あらすじ

クライネ教圏とアサラミ教圏の戦いは、“黒太子(こくたいし)”ヴァド率いるアサラミ教圏・ラグムル帝国の侵攻によって、その火蓋が切っておとされた。対するは、首尾よく皇弟シャロヌを追放した聖ランネット帝国皇帝ファティマ。戦いはファティマの描いた作戦通りに運び、窮地に立たされるヴァド。一方、ティカは魔導師・グルジエフとの旅の途中、聖ランネット帝国から追放されたシャロヌと出会う。両親の仇であることを知り、憎しみの炎を燃やすティカ。しかし、シャロヌの話を聞くうち、共に歩むことを決意するのだが……。
エンジェルアーム(1) 天上への扉

少女の瞳が変わるとき、底知れぬ能力がすべてを凌駕する!!壮大なファンタジー世界を舞台にした一人の少女の成長の物語!育ての親である穏やかな老夫婦とともに、シバト王国王宮に仕えながら平和に暮らしていた少女・ティカ。そんな彼女の日常が、聖ランネット帝国の公式使節を名乗るスポーン、ガドバイ、ルチオらによって乱される。老夫婦の無残な躯(むくろ)を手にしたスポーンは異形の者へと姿を変え、ティカへと迫る!!

エンジェルアーム(2) 天の瞳

聖ランネット帝国皇帝直属のスラグ師団を倒したティカは、シバト王国を追われ、武術師範のサラン、幼馴染みの少年・ルアとともに国外へと逃れる。「望みの海」と呼ばれる、広大な砂漠地帯を西に向かう一行。途中、盗賊に襲われていたティカ達を救ったのは、ラグムル帝国第96王子ヴァド。“黒太子(こくたいし)”と呼ばれ、民衆の支持を集める彼こそ、次期ラグムル帝国皇帝候補と目される人物であった。

エンジェルアーム(3) 誘いの鎖

聖地ジェリクをめぐるアサラミ教圏とクライネ教圏の戦闘は、変貌を遂げたティカの暴走により終結し、ジェリクはラグムル帝国皇帝ライマーンの手に委ねられることとなった。武術師範のサラン、幼馴染みのルアとはぐれてしまったティカは、魔導師・グルジエフと共に、聖ランネット帝国皇帝シャロヌの元を目指す。途中、立ち寄ったボーグ村で、エリュジオ湖畔一帯を統治するベッケン公爵ブゾトと対峙する。

エンジェルアーム(4) 混沌の翼

クライネ教圏とアサラミ教圏の戦いは、“黒太子(こくたいし)”ヴァド率いるアサラミ教圏・ラグムル帝国の侵攻によって、その火蓋が切っておとされた。対するは、首尾よく皇弟シャロヌを追放した聖ランネット帝国皇帝ファティマ。戦いはファティマの描いた作戦通りに運び、窮地に立たされるヴァド。一方、ティカは魔導師・グルジエフとの旅の途中、聖ランネット帝国から追放されたシャロヌと出会う。両親の仇であることを知り、憎しみの炎を燃やすティカ。しかし、シャロヌの話を聞くうち、共に歩むことを決意するのだが……。

エンジェルアーム(5) 再会の天地

シャロヌが直轄する秘密研究都市から、姿を消したグルジエフ。彼に与えられた任務は、ティカの武術師匠であり、カルス=ランドの次期女王であるセレーズ(サラン)の暗殺。この世で最も尊敬するシャロヌの命令で、この世で最も愛するセレーズを殺さねばならないことに苦悩しつつも、ついにグルジエフは疲れて机上で眠るセレーズの傍に立つ。一方、グルジエフがサランの元へ向かったことを知ったティカは、研究者エルクと共にその後を追う。

エンジェルアーム(6) 破滅の舞踏

教皇庁でのセレーズ(サラン)の戴冠式を終えカルス=ランドに戻ったティカは、育ての親を殺される以前の日々に戻ったかのような幸せな日々を過ごしていた。しかし、自分が何者であるのか、この先どう生きていけばよいのかを知るため、聖ランネット帝国に戻る決意を固める。戻る旅の途中、聖ランネット帝国皇帝ファティマが差し向けた刺客・アネムとの再戦を果たすティカ。人間兵器として作り上げられ、一切の感情を持たないはずのアネムが初めて“恐怖”を感じたとき、戦いは思わぬ結末を迎える。

エンジェルアーム(7) 瞬く永遠の生命

聖ランネット帝国への旅の途中、立ち寄った懐かしい秘密研究都市は、かつての面影はなく廃墟と化していた。シャロヌの部屋に座す見知らぬ少年に、事のなりゆきを尋ねるティカ。そこに“黒太子(こくたいし)”ヴァドが姿を現し、少年に詰め寄る。アルトゥンと呼ばれるこの少年こそ、ヴァドとシャロヌの戦争に介入し、ヴァドを撤退させた竜騎士団を統べる者だった……!!圧倒的なアルトゥンの力の前に、なすすべのないティカとヴァド。2人は真相を知るため、聖ランネット帝国皇帝ファティマの元を訪れる。ファティマの口から明かされる、シュファース家の秘密とは!?衣谷遊の描く一大叙事詩、ここに堂々の完結。