聖ランネット帝国への旅の途中、立ち寄った懐かしい秘密研究都市は、かつての面影はなく廃墟と化していた。シャロヌの部屋に座す見知らぬ少年に、事のなりゆきを尋ねるティカ。そこに“黒太子(こくたいし)”ヴァドが姿を現し、少年に詰め寄る。アルトゥンと呼ばれるこの少年こそ、ヴァドとシャロヌの戦争に介入し、ヴァドを撤退させた竜騎士団を統べる者だった……!!圧倒的なアルトゥンの力の前に、なすすべのないティカとヴァド。2人は真相を知るため、聖ランネット帝国皇帝ファティマの元を訪れる。ファティマの口から明かされる、シュファース家の秘密とは!?衣谷遊の描く一大叙事詩、ここに堂々の完結。