あらすじ理解し合えないまま、それでも共に生きる。夏祭りの苦い思い出を拭えぬまま迎えた新学期。たすくは、想いを寄せる椿から文化祭の課題を一緒にこなそうと誘われ、戸惑いながらも足を運ぶ。しかし、すでに顔見知りである「談話室」のメンバーを揶揄する椿の姿に、たすくは困惑と悲しみを抱えることに。一方、「談話室」メンバーの内海の元に、かつての部活仲間の小山が現れた。小山は善意から、内海が今「男性として生きている」ことを、部のOG達に知らしめようとするが…? 尾道を舞台に鎌谷悠希が描く性と生と青春の物語、第3集。
尾道を舞台に性的マイノリティの人々の心の葛藤と交流を描いた漫画。 4巻あっという間に読んでしまいました。面白かった。 こういうのを読むといつも、自分は気づかないうちに誰かを傷つけてはいないだろうか…と己の振る舞いを顧みてしまう。 この漫画には、“誰かさん”というつかみどころのない謎の女性がいて、その人の存在意義がいまいちわからないのですが、最後にはこの人自身がこの漫画のメッセージそのものであることがわかります。 主人公のたすくは談話室という場所に出会えたけど、それはかなり運がよくて、そうじゃない場合の方が実際は多いよなぁ…。そういう人に出会った時は特別扱いでなく、自分と同じそこら中にいる“誰かさん”なんだと思えるようになりたい。