらも優れた作品です。 めちゃくちゃ可愛い小さな猫のものがたりこびとねこ 相原コージstarstarstarstarstarひさぴよ親指ほどの小さな小さな猫が自然の中でほのぼのと暮らす漫画。セリフのない4コマ漫画で、どこか絵本のような雰囲気が漂っている作品です。 小さい生き物ってやたらと可愛く見えてしまうものですが、元から可愛い生き物がちっこくなると、これはもう反則級のカワイさになります。 小さな目に映る世界は、不思議と広い世界にいるかのように感じて、たくさんの動植物と出会いがあり、読んでいて飽きません。大人だけでなく、小さな子どもが読んでも楽しめる作品ではないでしょうか。なによりも自由奔放に生きるねこの暮らしを眺めているだけで、誰もがほっこりとした気持ちになってしまうと思うのです。 補足:「ふたまん」というサイトで連載されていましたが今でも全話が公開されてます。試し読みするのにどうぞ。 https://futabanet.jp/list/futaman/tag/%E3%81%93%E3%81%B3%E3%81%A8%E3%81%AD%E3%81%93優しい気持ちになれるすみれファンファーレ 松島直子猫あるく優しさと大人のどうにもならない微妙な関係性を絶妙なバランスで描いていて、ポジティブに物語は進んでいきます。すみれちゃんの優しさに温かい気持ちになったり泣けたりできる素敵な作品です。webマンガ総選挙ランクイン!ダンピアのおいしい冒険 トマトスープさいろくwebマンガ総選挙で絵柄が独特で目を引いたこの子を読んでみた。 絵本のような穏やかな空気を持っているけど、主人公が乗っている船がやってることはプライベディア(仏語で言うとコルセア)つまり私掠船で、船を襲うのがお仕事なのでした。 主人公のダンピアがかわいいのがすごくポイントで、とろーんとした眠そうな目なのに色気があり、髪型と服装も相まってベルばらを想起させられた。 船団のメンバーも魅力的で、主要なメンバーは名前も出てくるので憶えていこうと思う。 2巻を待つ! クチコミ書いたのに消えちゃってたので何書いたか思い出しながら再投稿…二重になってたりしたらごめんなさい。 愛に触れた新装版 天帝少年 中村朝短編集 中村朝starstarstarstarstar干し芋この短編集を読んで、中村朝は、人との距離感を感じながら、最終的には、人間らしさの繋がり、絆を大切に考えている著者なんだろうなぁと感じた。 この短編に収められている作品全てに“愛”を感じる。 『流行り神プロトコル』が好き。「だがこれがいい」としかいえないな...闘神サイト 石山東吉マンガトリツカレ男よくわかんない設定や色々ツッコミどころがむちゃくちゃあるんだけど、「だがこれがいい」としかいえない。絵のタッチは師匠の車田正美に似ていて内容も車田正美っぽさを感じる。「包丁人味平」の白糸ばらしネタがあったり、仲間の四天王っぽいが登場するが最終決戦前に死んだので名前と顔がほとんど一致しなかったりしたが個人的には好きだな名作を超えてしまった漫画鉄道員/ラブ・レター ながやす巧 浅田次郎starstarstarstarstarひさぴよ浅田次郎の短編小説「鉄道員」「ラブ・レター」の2作品を、ながやす巧先生が漫画化して1冊にまとめた作品。 究極的に美しい表現、真に迫った人物描写により、原作や映画以上の感動があります。(小説版は良くも悪くも、いつもの浅田次郎節で読んでしまって、そこまでの感動はなかったのと、映画版はもちろん良い映画なのですが、高倉健さんの存在感が強すぎるのと、広末が苦手だったのでちょっと…) 巻末あとがきにて、浅田次郎氏から作品への惜しみない賞賛が送られており、「芸術観が覆った。神ですらこれほど美しい風景は容易に造れぬであろう。」と芸術性の高さを論じています。また、「後世に残るとすれば漫画作品の方であろう」とまで言わしめてしまうから凄い。そして後年、「壬生義士伝」でもタッグを組むことになります。 電子書籍になっていない為、読むなら手に入りやすい文庫本を買うのが良いですが、できることなら単行本サイズで読みたい作品です。 打ち切りは勿体無い幕末イグニッション 大間九郎 忠見周名無し※ネタバレを含むクチコミです。これ実際沖縄の人が読むと「わかる〜!」となるんですか沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる 空えぐみ名無しタイトルで聞きたいこと言ってしまったけど、実際現地民が読むとバイリンガルみたいに読めるんでしょうか! 気になります。 そのくらいもはや外国語の様な訛り方!(読書会でも言っておられましたが) 女の子は可愛いです、間違いない森下裕美作品でも名作中の名作だと思う大阪ハムレット 森下裕美starstarstarstarstarnyaeマンバのオンライン読書会をきっかけに久しぶり読みたくなって読みました。こんな名作がKindle Unlimitedで全巻読めるとかどうなってるんだ。何回でも読める。何回読んでも泣く。毎話、よくこんな話が描けるなと感心してしまう完成度の高さ。 アシベのようなギャグ調は封印してると言っていいと思います。ただ人間くさい可笑しさはたくさんある。 