第一部完
近年稀に見る残念男子の成長と恋
クールで鈍感、天然で受け身、器用貧乏で容姿端麗で凄くモテる主人公関根くん。 世にも稀に見る残念男子が自分の趣味を見つけようと編み物教室(マジック教室?)に通い、そこで気づかずながらも恋をする話 あまりに無関心で殻に籠りっぱなしの関根くん、そんなの関係ねぇとばかりに干渉してくる店長のお孫さん。 そこで少しずつ喜怒哀楽を見せる様になるが自分の感情にも無関心だった為になかなか自分の感情にも気付けずもどかしい。 いざ好きな人が出来てもアプローチの方法が分からずしどろもどろですが不器用ながら頑張る姿も愛らしい。 そんな残念男子関根くんの成長と恋模様を描いた話、母性本能をくすぐる様な可愛さとクールさを絶妙にマッチさせる表現力と絵のタッチがとても合っていて面白いです。
小山田先生を偲んで
少年チャンピオンがやや勢いを失くし始めた80年代冒頭、そこで一際輝きを放っていた「すくらっぷ・ブック」の小山田いく先生の短編集。 「五百羅漢」は小山田先生のデビュー作であり、清涼感溢れる絵柄とどこか神秘的、ミステリアスな絵柄をミックスした印象です。 読了したあとに一抹の寂しさが残るのは後年の「すくらっぷ・ブック」に通じるものがありますね。 「すくらっぷ・ブック」と「ぶるうピーター」に代表される青春偶像劇だけでなく、小山田先生の作品を読んだことのない方にはまた違った一面を堪能できる短編集です。
人情味あふれる時代活劇
江戸で「探し屋」なる仕事を生業とする、夫婦の物語。 現代の探偵に近い感じでしょうか。 俊之介と美咲 江戸っ子らしい粋な主人公・俊之介と、その妻・美咲が暮らす長屋へ、様々な依頼が舞い込みます。 おかまっぽい三代目の一心太助、にぎやかな長屋の人々、口うるさい岡っ引きなど、にぎやかで活気がある時代劇の世界に入ったような感じがします。 そして、奥さんは少しドジですがかわいらしくそして強い! 江戸時代の雰囲気、謎解き、人情ドラマ、アクションが一気に楽しめる爽快な作品です。
自分ならどう行動するだろうか…と考えさせられる作品
数年後に迫る破局的な結末を知り歴史の改変に動く草加と、その考えを深層で理解しつつも歴史改変に抵抗感を覚え、仲間を守りつつ別の方策で解決を図らずを得ない角松のジレンマが見事に描写され、ストーリーに深みを与えています。いざ自分が同じ立場に立たされたとしたら、どう行動するだろうか…と深く考えさせられる作品です。
5才差の恋物語
歳の差がある恋愛漫画で、男の子の方が5歳年下で、小学生の時点から始まる漫画は珍しいと思う。(ランドセル背負っとるし…) 最初は男の子が小学5年生、女の子は高校1年生なので、これから年月が経っても同じ学校に通うことはできないというのがもどかしい。 互いの同級生にはライバル的存在がいるので、その辺りの関係も見所かなと思います。
ゴルフの強さと人格の出来具合は比例するのか?
あらすじの通り、三流のプロが田舎のゴルフコースでのゴルフをきっかけに立ち直りチャンピオンに輝くまでが描いてある。 2回目のトーナメントは調子良かったが怪我を試合を断念したあとからの修行と最後のトーナメントが本編が坂田信弘原作っぽくっていい。 山奥で歩き回るトレーニングを知り合った猟師に学んだりとゴルフの練習はほとんどせずにいたが、山から降りたら覚醒しゴルフも強くなるは人格までも変わってた。 おなじコンビの一番弟子に比べてちゃんと完結しているので良かった
遅刻魔チコちゃん
いいなあ〜。チコちゃんのキャラデザがものすごく好みです。 名前の通り厳しそうな先生がチコちゃんに見事に振り回されてるのが微笑ましい。またチコちゃんに会いたい。
理解できたのかどうか自信は無い
エログロとか耽美的世界とかには興味を感じなかった。 触れることを強要されるようなジャンルでもないし、 幸いにして触れる機会も無かったし、 なので喰わず嫌いかもしれないとも思いながら ほとんど関わらずに過ごして来た。 例えば、自分は松田優作が好きだったが、 アクション物や文学作品的なものは見たけれど、 「陽炎座」は「まあ・・無理に見ないでもいいか」 と思って、未だに見ていない。 鈴木清順作品だからとか、耽美的だとか聞くと 自分の好みではないだろう、 自分には理解できないだろう、と思って。 で「ライチ☆光クラブ」 何回か「あれは凄いよ」という評価を聞いた。 「グロイけれど凄いよ」「耽美的だけど凄いよ」 との評価だけれど。 なので「喰わず嫌いなだけだったら損だしな」 という動機が半分で買った。 買っては見たものの、数ページ読んだあたりで 「まあ・・無理に読まないでも」 と思って本を閉じるのを繰り返していた。 結局、購入から2年以上たって、いつまでも読まないのもと 一気に読んでみた。 読んでいる最中は、正直、買ったこと読んだことを 少し後悔した。 多分、死ぬまでにもう一度読むかというと、 読まない可能性が高い。 ただし、最終回前後のシーンだけは、 「これはオレの全く知らない世界だな」と、 こういった凄さ、こういった美もあるのか、と、 ああこれが耽美的ってやつなのかな、と、 感じるものはあった。 まあ「ライチ☆光クラブ」ほとグロくない作品であれば、 耽美的といわれる作品も、また見てみようかな、とも思った。
