個人的には福本先生の最高傑作だと思います。それまであまり売れてなかったらしいのですが、この作品でブレイクを果たしたそうですね。さもありなん。傑作です。 序盤は今の作風からするとなぜなのかというありがちな人情ものなのです。「しろうとのたけし軍団相手に本気でホームランかっとばしちゃうヤクルトの大杉です」などギャグも豊富に出てきます。 ですが、2〜3巻くらいから初期カイジとかアカギっぽいビリビリした勝負ものの感じが出てきます。 最後16〜18巻はなんと麻雀なし(注:近代麻雀掲載マンガです)。が…そこが特に素晴らしいです。アカギの某選択をめぐって「生きるとは」というテーマを深く抉ります。メッセージ性もあり、すごくよかったと思います。 ちなみに「アカギ」という作品は本作からのスピンオフです。本作では50過ぎの一線からは退いたジジイで、初登場時は目の下のたるみもやばいのですが、切れ味は衰えてません。「オレのアンコはそこにある」など名言も多数です。 もしカイジしか読んだことないよって方は、絶対に読んだ方がいいと思います。ハンチョウしか読んだことないよって方は、やめた方が無難だと思います。
理想があるんだよ…!みな…!みんなそれぞれ理想の男像…人間像ってのがあって…そういうものを…目指すから人間だ…! シートン動物記を読んで黒沢先生は悟り、覚醒なさいました。 自分なりに挑戦することの大切さを教えてくれた作品です。年末の忘年会続きでヘトヘトになっていた脳細胞とハートに喝を入れるため再読しましたが、いつ読んでも頑張ろうと思えます。 終盤ホープレスたちの退去を中止させるために、黒沢が演説をブちます。その演説もそれなりに響くところがあるのですが、それよりもそれを聴き終わった時の仲根の表情にグッときます。 最後の暴走族との対決シーンは地形を駆使したり罠を駆使したり心理的な駆け引きがあったり、規模は小さいですがキングダムに負けない戦描写でした。さすが福本先生。
※ネタバレを含むクチコミです。
個人的評価☆1の新黒沢、正直わざわざ読む漫画ではない。 ハッキリ言って、名作と呼ぶにふさわしい前作に泥を塗った長大な蛇足だ。これを読むのは(ベクトルと所要時間が違うが)最強伝説仲根を読むのと同じぐらいつらい。もっとわかりやすく言えば、賭博黙示録カイジの後に(破壊録堕天録等々をすっ飛ばして)直接の続編として24億円脱出編が来るぐらいつらい。 しかし私はごく一部の人にはおすすめだと思う。 その理由は愛生流影の大黒柱にして中盤以降立ちはだかり続ける敵役、神林春樹の存在にある。 実にチンケで不快な手強さが特徴的悪役の彼だが、読んでいて「福本キャラ」のニオイを感じることができる。 恐らくは神林が全福本作品で最後の「生きた福本キャラ」、「福本伸行先生との距離が近いキャラ」になるだろう。彼の言動には作者の血が通っていると私は感じた。 逆に言えば、作者の血が通った福本キャラは神林を最後に消えてしまった。私見だが、最近の福本漫画には舞台装置または客観的観察対象としてのキャラしかいない。 つまり以上のような独断と偏見に満ちた福本漫画ファン視点からの資料的価値が神林、もとい新黒沢にはあり、この漫画がおすすめできるのはこの口コミに賛同できるか、口コミに騙されても寛容な精神で許してやろうじゃないかと言える人ぐらいに限られると思う次第である。 いるかっ…!そんな人間…!
ピリリと辛いと申しますが、こちらの短編も1巻完結と短いながらもシュワッとした読後感を残してくれます。けしてクリビツテンギョーな結末ということはなかったりしますが、プロでなくては書けない作品に仕上がってると思います。 なんとあのカイジの福本先生が原作、代表作多数のかわぐち先生が作画と、奇跡のタッグですので、面白くないものができようがなく、もしできてしまったらそれは編集者(もしくは大人の事情)のせいでしかありません。 結論としては面白かったです。読んでいると絵が全然うまいのでカイジ感は忘れてしまうくらいなのですが、言葉の選び方とか心理の抉り方など端々に福本節は感じられます。 ただ、この作品を体験してみてわかったのですが、福本作品は福本先生のあの絵だからこそ引き出せている魅力というものがありますね。マンガにタラレバは禁物ですが、もし福本先生が鳥山先生クラスに絵がうまかったとしたらカイジや他の福本作品はココまでヒッツしてなかったと思います。 ちなみに本作は心理サスペンスです。テンポもよく、面白いよ!
