七浜高校水族館部で出会った小雪と小夏。かつて、ふたりを繋いだ『山椒魚』は変わりゆく日々の中でも小雪と小夏にとって確かに変わらない特別なものになっていた。小雪の卒業が少しずつ近づく秋、七浜高校で文化祭が開催される。互いの想いを答え合わせするかのように、小夏は最後の疑問を確かめるべく、もう一度勇気を振り絞る。ふたりの物語はそれぞれの未来へと歩み始め、そして――。大ヒット、ガールズシップ・ストーリーがついに完結!★電子特別版には、紙書籍版6~8巻の各書店特典イラストなど おまけ要素を追加収録しています!
父と離れ、東京から愛媛に引っ越してきた転校生の小夏。 美人で成績優秀、完璧すぎて近付きづらいと周囲から思われている小雪。 それぞれの孤独を抱えた2人が寄り添い合い、心を通わせていくお話。 寒いほど独りぼっちだった2人が、水族館部でふたりぼっちになる。 お互いの存在が支えになって世界が広がっていくけれど、わたしだけのあなたでなくなってしまうのが寂しい。 傍にいてほしい、寂しい、一緒にいてほしい。 そんな気持ちに気づくまでに、ちゃんと伝えられるまでに、たっぷり時間をかけてしまう不器用な2人が愛おしい。 そんな物語じゃないと井伏鱒二は言うかもしれないけれど、孤独の岩屋を抜け出しても山椒魚と蛙は寄り添い続けられるんだと伝えたい。 光の中で笑い合う2人の姿に涙が止まらなかった。心が洗われる作品。