怖いけど視たい
興味深い事故物件を巡るホラー&ギャグエッセイ。事故物件は家賃は安いけど、怖いから実際は借りようとは思いません。でもこの漫画みたいに事故物件ばかりを探す芸人とかが、最恐の事故物件を探す企画としては非常に面白いです。実際、霊がさまようガチの事故物件って思っていたより多いのですね。
ためになる霊界エッセイ
非科学的なものを信じる方なので、気になって読んでみましたが、すぐこの作品に引き込まれました。霊と言っても怖い話ではなく、コメディタッチに描かれていて、所々で笑いを挟みながら霊の世界を理解する事が出来ます。島津さんの説明やアドバイスは霊的な事とは言え、普段の生活に役立つことも多く「なるほど!」と思う事も沢山有りました。霊の世界に興味がある人におすすめの漫画です。霊なんて信じないという人にとっても興味深い作品だと思います。
知らない街のスナックとか行きたい
清野とおる先生が行ったことない知らない街を探索する作品。 地図を見ながら知らない街がこんなにあるんだ!とワクワクするのがもう素敵。漫画の題材という意味合いが強いんだろうけど、知らない人や知らない街にワクワクして突撃できるのうらやましい。これができたら人生絶対楽しくなるんだろうな。 さすがに慣れ親しんだ赤羽ほどディープな人や場所には出会ってない印象だけども、無理矢理見つけてるわけじゃないのにおもしろい人や物に出くわすのがさすが。才能。 うさぎ増殖事件を思い出してホームレスのテント突撃しまくるのが最高。 外出自粛でハリのない休日を過ごしてしまいがちですが、散歩がてら通ったことのない道を歩いたりするのも楽しいかもしれないなと思いました。 大繁殖するうさぎや3本足のサリーに出会えるかもしれないし。
スペリオール新人賞大賞受賞作 #読切応援
親から虐待を受けている子供を描いた漫画は多くて、正直なところ目をそらしたくなる題材ではあるけど、それぞれの作家がそれをどう描くかというのはやっぱり気になる。 画力の点では拙い部分があるけど(主に背景)、主人公の岬が苦しみを共有することで親しくなる釘宮さんにはとても魅力を感じました。卒業式に出ずに東京へ行った釘宮さんのその後にはびっくりしたけど、彼女が(たぶん)自分で選んだ道だし、ある意味いままで自分を見下していた親や同級生、教師を見返すことに成功している。 その強さがあるかどうかで2人の道は別れた気がするけど、岬には味方が居たけど釘宮さんには居なかったという見方もできる。 最後の岬の涙の意味を考えたけど色々ありすぎるなと思いました。
うしとら+ARMS+ガッシュベル的な
タッチも展開もすごくサンデーっぽいなと思ったらサンデーだった。 デジタル新装版はクラウドファンディングで描き下ろしが追加されたらしい。 サンデーのバトルものらしくあり、ベースがARMSっぽい感じなのだけど途中から主人公より周囲のキャラの方がメインになってきててとても懐かしい感じがする(褒めてる) 完結作品ということで一気に読みやすいしこういうの久しぶりで良かった。
女生徒と女教師の秘密の逢瀬
骨が浮き出るほど痩せている少女・マオと、彼女をデッサンモデルに誘った美術部顧問(女性)の短い逢瀬のはなし。 SNSでとてもたくさん反響があった様子で、気になりくらげバンチで読んでみました。 https://kuragebunch.com/episode/10834108156723939020 家庭の事情により不健康な生活を送っているマオの世話を焼く先生は、ただの教師と生徒として以上の感情を持ち、マオの前でそれを隠すこともなく接していた。 けれど、そんな絶対に知られてはいけない秘密の時間は、ある時あっけなく終わってしまう。 この先生は倫理に反する、むしろ犯罪ともいえる行為をしているけれど、それによりマオの心や身体が傷ついたということではなく(少なくとも作品の中では)、いち読者としては終わり方に切なさを感じました。 マオの華奢過ぎるからだと無知で未熟で無防備な様子はこちらをハラハラさせる部分もあって、ある意味先生がそばにいることで安心感が生まれていた。 でも切ないながらも、あれで良かったんだと思えるラストでした。 真面目なこというとマオの身体を見てまわりの大人が然るべき対処をするべきだったw これこそ読み手の感想が分かれる作品だと思うので、他の人の感想も知りたい。
サッカー漫画の金字塔
「有名なサッカー漫画といえば?」と聞かれれば、一番に名前が挙がるのはこの作品だと思います。作中では、現実離れした必殺シュートなど数々の技が登場するのですが、幼少の頃にそれを真似てみては泥だらけになったり、ケガしたり……。大人になった今も色あせない思い出として、この作品が心に残っています。
不気味で歪んだ愛
不気味で歪んだ愛情。息子のために、他者を排除しようとする母の様子は一言で言えば異常です。現実であればこんなにも気持ち悪い現実は受け入れられませんが、漫画だからこそ引き込まれてしまうストーリーでした。結末が気になる作品です。
婚活女子には特におすすめ!