「賭博黙示録カイジ」で実質ラスボスだった利根川のスピンオフ的作品。 個人的に、 「金は命よりも重い」 とか 「一千万二千万稼ぐことの難しさ」 (受験を勝ち抜き、就職戦争でも勝ち抜いて一流企業に内定をもらい、そこでも遅れずサボらずミスもせず毎日律儀に会社に通って10年経ってようやっと手にする額~のような下り) といった、お金に対する金言が多く、大人になった今新たな魅力が再発見されている利根川。 「1日外出録ハンチョウ」は読んでいたのですが、なぜかこちらは少し読んだだけで食指が動かなかったんですよね。 というのも、上記のように「賭博黙示録カイジ」の中で、利根川って魅力的な敵キャラなんですよ。 悪には悪の正義があるを地でいく感じで、負け方も、一言で言えば武士の切腹のような潔さで、むしろ格好良かったんですよね。 そこらへんがハンチョウと異なっていて、スピンオフでコミカルに描かれていることに違和感があり手が出せなかったんです。 が、そんな考えにとらわれているのがアホでした。 結論からいうと、めっちゃ良かったです。 利根川の日々の会社での生活が描かれているのですが、「中間管理録」とあるように、上司(兵藤会長)と部下(黒服)の板挟みに会いながらも仕事をこなす様は、サラリーマンのそれで、学ぶことが多かったです。 仕事のこなし方、会議の進め方、部下の動かし方、上司のご機嫌とり、などなどサラリーマンとしては一度は悩みそうな点を、しっかり描いているので、社畜な方は読めば共感できると思います。 大体頑張って→結局報われない感じで終わるオチも含めて、現実の仕事の辛さを突きつけられて身につまされます。 基本的にはギャグよりなのですが、所々仕事や人生?に役立つエッセンスがあるので、やっぱり利根川は魅力的なキャラだと痛感しました。
福本先生の短編集です。3本入っていて、「銀ヤンマ」の他は「ガン辰」と「遠藤」です。福本先生「遠藤」って苗字好きですね。 内容は、3本とも安定の麻雀漫画ですので安定感があります。が、一方で突き抜けた魅力があるかと言われると少し微妙かもです。アカギとか天とかがまだならそちらがオススメです。ただ、短編なので、サクッと読みたいというニーズにはマッチしてると思います。 ちなみに銀ヤンマの主人公は平井銀次さんですが、「銀と金」の平井銀二さんとは無関係のようです。
めちゃ面白いです。わたしは初期カイジを思い出しました。福本節が大炸裂しています。 本当にめちゃ面白いのですが、福本節というか、すごくメッセージ性というか説教がすごいです。わたしなど、どちらかというと、クズだと言われる側の人間ですので、めちゃくちゃ身につまされて、面白いんだけど、純粋にエンタメとして楽しむまではいけないです。 敵が結構的を射たことも言うんですよね。正論というか。やり方は違うんだけど、あってることも言っていて、それがものすごく自分の身につまされます。 なのにそれを「面白い」と思える人間の脳ってどうなってるのでしょうか?「面白い」と思う要素ってなんなんでしょうね?? 結構福本作品売れてるので、面白いと思ってるのはわたしだけではないはずなのですが、すごく不思議です。
麻雀漫画と言えばコレ 福本先生独特の心理描写と麻雀が絶妙にマッチし、血液のやり取りをする麻雀は手に汗握る ただワシズ編が物凄く長い... 牌1個引くのに1話使うのは、福本先生だけじゃないかな... ワシズが地獄に逝って閻魔様倒して帰ってくるとことか笑ったよね 少しクスッとする部分もあるが、とにかく絶妙な福本節が楽しく味わえる究極の麻雀漫画 カイジや零好きな人は是非読んで頂きたい!完結してるから牌引くの待つ必要ないので!
麻雀マンガに興味がある人で、こちらの作品を読んだことない人はいないと思うほどの名作!ラストのワシズ戦があまりにも長く、1局に数巻使うというかつてのドラゴンボールのような状態になっていたのですが、無事対局が終了して良かったです。 徹マンで負けてる奴が「もう終わる」って口にしてくれた時と同等の安堵感・開放感がありました。 ただ、不思議と数日後にはまた徹マンに行ってしまうのと同じく、定期的に1巻から読み直したくなってしまいます。 何気に知らなかったのですが、こちらの作品が「天 天和通りの快男児」からのスピンオフだったのですね。てっきり逆で、人気のアカギが天にゲスト出演していたのだとばかり思っていました。それだけアカギの知名度・人気度が凄すぎるということではないでしょうか。 スピンオフが本家の知名度を超えてしまった稀有な例だと思いますが、その要因は、カイジなど他のフクモトプロ作品にも受け継がれている「特殊麻雀」ではないかと思います。麻雀はとても完成された知的なスポーツで、それ自体かなり面白く、マンガの題材としても面白くできるテーマなのですが、そこに少しスパイスを加えることによって何倍にも面白さがアップするという性質を持っています。他のスポーツで特殊ルールをやると途端にクソマンと化すのとは一線を画しています。 天の方はわりかしオーソドックスな麻雀勝負でしたので、やはり特殊麻雀というものを生み出したフクモトプロとアカギという作品は世界の麻雀マンガ界に革命を起こしたと言っていいと思います(特殊麻雀がアカギが初出出なかったらほんますいません)。
個人的には福本先生の最高傑作だと思います。それまであまり売れてなかったらしいのですが、この作品でブレイクを果たしたそうですね。さもありなん。傑作です。 序盤は今の作風からするとなぜなのかというありがちな人情ものなのです。「しろうとのたけし軍団相手に本気でホームランかっとばしちゃうヤクルトの大杉です」などギャグも豊富に出てきます。 ですが、2〜3巻くらいから初期カイジとかアカギっぽいビリビリした勝負ものの感じが出てきます。 最後16〜18巻はなんと麻雀なし(注:近代麻雀掲載マンガです)。が…そこが特に素晴らしいです。アカギの某選択をめぐって「生きるとは」というテーマを深く抉ります。メッセージ性もあり、すごくよかったと思います。 ちなみに「アカギ」という作品は本作からのスピンオフです。本作では50過ぎの一線からは退いたジジイで、初登場時は目の下のたるみもやばいのですが、切れ味は衰えてません。「オレのアンコはそこにある」など名言も多数です。 もしカイジしか読んだことないよって方は、絶対に読んだ方がいいと思います。ハンチョウしか読んだことないよって方は、やめた方が無難だと思います。