青年マンガの感想・レビュー15397件<<364365366367368>>どん底も道草であるみちくさ日記 道草晴子nyae思春期から30を過ぎるまで、あれほどにどん底ともいえる経験を経て、最後にあの結論に至れるの凄すぎる。でもたしかに校長先生に再会したときは、大きくぐるーーーーっとまわり道をして、やっと戻ってきた、という感じがしましたね。 続編「よりみち日記」を読むのが今から楽しみ。 働く男ってかっこいい…てだれもんら 中野シズカ大トロ働く男ってかっこいいですね。 好きなものを描いている、というかんじの漫画で素敵でした。なんとなく色気のある、そんな作品です。自分、カレーは好きで…今日もカレーですか? あづま笙子 藤川よつ葉大トロ自分、カレーは好きですが、カレーについて何も知らなかったんだなと思わされました。うんちく満載です。中村屋のカレー食べに行こうと思います。それでも恋は苦しいあそびあい 新田章野愛好きというのはただの感情であって、誰かを縛りつける理由にはならない。 とは思うものの、山下の心情を思うと胸が締め付けられる。 恋の重さも好きの重さも人それぞれで、山下の好きも小谷の好きも優劣がつけられるものではない。それでも、苦しくなる。 小谷は掴みどころがなくてふわふわしてるけれど、凄く現実的な女の子。 めんどくさいから休日でも制服で、特売のスーパーが好きで、気持ちいいセックスが好きで誰とでも寝る。なんとなく複雑な家庭環境を想像してしまうけれど、詳しくは描かれない。 山下はごく普通の純情な男の子。小谷に恋をして、セックスをして、小谷が誰とでも寝ることも知っていて、傷ついてもなお小谷に恋をしている。 好きな人とセックスできたらそれでいいじゃない、自分と過ごす時間を気に入ってくれていればそれでいいじゃないか。 って思わなくもないけど…山下には言えないな。 山下が想像する以上に小谷は山下のこと好きなんだと思うけど、それじゃ足りないんだよな。 先日、『気持ち悪いんだよ、死ね。』という漫画を読んだ。 純粋な好きとか純粋な恋愛は偉いのか?まるで正義のように振りかざしていいものなのか?そんなの気持ち悪いんだよ、というテーマの作品だった。 山下を見ていると胸が苦しくなる。でも、小谷の生き方だって間違いじゃない。 好きの純度も重さも人それぞれだから、誰のことも否定できない。 でもなあ、恋に落ちたら独占して執着して閉じ込めてしまいたくなるんだよなあ。 青春の甘い痛みだなあ。苦しいなあ。 心が揺すられる!ドナー法―ある臓器移植コーディネーターの記録― いなずまたかしstarstarstarstarstar干し芋近未来の日本。 15年前に新・臓器移植法(ドナー法)が成立した。 新しい法律は、全国民に死亡時に臓器提供を義務付けるというもの。 その法律に伴い臓器移植コーディネーターの立浪の関わった患者のお話。 立浪は、「臓器は、鮮度が命」と、悲しむ遺族にも容赦がない。 脳死状態なら7つの臓器が移植可能、命に関わるものは、6つ。 それによって救われる命があるためだ。 法律とはいえ、人の命と引き換えの臓器移植。 これからの日本にも近々こんな時代が来るだろうと思う。 立浪は、とてもプロフェショナル。シビアだが、奥底には愛が見える。 それぞれの、患者にそれぞれの人生が見える秀作。 立浪の雙眼の理由も後々触れられるだろう。超人気SF警察小説のコミカライズ機龍警察(読切) イナベカズ 月村了衛 フクダイクミ名無し実際の連載は月刊ヤングマガジンでやるみたいですけど、今週のヤンマガにひと足お先に読切りが掲載されました。 たぶん、原作を全く知らないとなにが起こってるのはほとんどわからない。けど、機甲兵装を「きもの」と呼ぶところとか、いかにもエリートの集まりという感じの特捜部が警察と仲悪いところとか、面白い要素が詰まってそう。 この一番奥に立ってる羽が生えてるロボットみたいなやつかっこいいかわいいより適切な言葉が見つからない夢中さ、きみに。 和山やま野愛わたしもドラマ化決定のニュースを見てまた読んでみました。 やっぱり面白いなあ。 林くんの奇行が面白いのだけれど、何かをしてやろうとか誰かを笑わせようとかそういうわけではなく、そうするべきだと思ったからそうした的な迷いのなさがやっぱり面白い。かわいい。 面白くて意味わかんなくて気になってしまう、別に恋とか萌えとかそういうのじゃない感情を適切にあらわす言葉が見つからないので、かわいいでいいんだと思います。 