ぎんしお少々

ままならぬ二人の銀塩生活 #1巻応援

ぎんしお少々
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

カメラ趣味には大きく二つの指向がある。一つは最新の機材で厳密な撮影を行う指向、もう一つはゆるさや味わいを求める指向。この作品の指向は、後者。 この作品に登場するのはフィルムカメラ。主人公が別れの間際に姉から貰ったのは、トイカメラと呼ばれる物。トイ=おもちゃだが、撮るのが簡単という訳では無い。普通のカメラに慣れていると戸惑う代物で、失敗も多く……というのは作中の通り。 ままならないこのカメラを託された高校生の妹は、入学の桜の下で美少女と出会う。 性格の明暗はあるものの、二人ともどこか不器用。二人の会話の拙さ、思いが言葉にならない感じは、もどかしいが自分の普段の会話を見ている気がする。 二人は撮る/撮られるの関係性を通じて仲をじんわりと深めていく。この二人にそれぞれの、離れて暮らしている姉を加えた四者の関係は、「離れている」事で色々な事が少しずつ繋がったり、分かったりするのが面白い。 それぞれが心に抱える「ままならなさ」と、フィルムカメラの微妙な間・もどかしさ・味わい・待つ楽しみなどが絡み合い、そのもどかしさがクセになるような、不思議で楽しい読み味だった。

ワレワレハ猫デアル

ネコっぽくてアホっぽい宇宙人に侵略されたい

ワレワレハ猫デアル
野愛
野愛
1年以上前

ジャンプというよりコロコロコミックみが強い…! 2頭身のアホかわいい宇宙人に侵略されたいという欲望が人間には備わっているのかもしれない。しかもネコ型だなんて数え役満みたいなもん。 地球人はネコが好きという情報を得たコバーン星人たちが、ネコによく似た見た目を利用して地球侵略しよう!というお話。 コバーン星人のジャムがネコアレルギーの少年りんたろーと出会ってなんやかんやするんだけどなんかもうニコニコしちゃう。子どもの頃に読んでたギャグ漫画を思い出してとりあえずニコニコしちゃう。 ギャグ漫画界の第7世代って書いてあるのに懐かしさすら感じる。ギャグ漫画は伝統芸能ってことなんだなきっと。 実際コバーン星人が来てくれたらネコ好きのネコアレルギーさんはうれしいだろうな〜 たくさん飯食わせたいしネコと遊ばせたいな〜

連ちゃんパパ

これはもう一種のホラー漫画だ

連ちゃんパパ
ピサ朗
ピサ朗
1年以上前

ギャンブルの恐怖、不快感、やるせなさ、人間の弱さ、クズさをこれでもかと描いていて、ネガティブな感情しか持てない最低の漫画なのだが、怖いほど、不快なほどむしろ優れたジャンルとなるホラー漫画と同じくギャンブル依存症の啓発漫画として見るならばこの酷さはむしろ絶賛すべき部分であろう…。 少々向こう見ずというか考えが浅いようには見えても、まともな人間だった主人公が些細な切っ掛けからパチンコに目覚め、完全な人間の屑に堕ちていく様は絶句するしかない。 恐るべきは「誰もがこう成り得る」というのを感じさせる生々しさで、登場するキャラクター全員パチンコを覚える前は、多かれ少なかれ善も悪も抱えた平凡な人間だという描かれ方なのだが、パチンコを覚えた途端善性を投げ捨て人間の悪性を恐るべき勢いで増大させていくのである。 そしてその被害にあうのは依存症者の財布だけでなく家庭そのもの、要は犠牲者は子供であるというやるせなさと生々しさが実に強烈、しかもそこまで身を崩しておきながら、ストーリー上の制裁的な部分が全く描かれず、ココもまた生々しい…。 普通の漫画なら破滅するか死の制裁か立ち直るか、そういう部分が入るがそんな救いも終わりも一切なく、最後のオチも恐怖しかないというか、もう勘弁してくれと言いたくなるその後が想像できる物で、ただただ一度ダメになった人間はダメなまま平気で生きていくという、そりゃそうだろうけど、そんな描かれ方を読まされるこっちの身にもなってくれと言いたくなる。 絵柄はファミリー4コマさながらの読みやすい物で、ストーリーも分かりやすく理解しやすいのだが、描かれている人間の醜さと屑さは理解を拒みたくなる強烈な物で、とにかく読んでいると精神を抉られる。 自分はここまでギャンブルにハマってないと思う人も多いだろうけど、些細な切っ掛けが有ればあっち側にいたというのを否定するには、でてくる人間が普通過ぎて、正直断言できないのがまた怖い。 ギャンブルの怖さを描くという点ではこれ以上ない作品で、恐怖と不快感はある種ホラー漫画やグロ漫画と同じく、マイナスだからこそ評価すべき部分でもあるが、それでも圧倒的な不快感は人に勧めるのを躊躇う物で、実際にパチンコ公営競技やガチャ、一番くじにハマってる人に見せても「自分はマシ」だと思わせかねないキャラクターの深刻な依存症っぷりはもう誰に見せるべき作品なのか分からない。 おススメはしないし、見て不快になってもしらないが、その強烈な内容と読みやすさの両立という点では、漫画としては相当に上手さを感じさせる作品ではある。

