新・トルコで私も考えた 2020

2020年の今どきトルコ事情

新・トルコで私も考えた 2020
ケバブ
1年以上前

連載も26年目ですか!すごいですね。暇さえあれば読み返してる大好きなエッセイシリーズなので、読者としても新刊が出るたびにトルコも変わったな〜と思いながら読んでます。個人的な今回の「トル私」の見どころは、1巻で通っていたトルコ語学校の友人達と再会されたお話ですね。みなさん日本人女性なのですが死ぬ時はトルコ?それとも日本?なんてディープな会話があったり、なんと友人の友人ということで同じく漫画家の市川ラク先生もその席にいらっしゃったり!お二方とも大好きなので、こんなに気軽に対面が実現されたなんて…と驚きました。

窓辺のプレリュード

「みんな」が苦手でもいいですか?

窓辺のプレリュード
あひる子
1年以上前

東京から地方に引っ越した女子中学生と、謎めいたピアノ教師のラブロマンスです。家の事情で落ちこんでいるヒロイン・深紅(みく)が、新しい同級生たちになかなか心を開けない流れがグッときます。人生で大きなできごとがあると、明るく元気にふるまえないこともあります。そういった言いづらい気持ちがていねいに描かれているのがいいと思いました。そんなヒロインと適度な距離感で接するピアノ教師・有泉も良かったです。迷えるヒロインを適切に励ます有泉は、本物の大人だと思いました。

Mの首級 マッカーサー暗殺計画

狙われたマッカーサー!極秘暗殺計画を描く新連載

Mの首級 マッカーサー暗殺計画
名無し
1年以上前

日本国誕生以来、天皇を超えた唯一の権力者・マッカーサー元帥。 敗戦後の日本人にも崇め奉られる彼の"暗殺計画"が秘密裏に進行しているという。 その暗殺者となる人物(肩にカラスを乗せたいけ好かない男!)を探し出すよう依頼されたのが、元陸軍少佐の伊達。果たして彼はマッカーサー暗殺計画を止めることができるのか?

大長編ドラえもん

夢と現実の狭間が曖昧なドラビアンナイト

大長編ドラえもん
名無し
1年以上前

ドラビアンナイトは集団同士の戦いや抗争にのび太たちが巻き込まれるのではなく、空飛ぶじゅうたんや巨大魔人、黄金の宮殿など、アラビアンナイトの世界へ大冒険!といった物語です。 絵本の世界から始まり、現実世界のバグダッドへ時間旅行、そして気づくと魔法の世界でシンドバッドに出会い…という夢と現実が曖昧に混ざりうような世界観がとてもワクワクします。 その一方でしずちゃんが序盤でひとり絵本の世界へ取り残され、奴隷として商人に捕まり砂漠を歩かされたりと、散々な目にあいます。キレイ好きなしずちゃんの身になるとどんなに辛かっただろうとちょっと悲しくなりました。

映写室のわかばさん

技術の進歩で風化される専門技術を思う

映写室のわかばさん
六文銭
六文銭
1年以上前

時代の流れとともに、昔は人の手でやっていたことがボタン一つで片付いてしまう。 そんなところに、なんとなく哀愁を感じるんですよね。 電気をつけるのも昔は木から火を起こしていたわけです。 それがランプになって、今はスイッチひとつですよ。 手作りだった下駄も、今は工場であらかたつくってしまうわけです。 映画の世界も、時代はデジタル再生です。 なんなら人もいないかもしれない。 映写機を使ってフィルムでみれる映画館もどんどん減ってます。 本作はそんな希少職業の一つ「映写技師」のお話。 スクリーンに写す映像を、フィルムで順次流し込む仕事です。 映画1本で、巻き尺みたいに巻かれたフィルムの束を何本も使うこともしばしばで、そのつなぎこみをうまくやる熟練のテクニック。 1分1秒を見逃さず、観客にむけて映像を絶え間なくきちんと流す。 純粋にすごいのですが、機械に取って代わられてしまった技術なんです。 それでも人の手でやることに、私は味があると思うんですよね。 面倒だからという理由で、簡素に効率化して失われてしまったものたち。 そこに、本質があるんじゃないかと思ってしまうわけです。 本作の主人公も、そんなレトロな技術に没頭します。 これから先、使い物になるかどうかわからない技術なのに、 打算もなく、純粋にただ好きで楽しむ姿はすごく良いです。 あぁ、まだこんな世界があるんだなと痛感させられる作品でした。 やっぱり人が関わっている、人がつくっているっていいもんです。

まゆ子の季節

華やかな世界を舞台にしたスポ根ヘアデザイン道

まゆ子の季節
名無し
1年以上前

10代の頃に雑誌の連載で読んでいました。新人の美容師・まゆ子が才能を見い出され、苦難をいくつも乗り越えながら世界的なヘアドレッサーへの道を駆け上がっていくストーリーです。 当時はヘアメイク関連のアーチストが今のようにポピュラーな存在ではなかったので、自分とは縁のない華やかな世界の物語と思っていましたが、ストーリーはスポ根の王道のような感じで読みやすいです。絵柄やファッションに時代を感じるものの、展開が早くスリリングで、一気に読み返してしまいました!

