学者や研究者といえば、頭が良い人なのは間違いない。 だがその分、人間的な面白みに欠ける、とか 世間知に欠ける、コミュ障、といった負のイメージを 抱かれやすい感じもする。 論理的=冷静≒冷血、というか。 実際にはそうでもないだろう(と思いたい)けれども、 漫画的にはソッチのほうがわかりやすく面白いのか、 とかく漫画では学者や研究者はロボットみたいな人間に 描かれがちに思う。 この漫画の主人公の掛田氏も完ぺきな理系人間で 色々とコミュ障な面はある。 しかし掛田氏も周りの人達も、十分に人間的で感情的だ。 女性が極端に少ない工科医大で学食のお姉さんに 恋をしてしまい、なんとか親しくなりたいと アプローチを試みる。 掛田氏の友人や教師も彼の恋を応援し手助けをする。 何度失敗してもあきらめずに。 ただしそのアプローチ手法が徹底して理系的というコメディ。 だがその理系的手法や周囲の協力からあふれ出している 愛嬌がたまらない。 その上に、あふれ出す愛嬌が、理系的でサラッとしていて 全然ベタベタ湿っぽくなく、一歩間違えれば キモくてエロいストーカーの世界になるところを 理系的な分だけわりと爽やか?に 笑えて楽しい世界になっていて、良い。 そして想われ人の飯島さん(学食のお姉さん)も、 結構ド天然なんだけれど凄く可愛らしい。 私的にはこれがツボった。 理系と天然の恋。面白過ぎる。
名無し
クリスマス前後になると、僕の心は千々に乱れてしまいます。どこから沸いてくるのか、街中にあふれるカップルを避けるように、錦糸町や赤羽や巣鴨といった素敵なオトナの街を歩いていると、なんだか日本海の黒い海を見たくなってしまうのです。そういうときこそ、モテなかった偉人の伝記を読むことにしています。どんなに立派でも、いや、立派だからこそ、彼女のいない人間はいるんだ…。Yesニーチェ、no啄木の精神が僕を救ってくれるのです。  偉人たちのちょっとお茶目な一面と、非モテ男子の気持ちを同時に味わえるのが『決してマネをしないでください。』『決してマネしないでください。』は、圧倒的に女性がすくないことで有名な、大学の物理学科が舞台の漫画です(物理学科は就職が厳しいことでも有名ですね)。  物理学科の学生で、女に全く免疫の無い掛田が学食のおばさんである飯島さんに恋をしたことから物語は始まります。掛田君は、好きなモノが、物理、関数電卓、そして素数の17という、かなり限られた人としか心の交流を持てないタイプです。掛田君の初恋を追いながら、それらの事象に関係する様々な科学者のエピソードが紹介されていくのです。エピソードはどれも、人間味が溢れすぎていたり、想像以上にド変態だったり、極度に愚痴っぽかったり、偉大というにはあまりにもトンデモなくて、新鮮な気持ちになれます。  例えば、手の洗浄を訴えるも、皆に無視されて精神病院で死んでしまったゼンメルヴァイス、エジソンにいじめられ、鳩が恋人とのたまうニコラ・テスラのエピソードを読んでいると、偉人も「同じ人間なんだ」という気持ちと「やっぱり奇人」なんだという気持ちが同時に押し寄せてくるのです。  なかでも一番のド変態はジョン・ハンター。彼は実験のため、わざと梅毒に感染したほどの猛者。また、心温める名作シリーズ『ドリトル先生』のモデルであり、人間の二面性を鋭くえぐり出したサスペンス・ホラー『ジギルとハイド』のモデルでもあったという、なにがなんだかよくわからない人間です。そうなったハンダーの人間性を象徴するエピソードの数々は、なんといったらわからなくなるほど素敵です。  これら、とんでもない科学者を引き合いに出されながら、掛田氏の恋は明後日の方向に突き進んでいくのです。飯島さんのためなら、素数唯一の偶数2の魅力を認めてもいいと言う掛田氏の恋は実るのでしょうか?そしてこれから、どんな科学者の珍エピソードが紹介されるのか、気になってしょうがないのです。
名無し
けっしてまねしないでください
決してマネしないでください。 1巻
決してマネしないでください。(2)
決してマネしないでください。(3)
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