2ヶ月後

集大成のような読切り!

2ヶ月後
nyae
nyae
1年以上前

するはず、するべき!と思っていましたが、やはりこの猫シリーズが単行本化するみたいですね!ぜっっっっっっっったいに買います。 今回の読切りは今までのシリーズの集大成のような内容 。 第一弾「KIKUO」の主人公「きくおくん」の行方を追うリチャード一行と飛行機の中で顔を合わせる今まで出てきたキャラクターの面々。この飛行機ごと買い取りたいくらいかわいいが集まっている… 単行本では、その後のきくおくんは出てくるのでしょうか…!?

めんつゆひとり飯

マインドもレシピも素晴らしい

めんつゆひとり飯
野愛
野愛
1年以上前

もしかして世界一役に立つお料理漫画なのでは? めんつゆ、冷凍食品、コンビニ食材などを駆使して簡単かつ美味しいレシピを教えてくれるのでとってもありがたいのです…! しかも漫画もちゃんと面白いから恐れ入りました。社長かわいい。 めんどくさがり屋だけど要領がよくてめんつゆレシピを教えてくれる面堂さんはもちろん、面堂さんの同僚たちもいいキャラクターしてます。 毎日丁寧なお料理を作る十越さん、肉と米とカロリーが大好きな保ヶ辺さん、お料理上手のフリを続ける面堂さんのお姉ちゃんなどなど……。 個性豊かなキャラクターが登場することにより、簡単な料理も丁寧な料理もコンビニご飯もいいよね!という全肯定感が素晴らしいんですよね。多様性!! めんつゆレシピもさることながら、冷凍ポテトの肉じゃがと刺身のツマでイカ大根に感動しました。その発想はなかった!

魔法少女サイト

「君がそれを愛と呼んでも」との共通点

魔法少女サイト
名無し
1年以上前

ここでの彩、「君がそれを愛と呼んでも」の明日花みたいで可哀想(家族から酷い扱いを受けていたり、同年代の子たちにいじめられたり)…。 火本と奴村が朋和とリサに通じるところがあるし、ヒロインを助けようとすることでヒロインを支えているようだな。 荒井と悪女トリオ(雫芽、貝島、川野)は陽平や彼の遊び仲間(ギャンブル仲間やキャバ嬢)みたいでムカつくし、あのバカどものすることは超許せない。 作品全体では、どちらもグロいシーンが多いわな。

ほっこりできない根暗オタク女の日常をまんがにしてみた

共感度が高い人ほど根暗

ほっこりできない根暗オタク女の日常をまんがにしてみた
名無し
1年以上前

秋田出身の漫画家、お肉おいしい先生の日常(主に独り言)を描いたギャグ漫画。タイトルに反してほっこりできます。映画「思い出のマーニー」の感想が出てくるんだけど、自分と同じ感想すぎて笑ってしまった。誰にでもありそうな、ちょっと根暗な部分を、共感できるように描くのがとにかく上手い。共感すればするほど「自分は思ってたより根暗な性格だったかもしれない…」と感じてしまったり。

