あらすじ

ビールス人間相手に超能力を使い続けたため、疲労の限界に来たバビル2世。そこにヨミがV号に乗って現れた!なんとかヨミをV号から引きずり出そうと、バビル2世はロデムをV号に潜入させる。ロプロスとポセイドンを操り、攻撃をしかけるヨミ。はたしてロデムは間に合うか?
バビル2世 1巻

かつて人々が神に近づかんと建造したといわれるバベルの塔。それは地球に不時着した宇宙人が作ったものだった。5000年の時を経て運命のままに塔に導かれ、超能力を授けられてバビル2世となった少年・浩一。三つのしもべを連れたバビル2世は、世界征服をたくらむヨミの野望を打ち砕くべく立ち上がった!

バビル2世 2巻

ヨミの工場に潜入したバビル2世は、そこで恐るべき企みを知る。なんとヨミは政府高官や軍人を改造し、世界各国に送りこんでいたのだ!秘密を知ったバビル2世を消すために、バベルの塔を探し、ついに発見したヨミ。そこでヨミが見たものは…?

バビル2世 3巻

バベルの塔での記憶をなくしたヨミだが、日が経つにつれ、断片的にその記憶がよみがえる。同じ超能力を持ち、三つのしもべに命令できるバビル2世とヨミ。はたして二人の関係は?謎が謎を呼ぶまま、二人は対決のときを迎える!

バビル2世 4巻

死んだはずのヨミが生きていた!ヨミは不死身の自分が瀕死の危機を迎えたことから、バビル2世の超能力にも限界があることを知り、力を浪費させるべく次々と刺客を差し向ける。そしてついに追っ手がバベルの塔に潜入した!

バビル2世 5巻

ヨミの部下、シムレに化けてヨミの基地に潜入したバビル2世。しかしそれを見抜いたヨミはバビル2世のいない隙にバベルの塔の爆破をもくろむ。無人のバベルの塔の爆撃に向かう戦闘機。その時、バベルの塔の周りに次々と塔が現れ光を放ち…?

バビル2世 6巻

バビル2世と同じ能力を持つヨミ。バビル2世を守る三つのしもべ、ロデム、ロプロス、ポセイドンに手を焼いたヨミは、超能力増幅装置に入り、バビル2世を上回るテレパシーで逆にしもべを操る。しかし絶体絶命の危機、突然しもべの動きが止まった。一体ヨミに何が…?

バビル2世 7巻

謎の力に操られた男がヒマラヤでヨミを再びよみがらせてしまった!宇宙ビールスを身体に入れて、以前にも増して力を持ったヨミは再び世界征服に向けて行動を起こす。野望を食い止めようとヨミと対峙し、基地の破壊に成功したバビル2世だが、それはヨミの見せた幻覚で…。

バビル2世 8巻

三つのしもべに対抗するためにヨミが作ったV号。その恐るべき破壊力はポセイドン、ロプロスを寄せ付けなかった。しかし二匹が懸命に食い止めている隙にロプロスが安全な場所に隠し、バビル2世は奇跡的に一命を取りとめるが…?

バビル2世 9巻

協力者の一人である国家保安局長を訪ねたバビル2世は、F市が音信不通に陥っていることを聞き、現地へ調査に行く。そこにはヨミが撒いた悪性の宇宙ビールスが広まっていた。ビールスにより超能力を発動し操られた市民が、次々とバビル2世に襲いかかる!

バビル2世 10巻

ビールス人間相手に超能力を使い続けたため、疲労の限界に来たバビル2世。そこにヨミがV号に乗って現れた!なんとかヨミをV号から引きずり出そうと、バビル2世はロデムをV号に潜入させる。ロプロスとポセイドンを操り、攻撃をしかけるヨミ。はたしてロデムは間に合うか?

バビル2世 11巻

F市に立てこもったヨミは、さらにバビル2世のいない隙に、主不在のバベルの塔にも攻撃をしかける。バビル2世が今この場を離れれば日本はヨミの支配下に置かれてしまう…。バベルの塔は何日持ちこたえられるか?そしてその間にバビル2世はヨミを叩き潰すことが出来るのか?

バビル2世 12巻

ついにヨミを葬ったバビル2世。しかし、ヨミの身体を移植された病人たちが次々と謎の死を遂げるという事件が起きた。まさかまだヨミは…。不審に思って調査したバビル2世は、謎の包帯の男の存在を掴む。バビル2世と三つのしもべにヒタヒタと迫る最後の対決の時、SF超大作、堂々完結!

バビル2世

チャンピオン初期を支えた孤高の超能力少年

バビル2世 横山光輝
兎来栄寿
兎来栄寿

横山光輝さんの数多の作品の中でも、『鉄人28号』、「魔法使いサリー』、『三国志』などと並び代表作として有名なのが『バビル2世』です。 週刊少年チャンピオンが創刊されたのは1968年。『バビル2世』は1971〜1973年まで連載され、チャンピオンの初期を支えました。そして、数年後にチャンピオンは200万部を突破し黄金期を迎えます。 遥か昔、地球に不時着したバビルの子孫である浩一がその力を受け継ぎ、世界征服を目論む超能力者・ヨミの目論見を防ぐべく闘いを繰り広げる物語です。 ユリゲラーが初来日して超能力の大ブームが巻き起こったのが1974年ですが、その3年前から超能力ブームの礎を築き上げたのがこの作品。テレパシーやサイコキネシスという単語を本作で覚えた少年は非常に多いでしょう。同時期に萩尾望都さんらによる少女マンガSFの台頭があり、『精霊狩り』などエスパーを題材にした作品が出されたことも、ブームを後押ししていました。 『超人ロック』然り、物語において超能力者やエスパーというのは異端で孤独な存在とされることが多いです。多分に漏れず浩一も世間には知られないまま孤独な闘いを続ける少年として、暗い時代のマインドを反映しているかのように描かれました。71年の『仮面ライダー』や72年の『デビルマン』など、純粋な熱血タイプではない陰を背負った主人公の物語が多く出始めた時代とぴったり重なります。 なお、『ジョジョの奇妙な冒険』第三部主人公の空条承太郎も、『バビル2世』の砂漠+学ランというヴィジュアルイメージに大きく影響を受けていると荒木飛呂彦さんが語っていました。私自身はその記述を見てから興味を持ち、読みました。バトルに単純な力比べだけではなく頭脳戦的な要素が盛り込まれていたのも、人気を博した要因であり後の作品への影響を感じられるところです。ジョジョ好きには一つのルーツとしてぜひ読んでみて欲しい作品です。 余談ですが、アニメ版で主人公の浩一を演じたのは当時はまだ新人だった神谷明さん。オーディションでは既に売れっ子だった野沢雅子さんと最後まで争ったという逸話があります。