エッグベネディクト

やさしさと笑いでほっこり癒されました #読切応援

エッグベネディクト 都会
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

可愛らしいキャラたちの優しさにあふれる言動やふふっと笑ってしまう状況にほっこり愛おしい気持ちになった読切です。 オチもよかったです! 朝、学校に行ってない少女のもとへ同級生の男子がやってきて、今日の給食が「エッグベネディクト」であることを告げ、登校していきます。 そこから「エッグベネディクト」を知らない少女は、それは一体どういうものだろうと考え、お母さんに聞いたり、辞書で調べたりして、空想を膨らませ…。 『なかよし×コミチショート漫画大賞』大賞作品に輝いた都会先生の『エッグベネディクト』はこちらから読めます。 https://comici.jp/articles/o/50328/ こんな賞があったことを知らなかったです。 https://comici.jp/articles/amp/56336/ これを読んだとき、実は自分自身も「エッグベネディクト」の名称は知ってるけど、食べたことないのでいまいちどういうものなのか分からない状態で読んでいたので、主人公の気持ちに非常に近いところから読んで一緒に楽しむことができました。 なんか、卵を使ったおしゃれな料理でしょ?っていう。 一緒に考えてたんですが、それでもやっぱり小学生の自由さには適わないなって気持ちになりましたし、笑っちゃいました! お母さんもいいし、友達もいいし、大好きな漫画になりました。 この漫画の読者層のターゲットって「なかよし」の賞なので小中学生の女子だと思うんですが、見事に目線をそこに合わせてて言葉選びとかのちょうどよさもすごいなって思いました。 「不登校」とか「引きこもり」っていう言葉を使っていないのが本当にありがたいなって思いました。 都会先生本人の様々な経験があってこそなんでしょうね。 いろいろあって学校に行ってないことってそこそこ重要なことだと思うんですけど、冒頭でさらっと触れてからは特に重く描いてないのがいいんですよね。 登場人物の誰もがそれを特別なこと、いけないこととして扱ってない。 同級生の少年もただ学校に来てほしいなってやさしさだけ。 ほんとやさしいなー。癒されました。 そしてそのやさしさの中に異様な姿で浮かぶ「エッグベネディクト」の図ですよね。最高でした。 こういうやさしさの中に少しの毒や異物感みたいなものがあると際立って面白いので大好きです。 全体的にいつなのか年代の分からなさもいいなーって思いました。 これで連載してほしい。

パタリロ!

小気味良くて耽美でほんの少しシリアス……これは名作だわ

パタリロ! 魔夜峰央
たか
たか

初めて読んだ魔夜峰央作品。想像してたより全く癖がないうえに、「昔の作品だからそういうとこあるよね…」という忖度を全く必要としない、リアルガチで今読んでも本当に面白い漫画ですごい。 パタリロがボケを重ねまくりそれにバンコランが律儀に突っ込むという軽妙なテンポが最高に心地いい……!しかもそのボケが超シンプルでくだらないとこがまた緩くて好き。 地味にびっくりしたのがロンドンからストーリーが始まるところ。そんなお洒落でグローバルな場所で物語が繰り広げられていたとは知らなかった。 あとソッコーで人死にが出るとこ。ループ日常系ギャグかと思ったらそうじゃないのか……。 そしてなにより、美少年殺し・バンコランとその周りの美少年たちの絡みという、本来強烈なボケに当たる部分に一切突っ込みが入らずスルーされてるところが、逆にメチャクチャ今っぽいな〜と思った。他人の性的指向にあえて触れる必要もないしそこをわざわざ弄る必要もないという意味でも、「ボケに突っ込まずボケを重ねていく」という笑いのスタイル的な意味でも今っぽくてスルスル読める。 ほんと読めば読むほど、パタリロ陛下の可愛らしいご尊顔としょーもないボケが癖になるしメッチャ癒される!名作です。 (▽1巻より。陛下のプレシャスなボケ)

今宵、グランディール神殿で夕食を

小学生男子2人の自炊withマンションのご近所さん

今宵、グランディール神殿で夕食を 林らいす
たか
たか

Pixiv漫画でいつのまにかフォローしてたやつ(いつフォローしたのか全然覚えてない)があって気になって読んでみたら最高だった。ありがとういつかの私……! 母子家庭の一郎太は料理を作るのが大好きな小学6年生。お隣のおっさん家で勝手にパスタを作って一緒につくって晩ごはんを食べる…という驚異のコミュ力でたくましく生きている。 そんなある日、グランディール新田に新しく父子家庭が越してきてそこの子・和と一緒にご飯を作るようになるというお話。 私が通ってた高校の隣の駅が「〇〇新田」で、よく「『〇〇神殿』だったら名前超ウケるな〜」としょうもない考えてたのでこの作品のネーミングにはすごく共感してしまいました。 大胆な一郎太と料理初心者で慎重な和というコンビは見ててニッコリしてしまう。 絵の描き込みが素敵でご飯が本当に美味しそう!そのご飯というのが、一郎太の豪快で大胆な性格を反映した分量や切り方や時間気にしない、気楽にテキトーに作るご飯なのがまたいい。土井善晴2世……! マンションの住人たちがみんな個性的で、奔放に生きてるアンナちゃんとお姉様のカップルが特に好きです。 2019年から連載しているようですが単行本の発売はまだみたいで残念。早く売ってくれ〜!