あらすじ疫病の流行により大陸政府から封国された島を舞台に、反乱市民と自警団の戦闘を描く架空戦記、待望の第10巻。ミャビヤム牧場戦から約1カ月後、教導の名目で鉄冠山島民自治区(アイアンクラウン)に招聘されたダシア自警団の面々。そこは、かつて医師を目指し、家族や友人たちとともに過ごした、ユズハの故郷でもあった。鉄冠山防衛隊との形ばかりの合同訓練の最中、突如、武装集団による立て篭もり事件が発生し……。
凄腕スナイパーの復讐劇としてスタートしてますが、巻を追うごとに深みが増します。主人公自身も含め、軍人として登場するキャラクターみんなに軍人になる前の暮らしぶりがあり、その背景を抱えて戦闘に参加している様子が、一つ一つ丁寧に描かれていて引き込まれます。 一巻につき一つのエピソードで、それぞれに政治的背景と軍事作戦がしっかり設定されているのがとても面白い。軍事作戦に関しては戦闘地域の地図が描かれているので、読み流さずにしっかり地図を参照しながら読むといっそう味わえます。 凄腕スナイパー一辺倒じゃないところが良いです。11巻の時点では復讐テーマは影をひそめていますがきっとこの後回収されるのでしょう。 おすすめです。