下町で小さな小料理屋を営む京子のもとに、傷害事件を起こし刑務所に服役していた腹違いの兄・竜之介が帰ってきた。六年前、向島の芸者・お千鶴を助けようと過って人を刺したのだ。刑期を終え、ようやく戻ってきた竜之介だったが、彼を待ち受けていたのは疫病神扱いする義理の母や弟、そして近所からの冷たい目だった。しかも、刑務所に入る原因となったお千鶴までが……。そこには刑務所と同じ、限りない哀しみと孤独に満ちた果てしない「荒野」が広がっていた。
華文女子学園理事長の孫・陽美子は突然学園に乱入してきた総番長代理・立花竜一に、総番長である村井精二の姫始めの相手に指名されてしまう…。
主人公・北山勇介には夢があった。それは月にいくこと。家出をしてきたお嬢様の北条美樹は、ひょんなことから出会ったそんな北山勇介に興味を抱き、勇介が暮らすユートピア・シティ“夢の国”へとついて行く。そこには様々な人がいて、そして様々な生き方があった。そして、“夢の国”に朝がやってきた。出発の日の朝が――
彼らは 空を飛ぶ船に乗ってこの星に着いた。彼らの故郷に大きな異変の起こる前 銀河の青い星をあとにして―― もうずっと昔のこと…… 彼らはこの星に住みつき 未開だった大地を切り開き…… 月日が流れて巨大都市を築いた―― だが、異常気温が続き 星の全土を覆うほどの大洪水でふたたび未開の大地と化した…… ある惑星に住む青年ケンは、知りたかった…… 自身の祖先のこと、本当の故郷のこと。そして彼は旅立つ。真実を求めて……
浅草・雷門。祭りで賑わう街に、一人の男が現れた。その男を見た若い衆たちは、皆目を見合わせヒソヒソと話し始める。居酒屋を営む町衆のヒロイン・京子が、男を見て叫んだ。「おにいちゃん!」男は六年前にここ浅草で“事件”を起こして捕まり、網走刑務所に送られていた竜之介だった。京子と帰宅した竜之介を待っていたのは、母の手酷い縁切りの言葉と、弟の厄介者をみるような目。疫病神と罵られた竜之介は独り、家を後にする。隅田川のほとりで六年前を思い起こす竜之介だったが……巨匠・梶原一騎の紡ぐ、哀愁に満ちた男の生き様!
聖戦士軍による獣人の殲滅戦が続く地球。獣人最強の戦士『片眼のキバ』は、聖戦士の大軍に囲まれてたった独りで戦い抜き、敵を全滅させたが、自らも重傷を負って死に瀕していた。その彼を救ったのは、美しい人間の女性・天使。しかしキバは記憶を失い、仲間の異形種芸団と行動を共にする。しかし聖戦士に襲われた異形種芸団は全滅。無力になっていたキバは捕らえられた。そしてキバは、聖戦士の首領・リリスに両腕と両足を切断され、弄ばれた挙句に皮を剥がされ野に晒される。リリスは、天使のもう一つの人格だった。獣人最後の砦『聖塔アスカ』には、最終兵器・闇の聖獣が差し向けられる。復活したキバは、獣人の未来をつなげられるのか?
二十四世紀の地球。世界を統括していた人工頭脳に人類が反逆して『変動期』となり、地上には小さな基地に残る生者と、地を埋め尽くす死者(ゾンビ)の戦いが続いていた。新人類のリリー、ケン、キラーは、それぞれの使命と運命を背負って、多くの生と死を体験していく…。宇宙の意志とは?地球とは?神もまた、時の旅人に過ぎないのか?独自のイマジネーションに満ちた、松久由宇ワールド。
人類が終末を迎える半世紀前。一人の少年のファンタジーからこの物語は始まる。木登り好きな少年が分け入った山で発見したのは、かつて見たことも聞いた事もない大木だった。天に届くかと思えるその大木の頂上に、煌々と輝いている一番星を見たとき、少年は決心をする。あの星を、この手に掴まえてやろう!そして少年は大木を登り始めた。だが眼下に見える深淵、決して届かぬかもしれない星の輝きに、彼は悩む…。終末を迎えた地球人類の、追い求める希望と夢は?未完に終わったSF叙情詩の傑作。「スター・ロード」(1木に登る少年)(2ケセラセラのバラード)(3エミちゃんのレクイエム)(4生者も死者も)(5地球最後の日)他に「最後の少年」「白い虹」「逆10時の鎮魂歌」「制限時間」を収録。
グランドスラム――それは世界の4つのメジャータイトルをプロが年間で制覇する 究極のビッグタイトル。主人公の五代達彦は、そんなビッグタイトルを目指しプロゴルファーへの道を突き進んでいく。
暴力が支配する荒涼の世界。「聖市民」と呼ばれる一部の人間が我が物顔をし、獣と人のあいのこである「獣人」を狩り立てていた。最強の獣人「北の王」の下に集う獣人たちと聖市民軍は最終決戦に向けてその血を流していた。そんな中、戦士「片目のキバ」は聖市民軍に殺されそうになったところを謎の美女に助けられる……バイオレンス・スペクタクル巨編!!
この物語は大それたテーマを追求するものではない。あるちっぽけなSF(ファンタジー)を描くものである(『スター・ロード』本文より)。松久由宇のオリジナル初単行本となった作品。“破滅”を中心としたテーマで描かれた全5作品収録。
ある惑星に住むケンとリリー。二人は、自分たちが二十四世紀人としての地球人であることを知らない。そして、二十三世紀後期に生じた銀河系全域における“大異変”のことを…。松久由宇が描く超時ハードロマン!
松久由宇のSF短編集。ふとしたことで知り合った女性・ナミを好きになったタクは彼女に交際を申し込む。ナミはOKするが、3日間という条件付だった。なぜ彼女はそんな条件を…。そこにはある秘密が隠されていた(『タイム・フライト』)。表題作『タイム・フライト』を含む全8作品収録。
樹山冴子・26歳。建築デザイナーになる夢を捨てて、23で結婚して3年、子供なし。新婚気分が抜けないながらも、一抹の寂しさを感じる今日この頃。ある日、夫が突然会社の辞令で1年間ブラジルに単身赴任に出ることに。「待つ人」となった冴子は、刺激を求めて彷徨いだす……危険な蜜の香りにひかれていく冴子の運命は!?
後漢末、朝廷内部の不敗と混乱に加え、連年の災害による飢えから勃発した農民一揆は、新興宗教の指導者を領袖に得て「黄巾軍」と名を掲げ、その反乱は漢の各地に燎原の火のごとく燃え広がった。一方その頃、長江上流に戦乱を我関せずで酒池肉林に日を費やす豪族がいた。天下の性豪・黎寿とその新妻・姿蓉の、中原を舞台にしたエロティック・スペクタクルストーリー、フルカラーで登場!!
ニューヨーク20分署の同僚であり、恋人のブルーとともに銃弾を浴びたジル。奇跡的に助かったが、痛みを感じない身体になっていた。手術して1週間経たないうちに、自分たちを撃った犯罪者・ドラゴン一味が立て籠もった倉庫に向かう。撃たれても平気なジルは、中に突入してドラゴンの手下達を殺す。血の匂いで性衝動に駆られたジルは、ドラゴンに自分を犯させ、それから殺した。性衝動も抑制不能になったジルは…?