染盛はまだか

ビル窓ガラス清掃の仕事を通じた人間ドラマ!

染盛はまだか 清田聡
ひさぴよ
ひさぴよ

昔の学生時代に求人誌を見て、ビルの窓ガラス清掃ってなんとなく楽しそうだなぁと思ってアルバイトに応募しようとしたことがあったけど、高い所の景色が好きだということと、高所で作業することは全く別次元の話だと気付いて結局やらなかった。それでもいつかはビル窓拭きの仕事やってみたいなあと思っていて、今でも高所で作業する人たちにはどことなく憧れを抱いている。 さてこの漫画、90年代に見られるモーニングのお仕事マンガの一つだが窓を拭くだけの地味な漫画と思うなかれ。高所からの構図が半端なく上手く、ザイル、ブランコ、ゴンドラといった道具設備がやたらとリアルに描かれ、高所作業の臨場感といったら凄い。そこに加えてやさぐれた男たちの人間ドラマが展開されるのだから、面白くないわけがない。 主人公は夢を諦めかけているミュージシャン染盛(そめもり)という男。社員ではなくアルバイトという身ながら、現場のトラブルに怒りながら対応し、この危険と隣り合わせの仕事を意地とプライドだけでこなしている。同僚もヤンチャな奴が多くて、すぐ殴りかかってくる奴、薬をキメて現場に来る奴などさまざま。途中、漫画の展開が売れないミュージシャン漫画みたいに変わるが、主人公が大量の葉っぱを一気に吸ってガンギマリになる絵面が衝撃的なのでそこも見所の一つ。 ラストはグッとくる話だが、単行本だけで読み進めると唐突に「川室」という男が突然登場するので?となると思う。 「染盛はまだか 単行本未収録作品集」(2)を読んでおくと、最後に登場する「川室」のくだりが分かりやすくなるんで一緒に読むべし。 ちなみに未収録作品集は各巻110円。 (できれば一冊にまとめてほしかった) https://manba.co.jp/boards/134900 時代を映したガテン系仕事漫画の良作につき、おすすめです。

ミス・リトルグレイ

よくわからんけど絵はかわいい

ミス・リトルグレイ 穂高汐
名無し

お洒落なタイトルだな〜と読み始めたら中身はバリバリ「異世界転生(女性向け)」テンプレでびっくりした。 それでなんか思ってたのと違うし2話以降1回のページ数少ないし物足りないしで、いったんは読むのをやめたのですが、あらためて11話までまとめて読んでみました。 が、やっぱよくわかなんなかったです。 貴族とか寄宿学校とかギャグとか、魅力的な要素は入ってるのに全部イマイチ中途半端な感じ。 ある意味マッシュルもテンプレというか露骨にハリ○タパロだけどきっちりギャグに特化して振り切ってて、マッシュのあのジワジワくるローテンションと脳筋ムーブが面白いから楽しく読める。 けどこっちは何が魅力でどこに着目すべきなのかぼやけてる感じ(ちょいちょい出てくる漫画ネタとかネットミームは面白いけ) あと主人公に「大往生したい」という漠然とした目標以外に物語の目的がないうえに、話がふわっとぬるっと進んでくのが特に苦手。 「そういやなんで今こうなってんだ…?」と思い返してもまった頭になにも残ってない。 わざわざジャンプ+でやるからには、普通の女性向け異世界転生とは一味違う捻りの効いた展開になるはずなので見守りたいなと思います。 https://twitter.com/shio_hodaka/status/1411702338767622148?s=20

きみとピコピコ

非実在オタクに優しくてゲーム大好きなギャル #1巻応援

きみとピコピコ ゆずチリ
兎来栄寿
兎来栄寿

男性は基本的に家族や恋人など相手に関わらず連絡を取りたがらないが、一緒にゲームをプレイするための連絡であれば話は別であるというツイートがバズっていました。百理あると思います。 しかもその相手がレトロゲームも含めてゲーム大好きのオタクに優しいギャルとあっては、抗える男子はいないのではないでしょうか。 本作は、ゲーム部を舞台としたラブコメ作品となっています。とにかく、ヒロインのギャルである鬼咲アゲハちゃんが非常にアクティブかつ健康的で魅力的です。そう、健康的なのです。はなまる大幼稚園児ぐらい健康はなまる優良児です。 『ぷよぷよ』や『Pop′nツインビー』などは実名で出てきつつ、『どうぶつの街』や『Code of Dandy』など版権の関係で実名は出せないであろう有名作品も多々登場。好きな子と『Pop′nツインビー』の協力プレイとか誰もが憧れたシチュエーションですね。 また、サブキャラである先輩の倉屋敷鶴さんもとてもとても可愛く、ラブがコメる要素も豊富に含有しています。 『ハイスコアガール』であれだけ羨ましい話を描いていた押切蓮介さんをして「(羨まし過ぎて)舌を噛みきりたくなってきたぜ!」と言わしめるこうかばつぐんの破壊力。ご堪能あれ。

