あらすじ

炎に包まれた幽霊塔の地下迷宮は殺人鬼「死番虫」を下敷きにして崩れ去った。しかし、その遺体が見つからない。迷宮で「死番虫」が犯した無差別殺人の罪は、幽霊塔から姿を消した天野とテツオに着せられる。当局に手配された二人は、天野が女装し、夫婦を装い身を隠す。女が男に・・・男が女に・・・へんてこな偽装夫婦。そんな二人が潜伏先の宿で出会った、一冊の小説。それは、幽霊塔の謎につながる驚愕の内容だった。
幽麗塔 1巻

時は昭和29年、舞台は神戸。ニートの天野は、幽霊塔と呼ばれる時計塔で、白い何者かに襲われ死の寸前、謎の美青年・テツオに救われる。テツオは曰く「幽霊塔の財宝探しを手伝えば、金も名誉も手に入る」。しかしテツオの正体は、男を装う女であり、その名も偽名であった……。

幽麗塔 2巻

顔の見えない殺人鬼「死番虫」との対決を決意した、天野。「死番虫」の正体かもしれない、死んだはずの麗子。天野は麗子の写真を手に入れるため、テツオと共に瀬戸内のとある島へと向かう。しかし、一見平和なその島で天野達が見たものは、古来受け継がれる秘密の因習。今も繰り返される悲劇の掟……その真相に触れてしまった天野達に、島民は、本性をむき出しにする……

幽麗塔 3巻

死んだはずの麗子が現れた。自らの義母を磔(はりつけ)にして殺した、麗子。事件後、神戸港で遺体として見つかった、麗子。その麗子が、何故・・・・・・その存在は、何・・・そして、誰・・・麗子、「死番虫」、そして麗子の元婚約者・本城志郎。この3者の関係が見えてくるほどに、そして幽霊塔の謎が明かされるほどに、「死番虫」の殺意は膨張し、天野らに向けられる。

幽麗塔 4巻

炎に包まれた幽霊塔の地下迷宮は殺人鬼「死番虫」を下敷きにして崩れ去った。しかし、その遺体が見つからない。迷宮で「死番虫」が犯した無差別殺人の罪は、幽霊塔から姿を消した天野とテツオに着せられる。当局に手配された二人は、天野が女装し、夫婦を装い身を隠す。女が男に・・・男が女に・・・へんてこな偽装夫婦。そんな二人が潜伏先の宿で出会った、一冊の小説。それは、幽霊塔の謎につながる驚愕の内容だった。

幽麗塔(5)

幽霊塔の秘密を知る小説家・不変木は、沙都子の実の母だった。丸部に性的虐待を受けてきた沙都子は、丸部家を出て、実母と暮らす道を選択する。実母は、共産主義を信奉する活動家で、同胞を日本から北朝鮮に移住させる計画を進めていた。何もかもが違う生活に戸惑う沙都子…冷めたごはん、ぬるくなった味噌汁、暗い家。そして……そこにもまた「死番虫」が現れる。天野、テツオ、活動家グループ、「死番虫」、バトルロイヤルの幕が切って落とされる!!

幽麗塔(6)

丸部により軟禁された、天野とテツオ。ご主人様の丸部は、もう好き放題。変態丸部に弄ばれつつも、天野とテツオが、その恥辱に耐えられるのは、互いへの信頼があるから。親友がいるから。しかし、ワケありの隠し事が、二人の友情に亀裂を生む。亀裂は修復されぬまま二人は、幽霊塔へと足を踏み入れる。

幽麗塔(7)

二人一組で幽霊塔の財宝を探す命がけのゲーム。勝ったペアには財宝の半分が与えられる。天野・山科ペアは、落ちてくる天井トラップをなんとかクリア。一方、テツオと丸部は、死の絶壁トラップに苦戦し、絶体絶命。しかしその状況下で、丸部はテツオを口説きはじめる。テツオの運命は……!?

幽麗塔(8)

幽霊塔内部、12枚の扉に囲まれた円形の部屋。その扉のどれか一つが財宝の隠し部屋につながっている。天野が選んだ扉の先にあるものは……そして、「死番虫」との決着は……覚悟を決めた天野は、もはや、かつての天野ではない。かといって運命は、そう都合のよいものではない……

幽麗塔(9)

「死番虫」を撃ち殺し財宝探しの勝者となった、天野。一方テツオは、脳交換手術によって、丸部と体を交換し男として生まれ変わろうとする。しかし天野にはその前にテツオに伝えたい想いがある。ドレスをまとい、直視できないほど美しいテツオ。天野はその美にたじろぎながらもテツオに、ある告白をする。