無垢で妖艶な珠玉のよみきり集 第2弾 月刊フラワーズ発の気鋭・谷和野の珠玉のよみきり集第2巻。繊細でクラシカルな世界を描きだす谷ワールドが満載! カーテンに隠された秘密の物語が、幕を開ける―― <収録作品> 【ドレイプス】 大事なものを、カーテンのひだに隠す少女。そして彼女の祖母もまた、隠していたものが…!? 【花嫁】 村に嫁いできた、風変わりで美しい嫁がもたらしたものは―― 【ずらりならんだ】 ものに宿って受け継がれる、消えない想い。【転がる鏡】 ある日、家を転がり出た鏡はある少女と出会い…!?
『アドレスどちら』、『魔法自家発電』、『いちばんいいスカート』などでお馴染みの、谷和野さんが手掛ける読切シリーズが単行本になりました。 収録作品は 「風の開け閉め」 「花ゲリラ」 「藍の上青の下」 「星拾い」 の4本。 どこか懐かしくほっとするような美しい絵柄で紡がれる、心の繊細な機微を丁寧に掬い取った作品たち。西洋系でファンタジックなお話が中心かと思えば、現代日本が舞台で野球部の少年を描く作品も登場して緩急が生まれています。 個人的には、「星拾い」における主軸の二人の心の変化に自分の過去の体験を重ねて古傷の痛みを思い出すようでした。 総じて心の窓の扉が開かれ、清新な風を受けたような読後感です。 端的に言って、私は谷和野さんが描く世界が大好きです。シリーズはまだ続くようなので、今後も楽しみにしていきたいと思います。