29歳の4人の婚活女子、みんな可愛いのに婚活しないと相手が居ない世の中なのか、男の人が消極的になってしまったか?沙代は確かに普通で良いと言いながらあれもダメ、これもダメでやっぱり理想が高い。茜はモテるのにお金持ち限定。美晴は同棲までしている彼氏がいるのに焦って婚活中。美和は付き合う人が出来てもセフレで終わる。タイプの違う4人がどうやって相手を見つけていくのか、とても楽しみワクワクしながらあっという間に読んでしまった。狙いが定まっている茜は男性の事を良く見て研究していてさすがだと思う。相手が自分のタイプでなくても一緒に楽しく会話する方法も熟知しているし、婚活でのプロフィールの書き方なんかも良く考えていて納得。この作品は読んで楽しめるだけじゃなく、婚活女子には素敵な婚活バイブルになると思う。ミツコ先生の可愛い絵とストーリーを見ながら是非婚活を楽しんで欲しい。
これは好きな『なろう』コミカライズ…!!
マンバの『みんなが気になっている新連載を教えて!』トピで知った作品。 https://manba.co.jp/topics/12035/comments/98959 とにかく絵が上手い!最近は「ラノベっぽい」デフォルメされたキャラデザで背景スカスカの作品が多いですが、この作品は珍しくキャラの等身が高く背景までしっかり描き込まれていて嬉しい驚きでした。解像度が高い…! ウェブ連載とは思えない、雑誌に載ってておかしくないレベルの画力だと思ったら、作画はヤンマガでネメシスコールを連載していた森田和彦先生で納得。 そしてストーリーはかなり王道。 大学卒業後10年ニートをしてる主人公の元に、ある日突然PCゲームが送られてくる。現代の技術では実現不可能なレベルでよくできたそのゲームの世界に、主人公は「神」として1日1回干渉するというあらすじ。 最初は、いかにも典型的なネット小説っぽい話だなぁ…と斜に構えていたのですが、予想外に主人公の心の動きが丁寧に描かれていて惹き込まれました。 家族とギクシャクしたまま同居し、自分を卑下しつつも小さなことから一歩踏み出していく姿は、リアル寄りの絵と相まって説得力があります。 なんと現在単行本1巻分+1話がウェブで無料で読めてしまうので、普段こういう系を読まない人もぜひ…! 【連載ページ】 https://web-ace.jp/youngaceup/contents/1000132/ 【原作】 https://ncode.syosetu.com/n1119fh/
漫画だからこそ描けた絶望
太宰治『人間失格』を漫画化した作品。 原作をそのままなぞっているのではなく、現代的かつメタ視点で描かれている。 古屋兎丸先生自身がインターネット上で大庭葉蔵の日記「人間失格」を発見し、読み進めていくというストーリー。 読者は古屋兎丸の目を借りて、葉蔵の人生を追いかけていくことになる。 父を憎みながらも実家の金で裕福に暮らし、仕送りが打ち切られれば女の家に転がり込む姿に、最低だ罪人だと責めたててしまいたくなる。 煙草屋の娘に恋をして、1日に何度も煙草を買い、素直になれず揶揄う姿はなんとも可愛らしい。 他者の目を挟むことで、葉蔵という人間の可愛らしさや狡さ、いやらしさがより鮮明に浮かび上がる。女を誑かす様子なんかは、原作よりも真に迫るものがあるような。 小説『人間失格』も葉蔵の日記を読む他者の視点で描かれている。漫画『人間失格』も同じだが、古屋兎丸視点で古屋兎丸の絵で描かれているので、メタ要素がより色濃く感じられる。 葉蔵を見つめる読者である古屋兎丸を見つめる読者である自分自身。古屋兎丸の目が自分自身の目となり物語に飲まれていく。 嫌悪、軽蔑、共感、友愛…葉蔵に対して様々な感情を抱きながら、共に絶望の果てに追い込まれる自分自身をまざまざと見せつけられる。 小説『人間失格』からは「ただ、一さいは過ぎて行きます。」という一文が示す通り、すべてが過ぎ去ったあとの凪のような絶望を感じた。 対して、漫画『人間失格』からは今まさに激流に飲み込まれて苦悩しているような生々しい絶望を感じた。 それぞれの絶望の味を是非読み比べてみてほしい。 古屋兎丸先生の人間失格が素晴らしかったので 津軽×魚乃目三太先生とか、斜陽×えすとえむ先生とか 相性の良さそうな太宰×漫画家を妄想するのが楽しい…駆込み訴えをどうにか現代設定(どうやって)にしてゴリゴリのBLにしたりとかめっちゃ見たい
どらコン!
