「107号室通信」「光と窓」のカシワイ最新作。大切なものをわかちあう、かけがえのない日々ーー。やさしい眼差しで描かれる老人と少女、真心の物語。(全ページオールカラー)
この街は懐かしい風が吹く。一緒にいることで世界が広がっていく…絵描きの老人と少女の交流と別れを描く優しさに満ちた物語。(全ページオールカラー)
『ひとりの夜にあなたと話したい10のこと』から2年。久々のカシワイさんの新刊です。 ………………沁みます。 美しい絵を眺めているだけでも、ここではないどこかへと旅立つことができて幸福を得られます。ただ、カシワイさんの作品は選ばれる言の葉もまた素敵なのが大きな魅力です。 「こんなにさ 美しいものが世界に既にあるのに描く意味って何だろうな しかも時間が流れればほとんど忘れ去られる」 といった問い掛けに対する描き方。 「雨音は 雨粒が地上で何かと出会ったときたてる音だ 雨音に耳を澄ませるとここにいる手触りがするんだ」 といった、世界の切り取り方。 凪のように静かに、極めて静かに紡がれる物語ですが、普段刺激されない心の奥底の部分にまで沁みてきて感情を揺り動かされます。 読んだ後には、読む前より今自分がいる世界が素敵でかけがえのないものであるとすら思わせてくれる、意義深い一冊です。大好きです。
全ページ淡くてやさしいカラーが美しい。海辺の街に住む画家のおじいさんと、最近引っ越してきたひとりの少女が出会い、物語が始まります。 おじいさんは無邪気な少女に対して少し冷たくてぶっきらぼうな態度。 なんとなく町田洋さんの砂の都を少し思い出しました。 https://comic-action.com/episode/3269632237242904443
『ひとりの夜にあなたと話したい10のこと』から2年。久々のカシワイさんの新刊です。 ………………沁みます。 美しい絵を眺めているだけでも、ここではないどこかへと旅立つことができて幸福を得られます。ただ、カシワイさんの作品は選ばれる言の葉もまた素敵なのが大きな魅力です。 「こんなにさ 美しいものが世界に既にあるのに描く意味って何だろうな しかも時間が流れればほとんど忘れ去られる」 といった問い掛けに対する描き方。 「雨音は 雨粒が地上で何かと出会ったときたてる音だ 雨音に耳を澄ませるとここにいる手触りがするんだ」 といった、世界の切り取り方。 凪のように静かに、極めて静かに紡がれる物語ですが、普段刺激されない心の奥底の部分にまで沁みてきて感情を揺り動かされます。 読んだ後には、読む前より今自分がいる世界が素敵でかけがえのないものであるとすら思わせてくれる、意義深い一冊です。大好きです。