あらすじ新基地長の提案で、競技会を急遽開催することになったトッキュー。最下位は即刻解散のペナルティということもあり、各隊競技会に万全を期して臨むが、六隊は出動先から徹夜明けでの参加。最低のコンディションで挑む兵悟(ひょうご)たちに勝機はあるのか?新基地長が目指したものは何だったのか?トッキュー結成当時の熱い想いがよみがえる!!
ある秋晴れの日の朝。歩道橋の上からぼんやりとやや遠くに見える海をながめていました。そうしたら、あれ?こんな風景どこかで見たことがある…っと強烈なデジャヴュが。しばらく考えていたところ、何のことはない、それはついつい朝まで読んでしまった『トッキュー!!』の背景でした。ただ、それは目で覚えていたのではないんです。「空気感」とでもいうのでしょうか。作者の久保ミツロウは、この空気感を捕まえることに長けた人だと思うのです。例えば冬の早朝の校庭。あるいは蒸し暑い日の川にかかる橋のたもと。そこに在るただ寒かったり涼しかったりするだけではない、独特の空気感。『トッキュー!!』は海難救命士のストーリーですから、洋上での凄まじい爆炎や、漂流時の不安げな海などさまざまなシチュエーションがでてきます。それがいちいち感覚に残っている。「前作の『3.3.7ビョーシ!!』で気になっていたのはこれなんだな」「やはり女性の漫画家はその辺の感覚が優れているのだな」とか、考えているうちに眼が覚めた徹夜明けの朝でした。