学生のトオルはコミュ障で恋人どころか友達もなかなかできない男の子、そしてその隣の席は学年1かわいいといわれている観音寺さんの席で毎朝ほほえみながら挨拶をしてくれます。 しかし、進展できないトオル、そんなとき近所の神社で竜神様とお稲荷様のかわいい女の子たちに出会います。 神様たちも気に入ったのかトオルに神通力で観音寺さんのパンチラをみせてくれたり、女子だけなぜ服が透けて見えるようにしてくれたり、時間停止してみたり、いろいろなハチャメチャな手段でトオルの恋を後押ししてくれます。 トオルはそんな後押しにドキドキしながらも観音寺さんと付き合えるように学園生活を過ごしていく、ちょっとエッチなドキドキするかわいい漫画です。
見どころは言葉の掛け合いにあり
原作が20冊以上、アニメも10年続いている作品ですから、どんな物語のシリーズなのか知るにはいいと思います。 アニメの世界では抽象的だったり、あやふやになっていた部分が具体的で、戦場ヶ原の母親の顔や宗教団体の男の顔がはっきり書かれていたのはちょっと衝撃でした。 あとアニメでは象徴的に書かれていた戦場ヶ原が階段から落ちるシーンもコミックでは普通の階段で、現実感はあったので、初めてこのシリーズに触れる入門編としてよいのではないかと感じました。 化け物、それは身近にいる。気づいていないだけで。 自分に降りかかった災いを「重み」と表現し、それを自らの意思で捨ててしまうことの意味を、そしてその痛みを返してほしいと泣いて訴える少女が物語の始まりの象徴として素晴らしいと思う。
巻を追うごとにグングン面白くなる。
舞台は未来のアメリカ。“眠り病”と呼ばれる記憶のガンと闘う2人とその周囲の人々の話。 1巻読了後、続きが気になって2巻を買ってみたら、また更に続きが気になって……と、気付いたら当時出ていた全てを揃えていた状態。 基本は未知の病と闘いながら、そして同時にお互いや、お互いの周囲の人々の見えてこなかった部分が見えてくる。 また、作者さんの描き方がすごく美味い。一目で『ここはアメリカなんだ!』と思わせる景観や仕草、また、舞台が遠い未来のこともあり、平然と出てくるフューチャーな要素からも、重厚な世界観を感じることが出来ます。 漫画ですが、まるで実際に登場人物が生きているかのよう。 1巻だけで決めずに、是非2巻、3巻と手を伸ばしていただきたい名作です。 個人的に (舞台や役者さん方をしっかりとして貰えるなら) ドラマ化して欲しい作品No.1です。
最初に読んだ頃は仕事…
最初に読んだ頃は仕事舐めてたので割と登場人物に共感していたと思う。 今読み返してみると、そりゃあ主人公がダメだわーとそっち側になってしまった自分。 そうやって人生が垣間見られるのも漫画のいいところかなと思います。
バブル期を感じさせる時代の作品。日本の大企業が東京に巨大な地下都市を作り、人口集中の問題の対策をしようとしているという設定で始まります。 そこには巨大な賄賂どころか殺人までも闇に葬って進めているという情報があり、主人公は調査をすることに。 地下都市は想像以上に広く、複数の階層に分けられていました。そこには巨大な植物のようなものが縦横無尽に根を張っており、地下都市は作るどころかもうすでに破壊されはじめていました。しかし、そこには巨大な恐るべき脅威があり…。 巨悪の渦に巻き込まれるように地下都市の作業員として危険な任務に挑みます。生命維持のためのスーツも破損した中で彼らはどうやって生き延びるのか? 続きが気になるのだが、3巻(9話目)のこれからという所で、第一部完であった。