階段数えたあとの迷いのない目が好き。 ドラマの林くん役はかわいいの具現化みたいなアイドルサイボーグみたいなお方なので驚きましたが、浮世離れした感じは合ってるかもしれない…と期待が高まってます。 どうしようもなく憎くて愛しい謎の女ばるぼら 手塚治虫nyae作家・美倉が、酒に溺れた浮浪者・ばるぼらを道端で拾うところから物語が始まり、同時に美倉の人生が破滅へ向かうスタートが切られます。売れっ子小説家であるがゆえに様々なしがらみに囚われた生活を送っている美倉に対しばるぼらは、人の金を使って酒をあおり、機嫌を損ねれば別の男のところへ去り、行くところがなくなればふらっと美倉の元へ戻る、の繰り返しという気まぐれな生き方。 そんな傍若無人なばるぼらに振り回されて少しずつ人生の歯車が狂っていくのに、ばるぼらがそばにいないと何もできなくなる美倉。これは恋なのか、愛なのか、すべては毒に冒されて見たただの幻なのか…? ばるぼらの正体が魔女だと美倉が言い張るエピソードもあり、魔法は使えないけど、魔力はあるんじゃないかと思わせる意味では本当に魔女なのかもしれません。 ばるぼらに謎の魅力があるのも事実ですが、美倉が底抜けのお人好しなんだろうというのも読んでいて常に思うところでした。出会ってはいけないふたりだったんだと思います。 映画は特に見るつもりはなかったけど、読んでみると、これが実写映像化されるということに非常に興味深くなりました。騙されやすい人は読むといい鉄民 菅原敬太hysysk※ネタバレを含むクチコミです。「マスクしろや!!」は笑った愛と至誠 畳ゆか名無し※ネタバレを含むクチコミです。 白と黒のコントラストがとにかく美しいコーヒームーン 牡丹もちと名無しバナー広告押したら3話まで読めたので2巻まで買った。絵がお洒落で世界観に雰囲気が漂いまくってる素晴らしいループものだった https://sample-books.kadokawa.co.jp/00/322003000691/月スピでも薬剤師漫画が始まったな処方箋上のアリア 三浦えりか名無しちょうどアンサングシンデレラのドラマ見ているので「おっ」と思って読みました。こちらの舞台は処方箋受付をしている薬局。病院にかかった際に行く人がほとんどな場所ではないでしょうか。 まず登場人物が癖が強い。高圧的な主人公薬剤師・麻生と、ちょっとアホな新人薬剤師・愛莉。しかしその麻生の観察眼と処方箋を盲信しない疑い深さが患者の隠れた苦悩を取り除くきっかけになるようです。「薬局っつうのは処方箋がなくても来ていい場所だ。」という麻生の言葉にすこしハッとしました。(とはいえ何でもかんでも相談しに薬局に押しかけたりしたら迷惑がられそう…と思ってしまうが)中原裕の新連載! 30代となった高校バンドメンバーの再結集し…!?テルカンボーイズ 中原裕名無し※ネタバレを含むクチコミです。 突飛な設定が違和感なく染み込みます。カラオケ行こ! 和山やまstarstarstarstarstar干し芋和山やま先生の作品はやっぱり好き♬ 突飛な設定で独特の世界観が展開されるけど、置いて行かれることなく何となく自然に染み込んでくる。 絶対音感を持っている組長とのカラオケ大会で一番歌の下手な人が、組長の趣味であるが下手っぴな手彫りの刺青を入れられるって・・・。 ヤクザが、中学生の合唱コンクールに出向いて歌のコーチを探しに行くって・・・。 そして、ふたりの友情が芽生え始めるって・・・。 見どころ満載で面白いです。「不気味の谷」という現象谷の向こうの吉沢 中野美八名無し無知なもんで「不気味の谷」と呼ばれる現象のことをこれを読むまで知らずにおりました。 たしかに現実に、人間に限りなく近い動作をするロボットがいたら、「怖い」「気味が悪い」と思うだろう。創作物ではしばしばなかったことにされるけど、この読切はまさにその現象を取り上げてそれによる周囲の人間の反応を描いてます。 自分はどちら側だろうと考えると間違いなく気味悪がりながらも面白がってしまう方なんだけど、人間みたいなロボットに対してリアルな友達と同じような感情を持ってしまう人間鈴木くんと、ロボット吉沢くんとの関係性はなんか羨ましく感じました。女子高生達の無人島サバイバルソウナンですか? 岡本健太郎 さがら梨々カナタ修学旅行中の女子高生四人組が乗っていた旅客機が墜落し、無人島でのサバイバルを強いられる、というお話。