『マル!』武川展子 アフタヌーン 2017年7月号
『アリスと太陽』 凸ノ高秀 週刊少年ジャンプ 2017年 No.26
今週のジャンプに掲載されている読み切り漫画。 一人パソコンで楽曲制作をするだけの生活を送っている友達0男子の太陽と、帰国子女でかなり可愛いんだけど独特の空気感で人を寄せ付けない女の子アリスの音楽的な出会いを描いた漫画。 ヒロインのアリスが強引で開けっぴろげで口が若干悪くてとてもかわいいんだけどジャンプヒロインとしてはちょっと異色な感じを受けた。ただその異色な強引さがときにギャグっぽい展開を生んだり感動的な展開を作ったりしてとても良い。 面白かった
大きく時の流れが変わる時、一番純粋な者から犠牲になっていくのかもしれない
舞台は明治10年の北海道日高地方で、牧場開拓とエゾオオカミの絶滅を描いた物語である。 主人公は、未来少年コナンでもアイヌ人でもなく、北海道に入植してきた本州の子供だ。 薩摩郷士の息子なので、クマに立ち向かえるくらい肝が据わっており、エゾオオカミの一家と少しずつ交流を深めていく。 オオカミ同士がヒトの言葉でしゃべるのはご愛嬌。 もう一人の登場人物として、アメリカから呼び寄せたエドウィン・ダンという牧場技術者がいるが、この人は北海道の畜産業の発展に大きく貢献した歴史上の人物である。 アメリカから日本へ綿羊を輸送する際に、羊と寝食を共にして大事に世話し、一匹も亡くさずに運び込んだ(それどころか途中で生まれた子羊の数で増えた)というエピソードは、エドウィン・ダンが心から動物を大切に愛している人物である証拠だ。 そんな人がなぜ冷酷にもエゾオオカミを絶滅させるまでに至るのか。 そこが物語のテーマとなっている。 現代人から見るとオオカミやシカを次々と絶滅させた歴史は非常に野蛮だと思えてしまうが、この作品では人間=悪という単純な捉え方をしていないところが素晴らしい。 近代化の歴史を前に、誇り高く生きようとしても、絶滅を避けられない無力さがあったのだと思う。 良い漫画だった。
少年に読んでほしい漫画
ストリートファイトを題材にした漫画ですが、主人公が弱いところから努力で強くなっていく過程がリアルですごく好き。優しい心の主人公が、力をつけたことで内面にも変化が起きるあたりも印象的でした。 暴力というものを考える時に、中高生に読んでほしい作品です。
木絵さんの妄想
ドビーみたいなのがおもしろい
上村一夫の半生がモデルになっているらしいが
すごい面白かった。
不思議な桃を食べてタオを使えるようになった武闘家の戦い
ジャンプGIGAの新連載。2017年の最初の号で連載系は出切ったかなと思っていたが、2号目からの新連載だった。 不思議な桃を食べるとタオを使えるようになって、タオを使う武道家が悪さをしているから同じく桃を食べた主人公が仙人からのお役目としてタオ使いの武道家を倒して、人間界に安定をもたらすって言う感じのマンガ。 絵が普通に綺麗なだけじゃなくて、戦いのシーンが、武道とタオの魔法的な絵柄がとてもマッチしていて迫力もあってとてもいい。 そして久しぶりにタオという設定を見てちょっと胸熱だった。
唯一の彼女を救うため12年前にタイムリープして不良軍団でのし上がる
タケミチが中学時代奴隷にされていた不良軍団が12年後に大規模な暴力団的なものに成長していて、当時付き合っていた彼女が殺されてしまう。ひょんなことからタイムリープできることを知って、12年前の過去に戻って彼女が死なない今を手に入れる!的なタイムリープものとしては鉄板ストーリー だが、和久井健は「新宿スワン」描いていたっていうのもあってか裏社会的な怖さとか喧嘩的な激しさがいい感じに混ざっているし、主人公のタケミチは結構ダメな男なんだがそこから成長していく感じもありそうでいいヤンキー少年漫画
不良学園漫画とおもいきや社会派劇画なんだよな
※ネタバレを含むクチコミです。
1つの物語が重層的に語られて深みが増していく
一つの物語に出てくる主要な登場人物はだいたい二人くらいなんだけど、次の話でその二人とはまた違う人が出てくるんだけど、実は違う角度からさっきの物語を補完しているという話の作りになっていて、いろんな人の視点からいろんな人の出来事が掘り下げられていく。 1話1話も最初の方で「ん?どういうこと?」ってなるんだけど最後には「ああ、こういうことか」っていい謎解きをされた感じの爽快感がある。 すごく面白い。
『応援は羽球に乗って』宵町めめ 週刊少年チャンピオン 2017年No.26
「バド部の恥さらし」と言われるほどバドミントンの弱い主人公。 それでも毎試合、応援に駆けつける幼馴染の女の子たち(二人も!) うだつの上がらない主人公が、応援のおかげで徐々に前向きな少年に成長していく。 短い話の中でありながら、主人公の大きな変化が見どころかな。見開きページにも力強さがあった。
文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作「夏休みの町」
読み終わって最終的に「戻りたいけど戻れないあの時」を思い出すような作品。 だらだらとした大学生の夏休み、山のひらけたところでBBQの準備をしていたらTHE科学者ルックのおじいさんが現れて「宇宙人的な何かにさらわれた親友を助けるのに協力してくれ」と言われる。 超自然的な何かが出てくるSFっぽく話が進んでいくけど、全体的に懐かしい風景というか空気感があってあの頃に戻りたい欲がふつふつと湧いてくる短編
『マル!』武川展子、四季賞受賞作。 捨てられていた介護女性ロボットを拾った青年の話。 ロボットへの向けていた感情が、少しずつ変化していっているのがよく伝わってくる。そして… 審査員である鶴田謙二先生が「ここで終わるのが良い!!」とコメントしていて、「ああ、確かに笑」と思った。