秘剣・雪の華

前振りからのオチが最高!8p読切 #読切応援

秘剣・雪の華
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
1年以上前

シリアスな時代劇ものに見せかけたハレンチギャグ読切! 道場の男たちが誰も敵わない、剣で生きる女性の話かと思ったら、そうだ、この作者って『いとやんごとなき』描いてた人だったと分からせられるショート読切。 ショート8ページでこんなに凝縮できて、絵が上手いのでまんまと騙されてしまいました! このボケ方今まで見たことないです! 最高です! https://www.sunday-webry.com/viewer.php?chapter_id=106879

ラジエーションハウス

86話が配信停止 理由は「医療用カテーテル」の画像使用が問題となったため

ラジエーションハウス
名無し
1年以上前

現在めちゃコミではScan:86が配信停止になっています(2021年4月22日時点)。その理由について「画像の不適切な使用(模写)があったため」と、21日に発売されたグランドジャンプ 2021 No.10にて編集部より説明がありました。 この86話に登場する医療用カテーテルは、東海大学医学部内科学系循環器内科・伊苅裕二博士によって開発されました。独自の形状から「イカリカーブ(IKARI curve)という名称で商標登録されています。 しかし今回、ラジエーションハウスの作中で医療機器メーカー営業担当者が医師の要望に合わせて調整して作ったというストーリーでこの画像を使用したため、**「実際の開発過程がこうだったかのような印象を与えている」**との指摘があったそうです。 そのため現在、86話の電子版は新規販売が停止しています。 また、単行本収録にあたりこのエピソードの内容の変更・加筆修正が行われるそうです。 ▼カテーテルのページとグランドジャンプ編集部よりお詫び

湯沸かし勇者の復讐譚~水をお湯にすることしか出来ない勇者だけど、全てを奪ったお前らを殺すにはこいつで十分だ~

本当に水を沸騰させる力で戦ってる

湯沸かし勇者の復讐譚~水をお湯にすることしか出来ない勇者だけど、全てを奪ったお前らを殺すにはこいつで十分だ~
異世界スキー
1年以上前

読む前はこんなタイトルだしギャグっぽい感じかなと思ったんですが想像より何杯もダークでシリアスな話でした。 勇者に選ばれた村娘のキリエは「沸騰」というハズレ能力を引いてしまったばかりに王に命を狙われ村ごと焼かれてしまいます。この描写が徹底しているのでキリエの復讐にも相当な説得力が生まれていて見事。 沸騰を利用して戦ったり恨みを晴らすのも迫力あります。読んでて脳裏をよぎりましたけどジョジョにもそんなスタンドがあったような…。 ただ復讐のシーンはグロくてちょっとやりすぎかも…嫌なやつが痛々しい目に遭えばスッキリするっていうレベルを超えてる気がする。 個人的な復讐をゴリゴリ果たしていくっていうよりは体制転覆モノとしてのカタルシスを楽しみたいですね。

夏雪ランデブー

幸せのカタチ

夏雪ランデブー
干し芋
干し芋
1年以上前

亡くなった夫とはじめたお花屋さんをそのまま引き継ぎ、毎日元気に働いている、六花。 その六花に、一目惚れして、多肉植物を四畳半の狭い部屋いっぱいに購入している葉月。 ある日、アルバイト募集の張り紙にこれはチャンスと応募し、ちゃっかり店員になった葉月。 でも、奥手な葉月は、なかなか六花に気持ちを打ち明けられず…。 亡くなった六花の夫の篤は、葉月にしか見えない霊として二人の関係が進みそうになるとあの手この手で邪魔をする。 最後には、葉月の身体を使って六花の元に・・・。 後半は、葉月が絵本の中に入り込んで、かなりファンタジーな感じがします。 二人から真っ直ぐな愛をもらう六花は、とても幸せだけど、亡くなった篤の面影をいつまでも追い求めている。 そんな六花を愛情深く包み込んでくれる年下の葉月は、本当にいい男だし、そんな人に出会えて救われた六花が羨ましいし、幸せになって欲しい。