オモテナシ生徒会

お嬢様学校で転入生が生徒会と戦う漫画

オモテナシ生徒会
nyae
nyae
1年以上前

行方不明の姉を探すため、とあるお嬢様学校に転入してきた少女が、姉に関する情報を聞き出すためにその学園で絶対的な権力を持つ「生徒会」へ乗り込むが…というはなしです。 情報を聞き出すためには生徒会メンバーと麻雀、花札、トランプなどで勝利しなければならないのですが、金に物をいわせていかさまされたり、あるいはこちらもしたり、負けると謎の地下壕に落とされたりと、ストーリー的には緊迫しているようにも思えますが、ドリヤス工場先生の絵柄ですし、ずっとじめっと湿った空気が漂っているような妙な気持ちで読みました。 個人的な好みでいうと、そういう漫画が大好きです。 あとがきに、色んなパロディが散りばめられていると書いてありましたが(そもそも絵柄自体が…というのは置いといて)、ざわ...ざわ...とこの画像のコマくらいしかわかりませんでした。

はぴナビ!

ドラマ化したら見てみたい!

はぴナビ!
名無し
1年以上前

作者名に石田衣良さんの文字を見つけたので読んでみました。 主人公はマスコミを目指し就活を始めた水越千晴ちゃんです。 就職氷河期でコネもなしって、今年大学4年生のうちの子供と重なるところがありました。そのため、私は現代日本におけるの就活の実情について興味深く読みましたが、それだけでなく、主人公の千晴が就活をとおしていろいろな経験をしていく過程で考えさせられる事が多くありました。 就活中の方はもちろんのこと、その親にとっても大変関心が高く読める漫画だと思います。もちろんストーリー自体がすごく面白いので、就活に関係ない方にもおすすめです。 これドラマ化したら絶対に面白いはず!と思ってしまいました。

大長編ドラえもん

メジューサやギガゾンビやニムゲが本気で怖かったあの頃

大長編ドラえもん
兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前

『ドラえもん』の単行本セットを一式、幼馴染みの御母堂からいただいたことでマンガ人生が始まった私ですが、その中には『大長編ドラえもん』の単行本もありました。 そこからコロコロコミックでのリアルタイム連載を追っていた作品もありますが、『大長編ドラえもん』シリーズも本当に思い入れの深い作品です。 不思議と今でも特に強く思い出せるのは、各作品から与えられた「恐怖」の感情です。 『小宇宙戦争』での、『1984』のパロディである将軍の肖像の監視装置。 『魔界大冒険』で、タイムマシンで航行する亜空間の中すら追ってきて石にするメジューサ。 『海底鬼岩城』で海底の家を大王イカに攻撃される時。 『鉄人兵団』で地球を滅亡させてくる悪のロボットたちが、鏡の世界に気付いてこちらの世界に侵攻してくる時。 『パラレル西遊記』でおかしくなってしまった世界や人々。 『日本誕生』で割れても自動再生して襲ってくる土偶やギガゾンビ。 『アニマル惑星』に登場する得体の知れないニムゲや禁断の森。 今思うと何でそこまで、と思うのですがそれらすべてが心から恐ろしかったです。それらを経て日常の『ドラえもん』に帰った時の安心感は、非常に強いものでした。 しかしながら、ただ怖かっただけではなく怖さもありながら純粋に質の高いエンターテインメントとして楽しんでいたのも確かです。 描く題材が尽きないのかなと子供心に心配になったくらいにありとあらゆる場所へ冒険し、仲間と共に助け合いながら困難を乗り越えていくドラえもんとのび太たち。 『大魔境』のラストの展開などは子供心に大変興奮しました。『竜の騎士』でスネ夫が珍しく単独で見せ場を作る構成も好きでした。『ワンニャン時空伝』で一旦幕が閉じられた時は寂しさを覚えました。 『ドラえもん』があるから日本人はSFを難しいものではなく身近なものとして楽しめるという言説がありますが、私は『ドラえもん』によって物語の楽しみ方を沢山教わったと思います。

