『アドレスどちら』、『魔法自家発電』、『いちばんいいスカート』などでお馴染みの、谷和野さんが手掛ける読切シリーズが単行本になりました。
収録作品は
「風の開け閉め」
「花ゲリラ」
「藍の上青の下」
「星拾い」
の4本。
どこか懐かしくほっとするような美しい絵柄で紡がれる、心の繊細な機微を丁寧に掬い取った作品たち。西洋系でファンタジックなお話が中心かと思えば、現代日本が舞台で野球部の少年を描く作品も登場して緩急が生まれています。
個人的には、「星拾い」における主軸の二人の心の変化に自分の過去の体験を重ねて古傷の痛みを思い出すようでした。
総じて心の窓の扉が開かれ、清新な風を受けたような読後感です。
端的に言って、私は谷和野さんが描く世界が大好きです。シリーズはまだ続くようなので、今後も楽しみにしていきたいと思います。
月刊フラワーズ発の気鋭・谷和野の珠玉のよみきり連作集。ファンタジーから青春物語まで、あらゆる世界を自在に描きだす谷マジックが満載!