あらすじ

スコットランド・エディンバラ。寂れた便利屋を営むマリーは、世界を構成する「精霊」と交渉する術「魔法」を会得した、正真正銘の魔女。そんな彼女のもとに、ロンドンの教会から、魔法使い見習いの少年が連れられて来る。しかし、それは最厄の少年であった――。万物に宿る精霊とともに、魔女と少年は肩を寄せあい、大人になる。美しき白亜の異国を舞台に繰り広げられる、新たな魔法の物語。
アザミの城の魔女 1巻

スコットランド・エディンバラ。寂れた便利屋を営むマリーは、世界を構成する「精霊」と交渉する術「魔法」を会得した、正真正銘の魔女。そんな彼女のもとに、ロンドンの教会から、魔法使い見習いの少年が連れられて来る。しかし、それは最厄の少年であった――。万物に宿る精霊とともに、魔女と少年は肩を寄せあい、大人になる。美しき白亜の異国を舞台に繰り広げられる、新たな魔法の物語。

アザミの城の魔女(2)

テオとマリーがパリで出会った魔法使いの弟子・シャルル。テオとも仲良く振る舞っているがマリーは一抹の不安を抱く。そんな中、魔法使いの記念パーティーが開宴。喧騒の中、シャルルがテオを誘い出し、その本性を表す――。孤独な魔女と呪われた弟子が贈る、新たな魔法の物語、第2巻!

アザミの城の魔女(3)

呪われた少年と、欠けた魔女。寄り添う先に光はあるか――。魔法使いとしての基礎を身につけるため、魔法学校に入学したテオ。クラスメイトにも受け入れられ、前途洋々な学園生活が送れるかと思った矢先、テオの「義憤の血」を狙う集団が、学校へと襲撃をかける…。光に憧れ、闇に誘われる、魔法師弟譚、第3巻。

アザミの城の魔女(4)

ロンドンで起きた大火災の原因がテオにあるとして、ロンドン教会に呼び出された、テオとマリー。そこに待ち受けていたのは、テオの教会時代の師、白魔女・リリーであった。リリーはテオを再び自らの元に起き、「魔法使いによる新世界の創出」を企てる。揺れ動くテオの心。マリーは師匠として、白魔女と対峙する――。万感の最終巻。

アザミの城の魔女

世界観の作り込まれた上質な王道ファンタジー

アザミの城の魔女 たらちねジョン
sogor25
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主人公のマリーはエディンバラに住む魔女。魔法の能力においては天才的ではあるが、とある理由によりロンドン教会からは疎まれており、また魔法を忌み嫌う人間も多いことから必要以上に他人と関わらないよう暮らしている。そんなマリーと暮らすことになった少年、テオ。彼は「義憤の血」と呼ばれる強力な魔力の持ち主で、それ故精霊たちを無闇に引き寄せてしまうため教会で長らく軟禁されていたが、半ば厄介者を押し付けるような形でマリーの元へ送られてくる。そんな異なる孤独を抱えた2人が「弟子と師匠」という形で共同生活を送る物語。 1話を読んだだけでもキャラクターや絵の魅力は伝わってくるが、精霊との"交渉"という魔法の設定もしっかりしており、ストーリーも王道のファンタジーの様相。さらに物語の舞台はエディンバラやロンドン、パリなど異国情緒があり、作品全体の雰囲気としても抜群に良い。 「魔法使いの嫁」や「とつくにの少女」など、ファンタジーの中にバディものの要素が織り込まれた作品が好きな方にはオススメしたい作品。ただ、そういった作品では割と"師匠"側のキャラは表情に乏しかったり妙に大人びたキャラクターだったりすることが多いが、この作品の場合、軟禁生活が長く外界の全てに新鮮なリアクションを魅せるテオは勿論、マリーのほうもテオや周囲の人々の一挙手一投足に対して表情豊かな反応を見せる。特にテオのマリーを慕うような言動を受けたときの表情には初々しさすら感じられる。なので他の作品と比べるとボーイミーツガール的な要素を感じるのは私だけだろうか。 (魔女だし年齢不詳だからガールじゃないんじゃね?とかいう指摘は一切受け付けません) 1巻まで読了。