あらすじ

小田原攻めの最中、徳川家の家臣、井伊直政は妙な噂を耳にした。「直江兼続は、上杉謙信の遺児である――」虎視眈々と天下を狙う古狸・家康の瞳が鈍く光を放ち始める……!上杉家最大の秘事を巡り、新たないくさの幕が開く!
義風堂々!! 直江兼続 ―前田慶次酒語り― 1巻

前田慶次と直江兼続、佐渡にて、修羅に入る──。天正十六年夏。家臣の後妻(うわなり)打ちを介して、兼続は天下御免の傾き者・前田慶次と遂に出逢い、二人は互いに惹かれあうのだった。そして、その運命の出逢いからわずか一年。上杉家存亡を賭けたかの、佐渡攻めが近づきつつあった──。

義風堂々!! 直江兼続 ―前田慶次酒語り―(2)

「なんとも傾(かぶ)いたものよ。これが…直江兼続か!!」天正十七年。上杉軍と前田慶次は、兼続が放った比丘尼達から佐渡攻めの黒幕が天下人・秀吉だと知る。秀吉の使者が佐渡に向い、ついに追い詰められた上杉。兼続と慶次は、あえて修羅に入る──。

義風堂々!! 直江兼続 ―前田慶次酒語り―(3)

「友とは、黙って共に死んでやれることです」越後を諦めきれぬ秀吉は、上杉を介し前田慶次を呼びつける。謁見の間で慶次に失態を演じさせ上杉を潰そうというのだ。だが、平然と我を貫く兼続と慶次に、天下人の表情がみるみる変貌してゆく…。一触即発の謁見が今、静かに始まった──。

義風堂々!! 直江兼続 ―前田慶次酒語り―(4)

「そうです。己のことなど何も望まずただ友のために死んだあの漢(おとこ)です……」酒語りを続ける兼続の瞳が不意に哀しみの色を帯びる。その口から語られる、誰も知らない哀将・大谷吉継の“仁の心”とは──。義に命を賭した漢(おとこ)達が今、小田原に集結する!

義風堂々!! 直江兼続 ―前田慶次酒語り―(5)

小田原攻めの最中、徳川家の家臣、井伊直政は妙な噂を耳にした。「直江兼続は、上杉謙信の遺児である――」虎視眈々と天下を狙う古狸・家康の瞳が鈍く光を放ち始める……!上杉家最大の秘事を巡り、新たないくさの幕が開く!

義風堂々!! 直江兼続 ―前田慶次酒語り―(6)

「軍師は、いくさを諦めぬものです」兼続の出生の秘密を巡り、徳川からの忍びが放たれた。上杉最大の秘事を守るため次郎坊も密かに行動を起こすのだが…。血で血を洗う忍び同士のいくさが始まる中、小田原の地に伊達者が現れる――!

義風堂々!! 直江兼続 ―前田慶次酒語り―(7)

忍犬・白雲により、辛くも窮地を脱した次郎坊。地蔵菩薩像を追い、次郎坊は、兼続の母が眠るある場所へ急ぐがすでに像は持ち去られた後であった。かの、第六天魔王によって――!地蔵菩薩像へと漢達の意思が導く!苛烈な裏いくさは新たな血を呼ぶ!!

義風堂々!! 直江兼続 ―前田慶次酒語り―(8)

「この死に花は、見逃せぬな――」地蔵菩薩像は織田信長により隠された!衝撃の事実が次郎坊と左玄を混乱させる。そしてその隠し場所の情報を分けて聞かされた敵対し合うふたりは、奇妙な同行を余儀なくされるのだった。その頃、友のため裏いくさに自ら赴かんとする兼続の前に、ある漢が立ち塞がるのだった――。漢に惚れ、漢が動き出す激動の第8巻!!

義風堂々!! 直江兼続 ―前田慶次酒語り―(9)

「我ら軍師まだまだ死ねませんな」地蔵菩薩像は高野山にあり!!次郎坊から得た情報を頼りに、隠し場所へと向かう兼続と左近達。一方、左玄も伊賀忍軍300人を引き連れ、高野山に向かっていた……。裏いくさの終わりは近い――。

義風堂々!! 直江兼続 ―前田慶次酒語り―(10)

『我が運命はまだ、わしを殺さぬようだ』兼続の奇策をも逆手に取り伊賀忍軍決死の一手が戦況を翻した。だが、軍師・兼続はここが見せ場と堂々傾き抜く!!そして地蔵菩薩争奪戦に終止符が打たれるが――!?『酒語り』ここに完結!!