コメディやお色気要素も織り交ぜながら、 サバイバルの豆知識が楽しく学べる漫画です。 完全版じゃない方から読んでみるクリームソーダシティ 長尾謙一郎名無し「ここで終わったのか…」を味わってみたかったので、クリームソーダシティ 完全版ではなく普通の単行本の方を読んでみた。なるほど皇先輩がラフォーレの屋上から飛び降りて、TACO介がクリームソーダシティを思い出すところで終わるのか。偶然だと思うけど割とキリがいいところではある気がする。漫画ってぶつ切りみたいな終わり方がよくあるから、自分はこれで終わりですって言われたら受け入れちゃうかも。作者の方が消化不良だろうな。読んでて過激っぽいセリフがあるとハラハラしてしまって、我ながら不健全な楽しみ方だなと思った。やっぱり完全版の方がなんとなく安心して読めるから、そっちを読んだ方がいいね。内臓までエンターテイメントにできる天才腸よ鼻よ 島袋全優野愛世界一面白い闘病漫画ここにあり。 漫画家を目指すうら若き女の子に突然訪れた悲劇、なんだけど読んだら絶対笑う死ぬほど面白い漫画です。 漫画を描いては入院し手術し、退院して漫画を描いては入院し…という楽しくないはずの日常をひたすら楽しく見せてくれます。 クソな医者にあたったことも、駅のトイレ使っただけで感染症になったことも、成人式行けなかったことも全部全部笑いにするんだから全くん(お姉さんの呼び方で呼びたい)すげえな!かっけえな!ってなります。 全くんがストーマの袋たっぷんたっぷんにしながらプロレス観戦して一緒に写真撮ったスーパーマンタロウの中の人より元気に生きてるもんな。マンタロウの中の人は最近病んでてちょっと心配。嫁かわいいのにな。 いちばん笑ったエピソードは美容師にリーゼントにされて海に行った話なので病気あんまり関係ないですね。 腸があろうとなかろうとこの人は世に出ていただろうという面白さ。自分の内臓までエンターテイメントにできる人間なんてなかなかいないよ、天才としか言いようがない。 ガンマと言えば腸よ鼻よとはずネジが二大巨頭よね。異論は認めません!「田舎暮らし編」を読んでみた今日もいい天気 山本おさむ名無し山本おさむ先生が都会暮らしに疲れてしまい(鉄腕DASHに憧れて…とも描いてあった)、奥さんのご両親の地元である福島県の田舎で暮らしを始めたことを描いたエッセイ漫画です。私が読んだ「田舎暮らし編」では、田舎で暮らし始めた一年目の出来事がまとめられているのですが、途中から奥さんの両親と同居したり、芝犬のコタを飼い始めたり、夏子の酒の尾瀬あきら先生も近所に家を借りたり、たった一年間の出来事とは思えない充実っぷりだな〜と思いました。 元陸軍上等兵のお義父さんがとても気難しそうで、同居したらトラブルが起きないか心配だったのですが、実はこのお義父さんがとてもよく出来た人なんですよ。お義父さんの意向で生前に建てたお墓の話には感動しました。 祝実写化、というわけで振り返る夢中さ、きみに。 和山やまさいろく振り返って読んだが、これは確かに何回も読んでも良い作品だった。 2回目も十分に楽しめました。 私は小松くん(中3)と目高くんが好きです。 実写化では林が主役のようだけど、話ごとに〆がある作品だしどうするのかな?というのは気になる。 全部やるなら二階堂誰がやるんだろう。関西弁が心地よい中学生×ヤクザの不思議な話カラオケ行こ! 和山やまさいろく狂児さんクールでええなぁ 次カラオケ行ったら紅歌おう思っててん さとみくんはヤクザの前でもよう喋れるやん、指見たら卒倒するわ あと組長半端ないです。ペコロスの母に会いに行ったペコロスの母に会いに行く 岡野雄一影絵が趣味森崎東の追悼特集に通っている日々であります。森崎東というのは『ペコロスの母に会いに行く』を遺作にして亡くなった映画監督で、彼の撮る映画、これがまたとんでもない! 館内は幕開けから幕下りまで老若男女の笑い声に包まれるんですけど、これがしだいに笑い声と咽び泣きとが入り混じるようになる。みんなあんなに大笑いしていたのに、幕が下りて明るくなると、みんなくしゃくしゃに泣き崩れた顔を覆いながらそそくさと館をあとにするんですね。人前で泣くのは恥ずかしいですから、ピンと気合いを入れて嗚咽しそうになるのを抑えているんですけど、溢れた涙がどんどん顔をつたっていく。こんなご時世ですからマスクが涙でびしょ濡れになって、呼吸をするごとにぴたぴたと顔にひっついてきて堪ったもんじゃありません。 