かなえられた願い

人間の持つ恐ろしさ、哀しさ、暖かさ…色んなものを感じられるホラー漫画

かなえられた願い
名無し
1年以上前

おどろおどろしさや不気味さ、恐怖心を煽る、という意味ではライトなホラー漫画なので、読んだあと一人でトイレに行くのが怖くなる心配はありません。それに、ちょっとレトロで個性的な画風と丁寧な作画、身近なテーマが中心の短編集で、さらっと読めてしまいます。 とは言え、単に読者をむやみに怖がらせるだけの内容ではなく、一話一話にしっかりとしたストーリーがあり、人間の満たされることのない欲求や、嫉妬心、妬み恨みが引き起こす不幸が描かれているので、読み進めているうちに人間の心に潜む醜さを思い知ることになり、ある意味背筋が寒くなる瞬間があったり、また考えさせられもしました。そんな中、ときどき心がほっとするような展開の話の回も挟まれているのが救いです。人間の持つ恐ろしさ、哀しさ、暖かさ…様々な面を感じられる、質の高いホラー作品だと思います。

Jドリーム 完全燃焼編

世界で戦うのが夢のまた夢だった時代の熱い話

Jドリーム 完全燃焼編
名無し
1年以上前

Jリーグ黎明期の、プロ自体が珍しかった時代、世界で戦うのが夢のまた夢だった時代に、世界で戦う主人公を中心とした架空の話です。架空の話ですが、きちんと取材していて、作者がどれだけサッカーが好きなのかがわかります。困難を押しのけて、みんなで一つになって戦って目的を達成する、という少年漫画の王道中の王道ですが、女性の作家でここまで少年の気持ちがわかるのか、といい意味で驚きでした。日本のサッカー関係者が世界で戦うぞ、と熱い気持ちを持っていた時代の息吹を感じさせてくれます。

はだかのくすりゆび

艶々先生が描く女性は生命力強そう

はだかのくすりゆび
野愛
野愛
1年以上前

背徳的ラブストーリーなんてもんじゃなかった…。 娘の婚約者や不倫相手や夫など男達を使って母親とか妻とかそういうカテゴライズを取り払っていく逞しいお話でした。 女として目覚めていくとともにどんどん美しく強かになっていくのが素晴らしい。ご都合主義すぎるけどそんなママを素敵と言える娘も凄い。 艶々先生の描く女性は所謂かわいい女じゃなくて、自らを解放していく強さみたいなものが感じられるから好きなんですよね。めちゃくちゃ肉感的だし生命力強そうで最高です。 身勝手だけどラストシーンはちょっとスカッとするんだよな…艶々先生の作品は女性にこそ読んでほしいのですよ。

未来の想い出

こんな面白いのに何で誰も教えてくれなかったのか

未来の想い出
hysysk
hysysk
1年以上前

F先生版のまんが道的な要素もありつつ、得意の少し不思議が枯れた大人向けの至高のファンタジーになっている。 実写映画化もされていて、トキワ荘周辺の漫画家たちがこぞって出演しているのが微笑ましい。映画好きな彼らだから、さぞかし嬉しかったことだろう。 短編などを除けばこれが最後の作品ということだけど、このコンパクトさでしっかり王道にまとめあげるのは究極の名人芸ではないだろうか。今まで彼が描いてきたモチーフが織り交ぜられているので、細かい部分を読み込むのも楽しい。

きっといつかは幸福寺

お寺さんを身近に感じられる

きっといつかは幸福寺
名無し
1年以上前

お寺さんを題材とした漫画はちょっと珍しくて、興味を持って読んでみました。住職さんの役目や跡取り問題、檀家さんや他のお寺さんとの付き合いの難しさなど、普段なかなか知ることのない世界を垣間見ることができて、期待以上に面白かったです。お寺さんがテーマとは言え、真面目でシリアスな作品ではなく、基本的にはユーモアと人情味溢れたストーリーなので、さらっと読めるも気に入りました。幸福寺の住職ファミリーのやり取りも可笑しくて、喧嘩もあるけれどお互いを理解してサポートし合う関係にほっこりしたり、周囲の人々へ暖かく手を差し伸べるシーンに思わずほろっとしたり、上手に読み手の気持ち満たしてしてくれる作品です。読み終えた後には、お寺さんの存在が身近に感じられました。全2巻ですが、ぜひ続きも描いて欲しいです。

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