ジャズに心打たれた高校3年生の宮本大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。
橘あきら。17歳。高校2年生。感情表現が少ないクールな彼女が、胸に秘めし恋。その相手はバイト先のファミレス店長。ちょっと寝ぐせがついてて、たまにチャックが開いてて、後頭部には10円ハゲのあるそんな冴えないおじさん。海辺の街を舞台に青春の交差点で立ち止まったままの彼女と人生の折り返し地点にさしかかった彼が織りなす小さな恋のものがたり。
東京・渋谷、その片隅に一軒のとんかつ屋がある。その名も「しぶかつ」。三代目の揚太郎は、父・揚作のもと、なんとなく見習い修業を続ける毎日だった…。だがある日、とんかつを届けに訪れたクラブで、味わったことのない高揚感をおぼえる。そして伝説のDJとの出会いが、彼を本気にさせた。「とんかつもフロアもアゲられる男になりたい!」――――これは、とんかつDJとして踏み出した少年の青春物語である。