冬の終わり、青の匂い

百名哲の短編集。キャラクターに独特の味わいがある

冬の終わり、青の匂い
名前はまだない
1年以上前

百名哲の短編集でどれもキャラクターに味わいがある作品ばかり。 「ばかねこ」は昔大学生だった頃に好きな男が「ちょー猫っぽい」ということで拾ってきたの喋る猫?を強引に押し付けられ3年間暮らしたOLの話。この猫、いつも何かに不安を覚えていて「トマトが毒だったらどうしょう」とかどうでもいいことばかり不安になっているバカな子なんですが、「ごしゅりんがいつか迎えにくる」と健気に男を待っていて、そして借りぐらしの肩身の狭さなんかも時折感じさせるような表情をして、バカなだけじゃなくてどことなく憐憫を誘うような子でかなり愛くるしくこれだけで連載してほしいほどです。 他にも「サムライ戦隊ブシドーファイブ」はクランクアップ間近の特撮ヒーローの役者や監督たちの話で、監督の優しさとレッド役の子の人の話を聞かずに先走ってしまう可愛さだけでなく、モブの運転手や部長さんも独特の存在感があってとてもいい味わいがあります。

劇画 蟹工船 覇王の船

覇王とは

劇画 蟹工船 覇王の船
ウマタロ
ウマタロ
1年以上前

小林多喜二の「蟹工船」を、ジョージ秋山のアシスタントを長年務めるイエス小池がコミカライズした作品。もともと読切作品だったが、2008年の蟹工船ブームの折に文庫化された。 出版に至った経緯はドラマチックだ。詳しく知りたい人はたけくま先生のページを読むとよい。 http://memo.takekuma.jp/?p=1217 読んでみての感想としては、個人的には原作とは大分違う印象を持った。 過激な描写が多いものの、表紙の罰河原赤蔵(ばつがわらあかぞう)のクレイジーなキャラと、不屈のヒーロー龍さん(オリジナルキャラ)の存在が痛快で面白い。 過去にも蟹工船系作品には触れてきたものの、プロレタリア文学とか格差社会という固まった評価の中で理解していただけだったかもしれない。 イエス小池バージョンでは、罰河原中心の視点で、世界が孕む狂気そのものを描いていて、そこはかなり際立っていて良かった。この漫画はとにかく、ラストの罰河原赤蔵の咆哮がすべてなんじゃないかと思う。これから大東亜共栄圏に突き進む歴史をも示唆していて、そこまで通して考えると、「おい、地獄さ行くんだで!」という書き出しの意味しているものが変わってくるようにも思えた。

ラストイニング

なんとなく読んでみたら

ラストイニング
まさし
1年以上前

わたしは、野球好きで野球漫画もそれなりに好きなんですが、ラストイニングは巻数が多くてなんとなく読んでいませんでした。 しかし読んでみるとおもしろい!主人公が選手ではなく監督というのが他の野球漫画と違っています。サッカー漫画だとジャイアントキリングも似たような設定ですが、ラストイニングは試合に向けての過程である練習も描かれているところがいいです。試合もジリジリするような展開満載で手が止まらなくなります!!

美術部の海野さんと山田くん

『美術部の海野さんと山田くん』真造圭伍モーニング2017年27号

美術部の海野さんと山田くん
地獄の田中
地獄の田中
1年以上前

【CARNAVAL】の第10弾、この読み切りが真造圭伍モーニング初登場だとか。 美術部で真面目に絵を描いている山田くんは、絵も描かずにだべっているだけの美術部員海野さんがそんなに好きじゃない。けどある日海野さんに絵を褒められて「普段はキモーいってバカにしてくるのに急に褒め出したから何か裏があるのでは?」って勘ぐっていると、案の定マニキュアを塗って欲しいと頼まれた、っていうマンガ。 真造圭伍らしい、なんてことない日常を捉えながらも心情がよく伝わってきてなんだか懐かしい気持ちになるいい読み切りマンガだった。

覚悟のススメ

圧倒的なオリジナリティで描かれる少年漫画の傑作

覚悟のススメ
名無し
1年以上前

「シグルイ」と並ぶ山口貴由先生の代表作。 弱きを助け強きを挫く、善をよく勧め悪を討つ、少年漫画の原点をテーマに据えながら、キャラクターや展開は他に類を見ないオリジナリティが溢れている。さらには山口節とも言えるセリフ回しがまた魅力的で「雑草などという草はない」は覚悟のセリフの中でも特に印象的なセリフだし、罪子の「雲の上に住んでるんじゃないんだもん。誰だって叩けばホコリぐらい出るわよ」からもこの世界に住む人々の強く優しい心が伝わってくる。また、力強さだけでなく詩を思わせるほどのリズム感の良い。 もちろん戦いのシーンも迫力があるし、どこを切っても最高としか言いようがないマンガ。瞬着!覚悟完了!!はいつかいいたいセリフ不動のNo. 1。

キン肉マンII世 究極の超人タッグ編

キン肉マンの中の名作!!!!!

キン肉マンII世 究極の超人タッグ編
たまらんたろう
1年以上前

キン肉マンは、今でも、連載されていて、100巻以上を超える作品ですけど、このシリーズなくしては語れません。 ぼくは、平成生まれで、二世から読みはじめました。 二世では、若い超人がことごとく歴代の伝説の超人を倒していきます。 しかし、それは、老いぼれた歴代の超人。 若い黄金現役ばりばり同士だったらどっちが強いのか!!! そんな本当の夢の戦い。 一世、二世を読んだ後、読むとしびれます。

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