ゼロイン

こういうのでいいんだよ #完結応援

ゼロイン いのうえ空
ANAGUMA
ANAGUMA

ガン=カタが嫌いな人って世界にいるんですかね、いないとおもうんですけど…。そんなわけで映画『リベリオン』の興収成績は置いておくとしてもこのマンガは極論全世界の人がハマっておかしくない作品なわけです。わたしはそうおもいます。 https://youtu.be/LqQJOr4Rx5k 本作の舞台は凶悪犯罪が増加した日本で、警察業務は「民警」と呼ばれる民間業者に委託されるようになっています。PMCみたいな感じ。 女子高生爲妹みくるはコマンド・ゼロ(コっ…コマンド・ゼロ…!!)と呼ばれる射撃を用いた近接格闘術を修めた民警のエージェントで、同級生の主人公白石光は彼女に命を救われて…という前置きはほどほどに。 「日本を舞台に銃を撃ちまくる美少女たちのガンアクションが出来るぞ!!」というのが本作の勘所。こまけぇこたぁいいんだよ! 銃器や車、バイクのリアルかつ画面映えするアクション、緻密な背景描写とスピード感ある格闘シーンなど画面のカロリーがとにかく高くて「今俺はいいアクション漫画を読んでいる…」という充実感が味わえます。 民警をめぐる人間模様もボリュームがあって海外の警察ドラマみたいな雰囲気が漂ってるのが好き。いのうえ先生のキャラ皆かわいいです。 ゼロ距離ガンアクションが読みたければこれです!!

Theかぼちゃワイン

完璧な「男のツンデレ」と大天使エルちゃん!【1巻の感想】

Theかぼちゃワイン 三浦みつる
たか
たか

いつか読みたいと思っていた身長差ラブコメの名作『Theかぼちゃワイン』。1話を読んでまず思ったのが、春助のツンデレが完璧すぎるということ…! 「思春期特有の恥ずかしさから毎回エルちゃんからの厚意を無碍にするけど、本当にエルちゃんを傷つけてしまう前に手のひらを返して素直になる」という絶妙なバランス感覚が見事。 ツンデレキャラは下手したら「はあ?何だこいつマジ何様だよ…」となってしまいがちだけど、全く読んでいて嫌な気持ちにならなかったのがすごい。 春助がまだまだ女子になびくのはダサいと思っているお子様であり(=情状酌量の余地がある)、エルちゃんが太平洋より広い包容力を持っている(=そう簡単に傷つかない)おかげで安心して見ていられるのかも。 とにかくエルちゃんがビジュアル的、内面的に最高すぎて読みながらずっと心のなかで「バブゥ〜〜〜〜」と唱えていました。エルちゃそ〜〜〜〜!! 世界一かわいいよ! あっという間に1巻読み終わってしまって続きがメチャクチャ気になる。 ▼以下、1巻で面白かった&好きだったとこ ・開幕早々「サンシャイン学園」というネーミングで何故かツボって笑ってしまった ・超古典的ツンデレセリフをマジのガチで言ってて感動 >「い いいか 勘違いすんなよ! 別にお前が心配だから きたんじゃねえぞ」 ・かっこいいで喩えに出てくる芸能人が小林旭なの流石に古い ・ズタズタになったマフラーを見て何も言わずに静かに傷つくエルちゃん。しかし春助が喧嘩したとわかるやいなやソッコーで怪我の心配をする…あまりにも大天使 ・自分史上、笹寿司以来の最高の敵役・テッキン。シンプルかつどストレートに嫌なヤツで好きすぎる!! ・お勉強も得意なエルちゃそ素敵すぎる…… ・テスト撒くとこで「女王の教室じゃん!!」と興奮してしまった ・ネクタイで生徒とチェーンデスマッチするテッキンさん最高の極み ・「レッツゴー♡ ファイトファイト♡」と、あるはずのないハートが見えてしまいそうなぐらいかわいいエルちゃその応援たまらん… ・テッキン、カスみたいな教師のくせに発育の良い女子生徒のパンチラをみたくてしょうがないところも最高にクソで愛せる ・団長といいテッキンといい負けたら潔いとこがすごくいい ・ボンネットとフロントガラス破壊されて「ジワア」ってなってるテッキンの顔良すぎる ・電話で中学生の息子に「愛してるわよ!」と言う母と、そんな母からの頼み事をしぶしぶ聞く息子という関係があまりにも理想的すぎる。こういう家庭環境からも春助は素直じゃないだけで性根はいい子だというのが伝わってきて好き ・容姿差別と地方差別のWパンチみたいなキャラが出てきて時代を感じた ・パンツ履いてるときはパンチラさせるけどノーパンのときは一切見せないという倫理観好き。普通にドキドキしました ・「学寮祭」の扉絵に描かれたのはゴジラなのかTレックスなのか… (▼『Theかぼちゃワイン』三浦みつる 1巻より。最の高)