しかし、刊行時期が4巻と5巻の間が数年空いてるんですが、今回読み返してみたら実は5巻だけ読んでなかったことに気づきました。忘れてた。 ドキドキ ジリジリロッタレイン 松本剛名無し※ネタバレを含むクチコミです。乾いた心に染み込む瑞々しさうめ短編集 うめあわせ うめ野愛チクッとした痛みもあるけど心地よくて、今まさに体感しているようなシズル感もある作品集でした。 生温い水や乾いた風の温度まで伝わってきます。酸いも甘いも知った上に成り立つ瑞々しさ。重くないけど軽くもなくて、爽やかだけじゃない後味が残ります。 1番好きなお話は「青空ファインダーロック」です。 カメラマンである主人公が高校の同級生だったグラビアアイドルのレタッチをやるお話です。 青春って青春真っ只中にいるときに感じるものじゃなくて、過ぎ去った後の甘い痛みこそ青春なんだよな。なんて思いました。 過ぎ去った後の甘い痛みを感じてるこの瞬間も、後に青春だったなあなんて思うのかもしれません。屋上でのシーンの空の青さが印象的でした。カラーで描かれている訳じゃないのに。 「パラレル」は長嶋有さんの原作を読みたくなりました。全然違う印象になりそう。 とにかくどの作品も素晴らしいのでぜひ読んでほしいです!もしかしたらよつばとなんじゃないか極主夫道 おおのこうすけ名無し今更ながらに読みました。 極道×ヘルパー 極道×忍者 極道×医者 極道ものは面白い けど主夫か〜!と思って避けていたのですが読んだらめちゃくちゃハマってて面白い! なんですかこの極道と主夫のハマり様は! テンポもセリフも洗練されてる気がします。 今一冊読めるらしいのでぜひ ええ〜何このマンガ!帰らないおじさん 西村マリコ名無し読んでみたらタイトルそのままでした。 帰らないおじさんたち。 ちょっとどこか哀愁が… 呆活、シュールすぎる!底知れない虚無の表情コーポ・ア・コーポ 岩浪れんじ無用ノスケ子大阪のボロアパートを舞台にしたワケあり人間たちの日常を描いた作品。つい古き良き昭和の懐かしさを感じてしまいますが、それはそれとして新しい時代の貧乏下宿マンガとして読みました。最近は貧乏マンガを描く人は少ない中、ここまで飄々と生身の人間を描ける作者さんは稀有な存在だと思います。タバコを交換したがるおばちゃんとか、どの住人達にも生々しいリアルさを感じます。ふとした時の虚無の表情が何とも言えない奥深さがあって良い…。やはり人間の業の深さというものは虚無の表情からこそ見えてくるのだと思えるのです。広告デザインの現場戦うグラフィック。 西野杏hysyskかつて広告制作会社で働いていたこともあり、何となく雰囲気はわかる。オーソドックスなA案、少し変えたB案、大胆に変えたC案を出すのもよくやった。 短期間のプレゼンでクライアントの想定を超える物量のデザイン案を作ったりする、「一流の人はここまでやるんだ!」っていう部分がリアリティを持って描かれてるし、デザインは自己表現じゃない、という話も(割と今は認識されてる気もするけど)通俗的なイメージを更新するものだと思う。 自分が業界を離れたからか、最近はこんな感じの「強いアートディレクター」を見ない気がする。激務が当たり前の業界で、描きにくい部分もあると思うけど、ぜひとも切り込んで欲しい。 実践的なテクニックが詰め込まれてる素人ですが、デザインしてみました。 京田クリエーション 原あいみhysysk「なんとなく読みにくい」とか「うまく言い表せないけどださい」という事例の原因と解決策がまとまっていて参考になる。感覚やセンスじゃなくて論理的に教えてくれるので、練習すれば誰でも習得できるはず。 手を動かす前段階の、デザイナーはこんな風に考えて仕事をしてるんだっていうのも描かれてるので、デザイナーと仕事をする人にも読んで欲しい。何より大事なのは発注者がどうしたいかだから。 巷では「デザイン思考」が流行っているが、まずこういうのを読むのがいいのではないかな?街中で見かけるガタガタのものを「直したい!」と思う人が1人でも増えますように。本宮ひろ志マンガのすごいところを凝縮した感じドン<極道水滸伝> 本宮ひろ志starstarstarstarstarマンガトリツカレ男ドン<極道水滸伝>とあるが水滸伝に関係あるかと言われると難しい面もあるが個人的にはすごい好きなマンガではある。 主人公の伊達武吉は喧嘩は強い/頭もいい/何よりもカリスマ性もある。持ち前の能力を駆使することはせずに困った人を助ける時にしか使わない。その辺の人間性の惚れ込んで一癖も二癖もあるメンツが武吉のところに集まり、日本の極道を1つにまとめるためことを目標にした「播堂組」の室戸正一と争うことになる。巻数が少ないマンガで本宮ひろ志作品の面白さを知りたいなら俺はこれを勧めます。 <<375376377378379>>
天才のアイディアを盗作して売れっ子漫画家になってしまった男の話。天才への憧れと自分の才能の無さの葛藤が伝わってくるいい作品だった。構成も上手い。しかし絵のつたなさと「古ぼけたアパートのひと」というタイトルが普通すぎて読み飛ばしてしまう人も多いのではないかと心配になった。じっくり読むとオチにも納得する。読後感もいい。だからこそ勿体ないと思う部分がたくさんあった。