魔法少女全員おじさん

何でも魔法少女にすれば良いというものではない(褒め言葉)

魔法少女全員おじさん
兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前

古来より続く人気ジャンル「魔法少女」モノの人気が『魔法少女まどか☆マギカ』によって更に過熱してから早10年。 正統派の魔法少女モノの設定を踏襲した様々な亜種が登場した10年でした。 その中でも、特に異彩を放つ作品の1つがこちらです。 タイトル通り「魔法少女」という名前を冠しながら少女どころか女性、何なら若い男性すらほとんど登場せず、ほぼおじさんしか描かれません。 腎臓の結石を気にする五十路間近のおじさんに超強力な魔力回路や濃密な魔素が備わっているという、それっぽい単語を使った設定が素敵です。 一見出オチのような設定ですが、読み進めると意外な深みも出てくるのはある意味『まどマギ』的でもあります。 おっさんしか出てこなくても、面白い物語は作れるという良いお手本です。

プラタナスの実

真心先生の家族、何か色々ありそう。

プラタナスの実
Pom
Pom
1年以上前

小児科医の真心先生を主人公に、今の小児医療に焦点を当てて描かれている。 平行して、真心先生の家族との確執(過去?)が浮き彫りになっていく。 やはり医療系の話は、感情移入して涙なしには読めない。。 3巻でやっとお父さん、お兄さん、真心と揃ったところ。ここから色々ありそうです。 続きが早く読みたいな。

R.O.D

伝説の"紙"アニメ

R.O.D
mampuku
mampuku
1年以上前

2001年にOVAとして、2003年にTVアニメとしてリリースされたメディアミックス作品。深夜アニメ黎明期、今と比べるとクオリティの高いTVアニメは稀でしたが、その代わりOVAが凄かった時代ですね。「逮捕しちゃうぞ」や「マクロスプラス」、そしてこの「R.O.D」など、今日日映画でもなかなかお目にかかれないような超絶作画の宝庫でした。 ストーリーもまぁ面白かったといえば面白かったのですが、何より「紙」を操って戦うアクションの視覚的な斬新さと、夥しい数の紙が縦横無尽に舞い踊るのをオール手描きでという職人芸が人気の理由ではないでしょうか。時代を感じさせるキャラデザですが(漫画版はさらに)、作画の出来が良いと気にならなくなるものですね。

派遣社員あすみの家計簿@comic

愚かな主人公と共に成長しましょう

派遣社員あすみの家計簿@comic
野愛
野愛
1年以上前

若くてかっこよくて飲食店のオーナーをしている恋人と結婚するので仕事辞めます!幸せになります! と寿退社かました途端、恋人に逃げられすべてを失った女性が再び立ち上がるお話…だけど主人公のあすみにあまり同情できないのがこの作品の面白いところです。 ・結婚したら僕が全部養ってあげるからね、あとで何百万入れとくからね! という恋人の言葉を疑わず、全部自分のカードで支払い ・ほんとに大丈夫なの?1年は付き合って見極めたら?という冷静な家族の言葉を無視 ・生活費がなくなったので親友に金を貸してと泣きつく ・食費すら切り詰めなきゃいけないのにデパコスのマスカラ、高級万年筆、お洒落カフェのスコーンなどを買う うーん。やっぱり同情できないんだなあ…。 とは言え、いきなり生活水準を下げるのはとても難しいことですよね。 しかも、約束されていた幸せが全部なくなってしまったなら尚更。 まだ28歳ならすぐバイトすりゃいいじゃん、頭下げて実家帰ればいいじゃんと思うのですが、悔しさ寂しさ恥ずかしさ…いろいろな思いがあることでしょう。 読んでいて8割方イライラモヤモヤさせられるあすみですが、なんだかんだ立ち上がって強く生きようとしています。 ちょっとだけ同情して、ちょっとだけ馬鹿にして、たっぷり反面教師にしながらしっかり見守っていきたいと思います。

