あらすじ力になる。側にいる。未来への小さな望み。末期ガンで入院中のパートナーの見舞いに通う、「談話室」メンバーのチャイコさん。そんなチャイコさんが思い出として語ったのは、「無色透明でありたい」と決心した頃の若き「誰かさん」の姿だった。一方、結婚式を控えた早輝は、同性愛者であることを両親に暴露されてしまう。そのきっかけとなった己の父親に対する憤りを隠さない椿の様子に、たすくは…。尾道を舞台に鎌谷悠希が描く性と生と青春の物語、感動の最終巻。
尾道を舞台に性的マイノリティの人々の心の葛藤と交流を描いた漫画。 4巻あっという間に読んでしまいました。面白かった。 こういうのを読むといつも、自分は気づかないうちに誰かを傷つけてはいないだろうか…と己の振る舞いを顧みてしまう。 この漫画には、“誰かさん”というつかみどころのない謎の女性がいて、その人の存在意義がいまいちわからないのですが、最後にはこの人自身がこの漫画のメッセージそのものであることがわかります。 主人公のたすくは談話室という場所に出会えたけど、それはかなり運がよくて、そうじゃない場合の方が実際は多いよなぁ…。そういう人に出会った時は特別扱いでなく、自分と同じそこら中にいる“誰かさん”なんだと思えるようになりたい。