あらすじエルディオス対策のため、ばんえい馬との特訓をした馬守の考え付いた秘策は「わざと弾き飛ばされる」というもの。勝利への鍵を携え、ついに迎えた朝日杯3歳ステークス。血の宿命を懸けた、マルスと白の四天王の戦いが、13年前と同じ雨の中山競馬場で今、幕を開ける!
競馬が他のギャンブルと違うのは横の広がりと奥の深さがあるということ。競走馬が出走するまでには牧場があり育成場があり、厩舎、騎手、馬主と多くの人が関わる。そして、3頭の始祖からなる血統の歴史。この側面があるために、少年誌で漫画の題材となることが可能になるわけです。競馬を知らずともノンフィクション風の人間ドラマと捉えることができるわけですね。本作品は「風のシルフィード」の続編ですが、主役の位置づけが逆転していて、シルフィードの末裔は、主役・マルスのライバルに。シルフィードに乗っていた谷健はマルス陣営の調教師になっています。現実にありそう。卑劣な調教師や、ワケありの騎手、案外いるかも。双子の馬に、種牡馬入り後に復活、いやいやこれはない。などと知識が入るとぶつぶつ言ってしまいますが、こんなに様々な思惑が入り乱れるギャンブルもそうそうないでしょう。物言わぬ馬も意思があるかのように描かれて、感情移入もできる。現実にマルスがいたら単勝に突っ込みますよ…。