お姉さんは女子小学生に興味があります。

小悪魔幼女×変態お姉さんのマリアージュ

お姉さんは女子小学生に興味があります。
みや
みや
1年以上前

あかんタイプのロリコン(女性)を軸にしたあかんタイプの漫画 主人公が男なら即通報されてます! 「幼女は触れず愛でる対象である!」 がスタンダードな社会でだいぶ性的に見るお姉さんを主役にぶちこんで来た作品です ・Yesロリコン ちょいタッチ ・来世は幼稚園の足ふきマットになる ・私はいつだって本気で間違いをおこしたい・・・ッ こんな事口走っちゃうアラサーのお姉さんが好きな方、もしくは小悪魔幼女が好きな紳士にオススメ 台詞回しとかツッコミもセンスある良作です。 ※画像はお姉さんの学生時代です

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版

昔は「ガンガン」っ子でした

ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版
六文銭
六文銭
1年以上前

小学生の時分。まわりが、ジャンプやサンデーやマガジンで湧いていたころ、ひねくれ者だった自分は「ガンガン」を読んでいました。 というか、わりとクラスで、地味めの、いわゆるオタクっぽい輩は大体ガンガンだった。(あくまで個人的な感想です) 「魔法陣グルグル」「ハーメルンのバイオリン弾き」そしてこの「ロトの紋章」は当時、ガンガンの3大タイトルでした。 ジャンプで例えるなら「ドラゴンボール」「スラムダンク」「幽遊白書」みたいなもんです。(ちょっと違うか) ジャンプでドラクエをベースにした「ダイの大冒険」がヒットしたので、エニックス(現:スクウェア・エニックス)のお膝元である、ガンガンで連載したのでしょうかね? ガンガンには、既にドラクエの「4コマ漫画」が掲載されているので、「ドラクエ要素」は結構あったのですが、 4コマがギャグならこっちはシリアス路線で、小学生ながら違う味を楽しんでました。 大人になった今、電子書籍でもう一度読み直してしまいました。 懐古厨といわれても、いい。 今読んでもホントに面白かったです。 著者いわく、電子版配信にあたって今風に加筆修正されているそうです。 その意欲スゴっ! なのですが、一方でストーリーの大筋は変わっていないので、 小さい頃読んだことある人でも、特段違和感はないように思います。 さて、本作の魅力ですが、個人的には2つあると思ってます 1つ目は、純然たる少年漫画であること。 2つ目はそれに加えて、人生の苦味とも言える要素があること。 私はこの2点だと思っております。 1点目は、とにかく少年漫画の王道。 ストーリーも有りてい言えば、修行して強くなって、悪い魔王を倒す。 んで、魔王は底なしに悪いやつ。という設定は、少年漫画そのものです。 更に、少年漫画ではド定番の「必殺技」もたくさんでてきて、特に賢者(賢王)の合体魔法は、ゲーム好きでもあった自分には胸アツな技でした。 小学生の頃はよくマネしたり、自分で考えたりしたものです。 敵キャラも、獣王、竜王、冥王など四天王のようにわかりすく強そうな感じで登場し、味方サイドも剣王、拳王、賢王という、これまた戦士、武闘家、賢者というわかりやすく職業が決まっているのが良い。 シンプルでわかりやすいのは、少年漫画としては大事ですね。 そして2点目は、これが割と大人になった今でも無理なく読めたところなのですが、上記のように少年漫画チックにしておきながら、人生の苦味ともいえる要素があって、例えば、重要な人物が結構死ぬということ。 しかもあっけなく。 少年漫画では、よくある 「実は死んでませんでした~(てってれー)」 みたいなことがなく、ガチで死にます。 ドラクエならザオラルがあるよね? 世界樹の葉があるよね? なんて、どこか思っていた節があったので、このガチな死は子供ながらにトラウマだったんですね。 ですが、今読むと、 「まぁそうだよなぁ」 世界救うのに、こっちの犠牲は0じゃすまないだろ、と妙に納得してしまいました。 トラウマから納得。 この加齢とともに変わってしまった感覚もどこか楽しかったです。 特に、タルキンの決死のメガンテから、賢王覚醒は今読んでも涙してしまいました。 もう1つは、主人公のアルスが魔人王ジャガンとの初戦闘で、 ボロ負けして、最後に「ビビる」シーン。これが鮮烈なんです。 少年漫画の主人公ならどんな逆境でも、物怖じせず、引かぬ、媚びぬ、突っ込むの精神(少なくともジャンプなら)だと思うのですが、 本作では上記のとおり、主人公であり勇者でありながら、あまりに人間的(まるでモブキャラのように)に死を恐怖する。 少年漫画の主人公が超人的な強さと精神力をもった次元の違う存在、ある種の絶対的なヒーローとして君臨するのに対して、 本作のアルスは違うんですね。 そこが、大人になった自分はグッときたのです。 そこらへんの子供と何も変わらない一人の少年なのに、勇者の家系に産まれた血の運命と、世界を救う使命だけで気を張って戦ってきたのかと思うと、その姿に腹の底から応援したくなるんです。 (上述の戦いの後、アルスが再起する姿も、また涙ものです。) 勇者一人じゃ何もできない。 だからこそ、仲間の助けが必要だということを理解させてくれます。 勇者とは単純な強さだけではなく、仲間を信じ、助けあい、逆境の中で奮い立たせられる力なんだと身にしみてわかります。 ラストシーンの全人類VS異魔神も、アルスのその姿が際立ちます。 懐かしい人も、初めての人も、ドラクエ好きな人も、ファンタジー漫画の定番としてぜひおすすめしたい作品です。 余談ですが、惜しむらくは、 電子版には、背表紙がないってことですかね。 キャラが行進?していく姿が一枚絵になる、あれが何気に好きだったんですけどね。それが、ちょっと残念でした。

