マグナムリリィ

見せてあげるよ! 恋より熱いもの!! #1巻応援

マグナムリリィ 阿部伶
たか
たか

2017年よりマガポケで連載されをPingaで楽しみに読んでましたが、2018年に療養のため長期休載。その後どうなったか経過を全く存じ上げなかったのですが、2020年2月に再開するも全9回で打ち切りとなり、同人で自費出版という形で第1巻が刊行されたのがこちらの単行本だそうです。 https://twitter.com/ReiAbe_/status/1396020306041446403?s=20 久しぶりに読みましたが、阿部伶先生の作画&女の子達の「可愛さカッコよさ熱さのバランス」が絶妙でやっぱり最高ですね…!! 百合とウィンディの出会いが萌えではなく「燃え」に溢れてて本当にカッコいい…。 1巻には4話まで収録され、残りは阿部先生のPixivで公開されています。 https://twitter.com/ReiAbe_/status/1401051326037909509?s=20 4話からの5話よ……!こういう女の子同士の気持ちいい関係、意外とあんまりなくてたまらないです。好き…。 10話の最後の「プロテインだ!」も熱い…。 自分好みのこんな良い百合を見せていただいて……本当に感謝しかありません。今度こそ売れてくれ〜〜😭 (余談) そう言えば「マグナムリリィ」でググったらサジェストに「遊戯王」と出てきて不思議だったんですけど、あらためて百合ちゃんのまつげ見ると完全に遊☆戯☆王ですね。ジャン神といい、明らかに遊戯王に影響を受けた力強いまつげ、いい……!

ニーナはパパを暗殺したい

暗殺者とそのターゲットが「家族」になる物語 #1巻応援

ニーナはパパを暗殺したい 島崎無印 キトラ
sogor25
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内務省直轄機関の特殊工作員である高橋怜司は、突入したマフィアのアジトで1人取り残された少女・ニーナを発見します。 彼女はマフィアにより暗殺マシーンとして育てられていた上に「最初に自分を発見した者を殺せ」という暗示を受けており、「最初の発見者」である怜司を殺そうとします。 腕利きの工作員である怜司にとってニーナをあしらうのは容易いのですが、怜司が彼女のターゲットとなっていることから、逆に上司から「ニーナを監視するために一緒に暮らす」ことを命じられます。 という導入から始まるので、設定だけ見ると殺伐としているのですが、実際は一緒に暮らし始めた怜司とニーナが徐々に関係性を深めてゆき「家族」になっていく様子を描く作品です。 暗示により無意識に怜司を殺そうとするニーナと、そんなニーナを御しつつ 無理に暗示を解いて彼女の精神に影響を与えないよう丁寧に「普通の生活」を教え込もうとする怜司の生活は、 見ようによってはじゃれ合っている親子のようにも見えてきます。 また、途中から怜司の同僚である美緒が補佐として2人の生活に関わるようになり、本当の親子3人の日常のように見える場面が増えてきます。 一応"暗殺者とそのターゲット"という関係なのに、気づいたらちゃんと親子のような関係性を築いている、設定に反してとても心温まるホームコメディのような作品です。 1巻まで読了

カラーメイル―The story of colorful adventure!

藤原カムイの実験作でも色々と凄まじい

カラーメイル―The story of colorful adventure! 藤原カムイ
名無し

なにがって?金の掛かり方と挑戦心だ。 藤原カムイ氏の代表作はロトの紋章が有名だが、どちらかというとエンタメ性より実験性の高い作品を多く描いている漫画家で、この作品はおそらくその実験性と挑戦心で言えば氏の作品の中でも相当に高い作品であろう。 ストーリーを言えば、平和に暮らしていた姉妹の世界に謎の勢力が襲来して、世界から「色」が失われ灰色になり、人々は石となってしまい、妹も攫われてしまうのだが、なぜか平気な主人公と人の姿になった動物たちと一緒に7色の精霊たちを開放して、世界に「色」を取り戻そうという物。 どちらかというと童話的で、低年齢向けのシンプルなストーリーなのだが、なんとこの「色」本当に紙面で表現されているのである。 冒頭の数ページはカラーだが、序盤に色が失われると全編カラー印刷なのに白黒の紙面となり、赤の精霊を開放すると紙面に赤色が追加され、ストーリーが進む毎に色が増えていき、とにかく金も掛かれば手間もかかってそうな紙面。 描く方も描く方だが、描かせてくれる方も凄い作品である。 連載当時はインターネット黎明期でweb漫画なども個人サイトでは存在していたが、ココまで「色」を打ち出した作品は寡聞にして知らないが、れっきとした商業紙連載作品でのこれは相当な挑戦心を感じる。 先述したようにストーリー自体は童話的なギャグありの冒険ものだが、とにかくこの紙面の鮮やかさは素晴らしい。 しかしやはり全編カラーはモロに価格に跳ね返っており、1巻完結で2000円近い価格と、当時でも相当な値段の作品であった。 内容的には子供に読んで欲しいのだが、大人じゃないと手が出ない価格というのはやはり厳しかったらしく、当時でも部数は少なかったと聞くがさもありなん。 今現在は電子書籍やweb連載などでこの手の試みもやれるかもしれないが、その先駆性と実験性はやはり藤原カムイの作家性が存分に生かされている。 電子限定等でも復刊して欲しい作品である。

寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。

3ヶ月の余命で変わっていく男の人生

寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。 田口囁一 三秋縋 E9L
ANAGUMA
ANAGUMA

人生に疲れた男が寿命を買い取ってくれるという謎のお店で手にしたのは、残りの人生の価値をもとに査定された30万円。手元に残した余命3ヶ月をミヤギという監視員の女性とともに過ごすことに。 世にも奇妙な物語のような設定と、終始漂う退廃的な雰囲気が特徴の作品です。「余命モノ」という言い方はよくないかもですが、あまりピンとこなかったジャンルだったのに、本作には完全に心奪われてしまいました…。 始めの頃は主人公クスノキの鬱々とした暗い性格や振る舞いを冷めた目で見てしまうかもしれませんが、3ヶ月という限られた人生の中で彼は徐々に変わっていきます。そのキッカケはやはり隣りにいるミヤギ。 ただ見守るだけだった彼女の存在が物語とクスノキの人生に少しずつ光を当て始めてからは、残りページを読み終わってしまうのがもったいないような切ない気持ちになります。作品の中に滞在してるのが心地いい感じというか。 私小説的な語り口で、どことなく閉じた世界観。人を選ぶような気はしますが、なにか行き詰まりを感じてる方に読んでほしいかも。ほんの少しかもしれませんが、読む前より前向きな気持ちになれるはずです。