今回の特集は22タイトルもあり、その中には当然遺作のペコロスも入っているんですけど、まあ、22タイトルもありますから、ペコロスは公開時にも観に行っているし、ソフト化もされているから今回は観なくていいだろうと思っていたんです。 ところが、ある夜、感慨に耽りながら家に帰ってきて、名残り惜しさにユーチューブで予告編なんかを観ようとするわけですけど、森崎東の映画はほとんどがソフト化されていませんからユーチューブにも動画がほとんどないわけです。それで致し方なくペコロスの予告編をうっかり観てしまったのが時の運、館内で涙を堪えていた分、色んなものが一気に溢れでてしまって、もう嗚咽が止まらくて止まらなくてどうしましょう! そのときペコロスさんは黒い帽子を被っているんですけど、呆けたお母さんは息子を悪い人だと勘違いする。それでペコロスさんが帽子をとってハゲた頭をお母さんに見せつける。そのハゲ頭でお母さんは息子のことを認識してベタベタとハゲ頭を撫でまわす。笑えるんですけど、なんか同時に涙が止まらなくなるんです。この予告編にやられてしまって本編も観に行くことに決めたというわけです。 平日の最終回でしたから、観客はそんなに多くなくて、たぶん30人くらい。でも、主にハゲネタを中心に30人がずっと笑いっぱなしで、しかも、じぶんの座席から見えるほかのお客さんの半分くらいの後頭部が同じようにハゲあがっていて、それがとても愛おしいんです。 映画の時間が進むにつれて、お母さんの呆けも進行する。ついにはハゲ頭を見せてもペコロスさんは自分のことを息子と認識してもらえなくなる。また知らない人が来たといって暴れるんです。そのとき鎮静剤で眠ったお母さんの姿を、ペコロスさんはあの丸みのある愛らしいペンタッチで描いていく。このあたりから涙事情は相当にやばいわけです。お母さんの部屋の壁にペコロスさんのお母さんの絵がだんだん増えていく。よく撮られていたのは「母ちゃんいつもありがとう! 忘れてもよかけん、ずっと元気で!」という言葉の添えられたお母さんがピースしている絵。もうマスクが顔にぴたぴたひっついてきて堪ったもんじゃありません。 この時点ではお母さんを演じている赤木春恵とペコロスさんの絵がじつはそんなに似ていないことは特に気にもしなかったんですが、泣き腫らしながら迎えたエンドロールで、なんと、もうひと仕掛けある。撮影を見学に来られた実際のペコロスさんとお母さんのオフショットがエンドロールの脇の小さな画面に流れているんです。そのお母さんの顔がペコロスさんの描くお母さんにそっくりなんです! ただでさえもうお釣りがくるほど涙が流れているのに、そのことに気づいたときには着ていた服の衿口に顔を隠しましたよね。 タイトル通りで恐れ入る読切気持ち悪いんだよ、死ね。 左津衣かおるたかこの読切が言いたいことはただ1つ。「(恋とか)気持ち悪いんだよ、死ね」ということ。 めちゃくちゃシンプルな主張を、回りくどい表現なしのどストレートで描いているので、読み終わるのが超早かった。 あまりに早く読みすぎたので、結局3周くらい読み直した。 何度読んでもタイトル通りで感心してしまう! セフレがいる主人公にとっては、謎の男らしさに溢れたキモいLINEのメッセージを送ってくるマイルドヤンキーも、学校で何度も告白してくる男子(しかもナチュラルにセフレがいることを見下している)も、等しく「ピュアな恋愛を押し付けてくる」キラキラクソ野郎。 「ピュアなら偉くて何をしても良いのか?」、「お前の恋愛のスタンスを押し付けてくんじゃねーよ」という熱い気持ちに満ちた、勢いのある読切でした。 漫画アクションNo.6(2019.3.5発売)掲載 雑誌のアオリすごい好き一貫していて気持ちがいい気持ち悪いんだよ、死ね。 左津衣かおる野愛タイトル通りの一貫した主張が、タイトルに反してめちゃくちゃ気持ちいい。 純粋であれば、真っ直ぐであれば、正直であれば、すべて正しいなんて確かに傲慢だ。 好きという言葉も、付き合うとか恋人とかいうカテゴライズも相手を縛りつけるエゴなのかもしれない。 正義の顔して人を支配できるから恋っていいよね、ってわたしは思いました。<<364365366367368>>
思春期から30を過ぎるまで、あれほどにどん底ともいえる経験を経て、最後にあの結論に至れるの凄すぎる。でもたしかに校長先生に再会したときは、大きくぐるーーーーっとまわり道をして、やっと戻ってきた、という感じがしましたね。 続編「よりみち日記」を読むのが今から楽しみ。