微妙に優しいいじめっ子

木崎くんはとても優しい

微妙に優しいいじめっ子
nyae
nyae
1年以上前

Twitterでバズっていたので知って1巻だけ読んでみました。 大人しくてぼっちの田村くんにやたらと絡んでくる木崎くんの日常ギャグです。 読めばわかりますが、木崎くんは見た目と言動が不良なだけで、根はとても優しく、田村くんがクラスメイトに「村田」だと間違われてるのを見過ごせずに「田村!田村ァ!」と絡むようになったのです。 2人きりのときは「たむたむ」と呼ぶし、捨て犬はほっとけないで飼っちゃうし、中学時代の不良仲間と田村を会わせないようにするし、微妙にではなくかなり優しい木崎くんです。 木崎くんが風邪で学校を休んだとき、田村くんはホッとしますが元々ぼっちなので誰からも話しかけられない場面が切ないです。

ずっと独身でいるつもり?

原案は雨宮まみさんのエッセイ

ずっと独身でいるつもり?
かしこ
かしこ
1年以上前

おかざき真里さんと雨宮まみさんのコラボはぴったりだなぁ。 繊細だけど華やかで。巻末のお二人の対談も読み応えある。 タイトルは「ずっと独身でいるつもり?」ですが結末はポジティブで、その問いに対しての答えはイエスです。 私があまり将来に悩まないのは、こういう先人たちの教えのような作品を読んでるからだと思う。

夏越しの鳥

前編だけでも完璧な読切なのに

夏越しの鳥
名無し
1年以上前

子供がいない夫婦が盗みをして暮らしているような身寄りのない男の子を引き取る話なんだけど、読んでると実は夫婦には子供が二人いたけど上の子は死んでしまって下の子はお金がなかったから産まなかったという事情が見えてくる。それでも夫婦仲良く生きてきて悲しみも癒えてきた頃に盗人として捕まりそうになってる男の子と出会って咄嗟にかばうんです。そこで奥さんの方が「私たちの倅なんです」って言うのが泣ける。前編でこんなにいい話で後編でどうなっちゃうんだろう。

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