あらすじ朝日杯3歳ステークス最終コーナーで、ついに軍神マルスの闘志が炸裂!だが、馬守が勝利を確信したその時、後方で白の四天王に異変が起きていた。33秒台の末脚、決して足を踏み入れてはいけない領域。それを制して今、蘇った「白い稲妻」がマルスにせまる!!
競馬が他のギャンブルと違うのは横の広がりと奥の深さがあるということ。競走馬が出走するまでには牧場があり育成場があり、厩舎、騎手、馬主と多くの人が関わる。そして、3頭の始祖からなる血統の歴史。この側面があるために、少年誌で漫画の題材となることが可能になるわけです。競馬を知らずともノンフィクション風の人間ドラマと捉えることができるわけですね。本作品は「風のシルフィード」の続編ですが、主役の位置づけが逆転していて、シルフィードの末裔は、主役・マルスのライバルに。シルフィードに乗っていた谷健はマルス陣営の調教師になっています。現実にありそう。卑劣な調教師や、ワケありの騎手、案外いるかも。双子の馬に、種牡馬入り後に復活、いやいやこれはない。などと知識が入るとぶつぶつ言ってしまいますが、こんなに様々な思惑が入り乱れるギャンブルもそうそうないでしょう。物言わぬ馬も意思があるかのように描かれて、感情移入もできる。現実にマルスがいたら単勝に突っ込みますよ…。