掲載誌情報flowers小学館2025/01/28ミステリと言う勿れ/数字であそぼ。/マロニエ王国の七人の騎士/ポーの一族 ~春の夢~/狼の娘/水槽夜曲/アドレスどちら/獣医者正宗捕物帳/新井理恵劇場 猫山さん/あらあらかしこ/煌燿国後宮譚/神無月紫子の優雅な暇潰し/黒薔薇アリスD.C.al fine/詩歌川百景/緋のつがい/終の花嫁/ポーの一族 青のパンドラ/狛犬撫でたら/そして女神は微笑む/きみに奏でる僕の音/雨、こんこんと、綿帽子【単話】/執事は恋を名乗らない/僕のジョバンニ/
『アドレスどちら』、『魔法自家発電』、『いちばんいいスカート』などでお馴染みの、谷和野さんが手掛ける読切シリーズが単行本になりました。 収録作品は 「風の開け閉め」 「花ゲリラ」 「藍の上青の下」 「星拾い」 の4本。 どこか懐かしくほっとするような美しい絵柄で紡がれる、心の繊細な機微を丁寧に掬い取った作品たち。西洋系でファンタジックなお話が中心かと思えば、現代日本が舞台で野球部の少年を描く作品も登場して緩急が生まれています。 個人的には、「星拾い」における主軸の二人の心の変化に自分の過去の体験を重ねて古傷の痛みを思い出すようでした。 総じて心の窓の扉が開かれ、清新な風を受けたような読後感です。 端的に言って、私は谷和野さんが描く世界が大好きです。シリーズはまだ続くようなので、今後も楽しみにしていきたいと思います。