マンガ大賞2025はなんだと思う?赤井千歳 『ひらやすみ』真造圭伍 『ファントムバスターズ』ネオショコ 『ブスなんて言わないで』とあるアラ子 『ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~』尾羊英、中村颯希、ゆき哉 『プリンタニア・ニッポン』迷子 『平成敗残兵☆すみれちゃん』里見U 『平和の国の島崎へ』瀬下猛、濱田轟天 『変声』はやしわか 『冒険者絶対殺すダンジョン』道満晴明 『僕×スター』肥谷圭介 『ぼくの好きな人が好きな人』つづら涼、葵せきな 『僕の呪いの吸血姫』金井千咲貴 『星喰い殺しのイグナロ』山路新 『星屑の王子様』茅原クレセ 『星野くん、したがって』オジロマコト、ほしのディスコ 『ホタルの嫁入り』橘オレコ 『ほたるロードマップ』安堂ミキオ 『ホテル・メッツァペウラへようこそ』福田星良 『魔王城の料理番 〜コワモテ魔族ばかりだけど、ホワイトな職場です〜』ワイエム系 『贋 まがいもの』黒川裕美 『またのお越しを』おざわゆき 『MAD』大鳥雄介 『魔のものたちは企てる』ガしガし、加藤拓弐 『MA・MA・Match』末次由紀 『魔々勇々』林快彦 『まりあず〜Revenge of Rock'nRoll Sisters〜』川島よしお、ムラマツヒロキ 『みい子セレクション~LGBT編~』おのえりこ 『みずぽろ』水口尚樹、一色美穂 『みどろ』三輪まこと 『宮王太郎が猫を飼うなんて』山崎将 『みやこまちクロニクル』ちほちほ 『MUJINA INTO THE DEEP』浅野いにお 『無能の鷹』はんざき朝未 『目の前の神様』久野田ショウ 『メリー・ウィッチーズ・ライフ 〜ベルルバジルの3人の未亡人〜』メノタ 『モノクロのふたり』松本陽介 『やじきた異世界道中記』市東亮子 『山田君のざわめく時間』中丸雄一 『ヤンキーアシスタントの芹沢くんに恋をした』あけび 『羊角のマジョロミ』阿部洋一 『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』魚豊 『ヨシダ檸檬ドロップス』若木民喜 『黄泉のツガイ』荒川弘 『RIOT』塚田ゆうた 『雷雷雷』ヨシアキ 『竜送りのイサギ』星野真 『龍とカメレオン』石山諒 『林檎の国のジョナ』松虫あられ 『ルーム・ツアーズ』マツモトトモ 『るなしい』意志強ナツ子 『ルリドラゴン』眞藤雅興 『令和のダラさん』ともつか治臣 『ロックは淑女の嗜みでして』福田宏 『私と脱出しませんか?』ヨウハ、SCRAP 『渡り鳥とカタツムリ』高津マコト 『ワレワレハ』松枝穂積
追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~六志麻あさ業務用餅Kisui13巻まで刊行更新 2025/02/21(金)作品を読む
赤井千歳Twitter読切:『Ms.NOBOTAN』 『PINA!』『群青の棲む街』 『襟裳岬先生、原稿を僕にください』『ETC対策課のレポート』自主制作:『エンドロール』→note: https://t.co/gKDCe5fVDC
AI関連の議論を見ない日はないというほど、世間にAIが浸透している時代がやってきました。地続きの現実を生きていると実感が薄いですが、今や小学生でもAIを使って作文やデータ解析ができる時代です。自分の子供のころを思うと、『ドラえもん』で夢見たような未来の一端が実現されていると言えるでしょう。 ただ、テクノロジーの進歩が輝かしく照らす道の端には、その陰で失われていくものもあります。多くの職業がAIによって代替され消えていくのは必然で、人類の歴史上でも繰り返されてきた出来事です。 この物語は、余命1年を宣告された売れない小説家・菅井櫓を描く物語です。コールドスリープをした100年後の未来では、彼の作品が21世紀のベスト10に選ばれており国中が彼の新作を心待ちにしているという状態でした。 生成AIを利用して小説を書く「呪言師(ソーサラー)」の台頭により小説家を含む物書きがいなくなってしまってしまった世界を舞台に、創作の意義や様態にまつわる問いかけがなされていきます。 また、この物語を牽引するのはヒロインの更科結衣の存在です。自分の作品を処女作からすべて読んで愛し、生きる糧にしてくれていた女の子。櫓は、他の誰のためでもなく彼女のために小説を紡ごうとします。コールドスリープして100年経った世界には普通に考えれば結衣がいるはずはないのですが、直筆の手紙が届いたことで存命の可能性があると解り、彼女にまつわる謎と彼女との関係性という部分も本作のポイントとなっています。 小説がテーマになっている作品らしく、「経」と書いて「たていと」と読ませるタイトルから、作中で櫓が発するさまざまな言の葉まで文学的な表現に溢れているのも特徴的です。 「一流の文学者なんてのはもっと残酷な人種であるはずだ。彼らは、青春期の若者たちに一生彼らの心臓を掴んで離さない鮮烈なトラウマを、いかにして植え付けようかと苦慮するような人種であるはずだ。文学の持つ毒を、持てる限りの文才で、いかにも12月の針葉樹のように美しく飾り立てて…」 「インクの木になった果実でお腹を満たしたい」 といった表現は好きです。私も、電子の海に漂って生きながらも槙島聖護のように紙の本を愛し続けていくことでしょう。 ミケランジェロの言葉や『ソクラテスの弁明』を引用して、創作における芸術家の役割は実は本質的には変わっていないのではないか、と考える節など芸術の根幹に触れる部分は特に興味深く、AIが隆盛を極めていく時代にあって今一度向き合っていきたいテーマに歴史を俯瞰しながら正面からぶつかっています。その上で、AIには成し得ない、AIを超える創作をしようとする姿が堪りません。 純粋な小説家との仕事をする機会が失われた編集者ニールセン・叶エが、ノウハウもまったくない状態で初めての作家とのやり取りに苦慮するのも面白いです。AIによって現代よりも圧倒的に大量の物語が作られるようになった時代であるなら、その良し悪しもまた人間ではなくAIが判断するようになっているはずです。編集者という仕事は名前は同じでも仕事内容は大きく変わっていそうで、他の編集者がどのようなことを行っているのか気になります。 自動運転車は当然実用化されているとして、SF好きとしては端々に登場するであろう未来ガジェットの数々にも興味津々です。 小説の、創作の、創作者の未来に肉迫しようとする意欲作。物語を愛するひとりの人間として、目が離せない作品です。