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いつかきっと迎えにいくから――。そうあなたが言ってくれたから、私はずっと待っていた。あの日のあなたの温もりを。けれど、私の前に現れたあなたの姿は黒い翼の異形の妖(あやかし)――。あなたが喰らうのは私の身体(からだ)それとも、あなたに囚われた私の心――?
蒼く妖しく熟れた蕾。咲かすも散らすも、あなた次第――。妖がこの血を飲めば寿命が延び、肉を喰らえば不老不死に。花嫁に迎えれば、その一族に繁栄をもたらす――。あなたに魅入られたその時から、この運命には抗えないの――?
たとえおまえを傷つけることになっても俺は一生、おまえを手放しはしない――。あなたに魅入られ囚われた私は、妖たちの贄――仙果(せんか)の娘。手折られ喰われることが運命なら、望みはただひとつ。あなたのその言葉のまま、あなただけに奪って欲しいのに――。
愛しいあなたのためならば、この身を捨てても惜しくはないのに――。私は妖たちの繁栄の贄――仙果の娘。されど、愛に堕ちた妖は、仙果を喰らうことが出来ず、自らの心と体を傷つける――。あなたの痛みをその悲しみを、どうか私にも分けてください。
共に生きたいと願うなら決してその娘を抱いてはいけない――。仙果の娘を嫁に迎え、我が一族に繁栄を――。匂い立つ熟れた桃の香に、くるおしく身を焦がしながらも決して交わすことの叶わぬ契り。すべてが愛しいこの人と引き離されたら生きてはいけないのに――。
この手が血に染まろうとも構わない、あなたと共に生きるためなら――。私のこの血が、この肉が、妖たちにもたらすものは一族の栄華と繁栄。だから彼らは私のことを仙果の娘と呼び、奪い合う。あなたと共にいたかった。願いはただそれだけだったのに、返り血が私たちを染めていく――。
あなたと共にあることが罪だというならば、私はどこまでも堕ちていい――。妖たちの繁栄のための供物、私は仙果の娘。そして、あなたはその妖たちの一族の長。道ならぬ恋を切り裂かんと白く燦(きらめ)く刃が迫る。あなたへの愛が咎(とが)というなら、堕ちてみせよう、奈落の底まで――。
愛しいあなたは妖――天狗の長。そして、私は妖たちの贄――仙果の娘。私を傷つけまいとしてあなたは敵の刃にその身をさらす。けれど、この心もこの身体もあなたのために生まれてきたの。あの幼い日の約束どおり、今夜私を――。
実沙緒――おまえは仙果の娘。その身を手に入れた妖の一族には、栄華と繁栄がもたらされる。そして、この身はおまえの血を、おまえの身体を贄として喰らい尽くすことを定められた妖。それでも…おまえを手放せない。おまえを愛することを…止められない。たとえこの身が罪の炎に焼かれようとも――。
実沙緒を愛し、守ろうとする天狗の長・匡とついに結ばれ、匡は至上の力を得る。しかし同時に、他の妖一族による人間への無差別攻撃が始まる。それは実沙緒を罪悪感で苦しめることで、匡に揺さぶりをかける作戦だと言うことが分かり、「匡の弱点が実沙緒である」という情報を流した「内通者」が天狗一族の中にいるのではという疑惑を呼ぶ…。